日本畜産学会報
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44 巻, 9 号
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  • 蔭山 勝弘, 森 治夫, 佐藤 勝郎
    1973 年 44 巻 9 号 p. 465-469
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    有機酸組成からみたサイレージの品質鑑定の方法を迅速,かつ容易にするために,揮発性脂肪酸(VFA)と乳酸をガスクロマトグラフィー(GC)によって,同時に測定する方法を検討した.測定用カラムとしては,テレフタール酸(TPA, 60~80メッシュ)を担体とし,ポリエチレングリコール(PEG)-6000を10%塗布して,1.5mのガラス製カラムにつめたものを用いた.サイレージを水で抽した抽出液を直接,ガスクロマトグラフに注入し,120°Cから190°Cまでの昇温分析をすることによって,VFAとともに,乳酸を揮発性の誘導体にかえないで,同時に測定することができた,溶出の順序は酢酸,プロピオン酸,イソ酪酸,酪酸,イソ吉草酸,吉草酸,イソカプロソ酸,カプロン酸,乳酸で,それぞれのピークの分離がよく,定量性もすぐれていた。
  • 白井 邦郎, 蔡 国〓, 岡村 浩
    1973 年 44 巻 9 号 p. 470-475
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ヘビーステア(塩蔵皮)を高温で貯蔵したり,貯蔵中に乾燥状態になると,真皮部分の脂肪含量が多くなり,製品革の油はんの原因となることを認めた.これは皮下脂肪が貯蔵中に融解し,真皮部分へ浸入するためと考えられる.
  • 佐藤 邦忠, 三宅 勝, 菅原 正善, 武山 友彦, 大橋 昭市, 岩間 長夫, 杉山 淳, 井上 晴夫, 吉川 友喜
    1973 年 44 巻 9 号 p. 476-482
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ウマ精液の一般性状および無機物含量について多変量解析を行なった.供試精液は十勝管内で種雄馬として供用中の5頭より採取した133試料および農林省十勝種蓄牧場の三才種雄候補馬123頭より採取した123試料である.精液検査項目中,平均値差の検定において,三才種雄候補馬群(g1, g2群)は繁殖期の種雄馬群(g4群)に比べて量,活力および尾部奇形率の各要因に,また非繁殖期の種雄馬群(g3, g5, g6群)にくらべて活力,中片部寄形率および尾部奇形率の各要因に有意差が認められた(P≤0.05).無機物含有量相互間および精液の一般性状間との相関係数において,g2群およびg3の両群に共通して有意性が認められた要因はなかったが,Ca-Mg•Znは正の,Na-Ca•Mg•Zn•Kでは負の傾向がみられた.濃度,pH値および活力等の要因は無機物含有量との間に有意性のある相関係数は認められなかった(P≤0.05).多変量分析の結果,三つの主成分までの寄与率の高い要因はg2群-K含有量,94群-活力であった.固有値の寄与率は第3主成分までで各群とも49.3~64.4%の間にあった.固有ベクトルが全群同じ要因は第1主成分で量および頸部奇形率のみであった.
  • 小林 茂樹
    1973 年 44 巻 9 号 p. 483-488
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    酪農経営分析における乳牛償却費の算出に際レては,白家育成牛が経営体外部からの購入牛の購入時期に匹敵する時期の決定と,その時点での評価が必要となり,さらに牛乳生産費等の分析のために,育成牛の月令別評価または経産牛換算法が必要となる.筆者は,これらの評価を行なうために,経営体個別の育成技術に相応し,しかも簡便な算定による方法を考えた.まず,自家育成牛の購入代替時は初分娩時とした.この時点での評価額については,同一経営体の経産牛に要した費用から推定した.すなわち,経産牛に対する各費目の標準的費用価に適宜係数を乗じ,これらを合計して育成費とした.そして,育成牛の出生後初分娩までに要する費用累計額に,出生時評価額を加え,これと経産牛1頭当り年間費用との対比を標準的形態の経営について行ない,次式により育成牛評価指数を算出することとした.
    y=VR/RT x+B/T (ただし,y:育成牛評価指数,x:育成牛月令,VR:育成費累計額,B出生時評価額,T経産牛飼養費,R:標準的初分娩月令)
    実用上は,育成牛の評価指数表と経産牛換算表を作成する.
  • 熊崎 一雄, 佐々木 義之, 山根 道資
    1973 年 44 巻 9 号 p. 489-495
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    農林省鳥取種畜牧場で生産された黒毛和種の雄子牛128頭,雌子牛125頭の生時体重,離乳前1日増体量および180日令補正離乳時体重について,最小自乗分析法を用いて産地別系統間の比較を行なった.結果を要約すると下記のとおりである.1. 生時体重では雄雌ともに両親の系統が有意な効果を示したが,離乳前1日増体量と離乳時体重に対しては母親の系統だけが雄子牛で有意な効果を示した.これは雄子牛の生時から離乳時までの発育に対して子牛自身の遺伝的な発育潜在能力よりも,母体効果の方がより重要なことを意味している.2. 父牛の系統としては岡山系と鳥取系,母牛の系統としては鳥取系がすぐれていた.兵庫系を父牛または母牛として用いた場合には他の系統より子牛の生時体重が小さかった.3. 系統間交配群は直系交配群より生時体重がややすぐれているようであったが,離乳前1日増体量と離乳時体重では系統間交配群の方が全般的に劣っていた.4. 系統間交配群の正逆交配では,岡山系(父)×兵庫系(母)および岡山系(父)×鳥取系(母)がその逆交配の場合より離乳時までの子牛の発育が良く,岡山系は子牛の発育潜在能力は高いが,母牛としての哺育能力の低いことがうかがわれた.これに対し鳥取系は父牛として用いた場合より母牛として用いた場合の方が全般的にすぐれた成績を示し,鳥取系の母牛の哺育能力のすぐれていることが示唆された.
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