日本畜産学会報
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58 巻, 11 号
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  • 大谷 元
    1987 年 58 巻 11 号 p. 907-918
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 常石 英作, 滝本 勇治, 西村 宏一, 武田 尚人
    1987 年 58 巻 11 号 p. 919-926
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    各組織における脂質性状を明らかにするため, 日本短角種去勢肥育牛4頭 (平均24ヵ月齢・体重598kg) を用い, 筋肉9部位と脂肪組織4部位についてのトリアシルグリセロール画分の脂肪酸組成, および筋肉中のリン脂質画分の脂肪酸とアルデヒド組成を検討した.
    トリアシルグリセロール画分の脂肪酸組成は組織間に差がみられ, 体表面に位置する組織すなわち皮下脂肪・咬筋・体幹皮筋・橈側手根伸筋および半腱様筋では不飽和脂肪酸割合が高い値となった. 皮下脂肪の下に位置する僧帽筋と胸最長筋 (腰椎部分) がこれに続いた. 一方, 体深部に位置する胸最長筋 (胸椎部分)・大腰筋および筋間脂肪の不飽和脂肪酸割合は低く, 腎臓周囲脂肪は最も低い不飽和脂肪酸割合となった. 横隔膜および内面脂肪は, 体深部に位置しているにもかかわらず, 同じように体深部に位置する, 胸最長筋 (胸椎部分) や筋間脂肪と比べて, 若干高い不飽和脂肪酸割合となった. トリアシルグリセロール画分では, 不飽和脂肪酸の大半をしあるC18: 1は体内位置に関連していることが推察された.
    リン脂質画分の脂肪酸とアルデヒドには筋肉間に差がみられ, 高度不飽和脂肪酸割合は咬筋が最も高く, 体幹皮筋. 橈側手根伸筋・横隔膜. 半腱様筋では, これに次いで高い値を示した. 胸最長筋・僧帽筋. 大腰筋では最も低い値であった. 一方筋肉中のリン脂質画分のモノ不飽和脂肪酸割合は, 高度不飽和脂肪酸割合と逆の関係となった. 高度不飽和脂肪酸の筋肉間における差は, C18: 2を主体とする, ω6系列の不飽和脂肪酸の変動によるものであった. これらリン脂質画分における脂肪酸組成の差異は, 筋肉の運動量の差との関係が示唆された.
    アルデヒドについては, 筋肉間に差がみられたものの, 運動量などに関して一定の傾向は認められなかった.
  • 福渡 康夫, 田村 吉隆, 溝田 輝彦, 冨田 守, 小此木 成夫, 松本 耕一, 中島 篤, 佐藤 幾郎, 稲垣 孝二
    1987 年 58 巻 11 号 p. 927-936
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    既報に提案した膜透過に関する多成分系の輸送方程式と濃度分極式を用いてチーズホエーの逆浸透濃縮を解析する場合に, 輸送方程式の水透過係数を定数として取り扱うことができる体積透過流束の範囲について検討した.
    ホエーを逆浸透濃縮する過程において, あるファウリング起因溶質成分の膜面濃度が限界濃度を越えるとファウリングを発生するという仮説を立て, その溶質成分の限界膜面濃度を与える体積透過流束を限界安定体積透過流束 (Jv lim) と定義した.
    ポリベンッイミダゾロン膜を装着した平面膜型モジュールを組み込んだ一過式逆浸透装置を用いて, 流速変化法により, ファウリング起因溶質成分の限界膜面濃度が存在することを証明するとともに, Jv limはこの限界膜面濃度により支配されることを示した.すなわち, Jv limはモジュール流量の1/3乗に比例して変化した.
    ファウリング起因溶質成分, その濃縮液濃度および限界膜面濃度が, ホエーのpH, 全溶質濃度および温度履歴, ならびに濃縮温度の濃縮操作条件によって変化することが考えられたので, これらの濃縮条件のJv limに及ぼす影響を検討した.ホエーのpHを6.4から4.6まで変化させると, Jv limはpH5.8で極大値を示した, ホエーの全溶質濃度が高いほどJv limは低下した.50℃1時間の熱処理を行なったホエーのJv limは, 未処理ホエーのそれよりも上昇した. 濃縮温度を変えると, Jv limはホエーのpHおよび温度履歴によってそれぞれ異なった変化を示した.
  • 大島 浩二, 松尾 信一
    1987 年 58 巻 11 号 p. 937-945
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    反舞動物である家畜のヤギと野生のニホンカモシカを用いて, 松果体の組織形態, 特に加齢にともなう変化を光顕と電顕により検討し, 以下のような結果を得た. 1) ヤギおよびカモシカの松果体は間脳の視床上部に位置し, 矢状断による形態はヤギでは卵円形-西洋梨形で, カモシカでは楕円形を呈していた. 2) ヤギおよびカモシカの松果体細胞は直径6-8μmの円形の核を有し, 松果体実質の大部分を占めていた. 90日齢のヤギの松果体細胞内には, 大形の脂肪滴や, しばしば結晶構造が存在し, 成獣のもので, 有芯小胞が幾分増加したが, 加齢にともなう著しい変化はみられなかった. 3) ヤギおよびカモシカのグリア細胞は松果体細胞より幾分大形, 明調で血管周囲腔に近接して2-3個かたまって存在していた. ヤギの成獣のグリア細胞は大きな切れ込みをもつ核を有し, 細胞質には多数のグリアフィラメント束や二次ライソゾームかリポフスチン様の暗調顆粒が増加していた. 4) 加齢にともなってヤギの松果体では, 色素顆粒含有細胞が増加し, 神経細胞が減少していた. しかし, カモシカの松果体には色素顆粒含有細胞は認められなかった. また, 10日齢のヤギにのみ, 松果体の血管周囲腔に, PAS陽性細胞が存在し, 心臓のプルキンエ細胞に極あて類似していた. 5) ヤギおよびカモシカの松果体実質には広い細胞間隙や細胞密度の著しく低い円形の網状構造が存在していた. さらに, カモシカのものでは, しばしば上衣様細胞によって囲まれた嚢胞が認められた.
  • 阿部 又信, 阿部 孝志, 入来 常徳
    1987 年 58 巻 11 号 p. 946-953
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    早期離乳の前後における仔牛の採食量調節機構について検討するため, 約1週齢のホルスタイン種雄仔牛を用い, ほぼ同様の方法で2回の試験を実施した. 試験1では18頭, 試験2では14頭をそれぞれ2区に分け, 一方には代用乳を1日1頭当り600g, 他方には300gずつ, いずれも5週間定量哺乳した. 試験開始直後からペレットの濃厚飼料とイナワラを不断給与し, 10週目まで週ごとにこれらの採食量と血液pH, および血清中のグルコース, 遊離脂肪酸 (FFA), 尿素態窒素 (BUN) の各濃度を測定した. その結果, 1) 週ごとの1日平均濃厚飼料摂取量は, 1週目の体重当り約0.1%から10週目の約3.3%まで増加したが, 特に4週目と離乳直後の2週間に著しく増加した. 2) 週ごとの1日平均イナワラ摂取量は10週間で体重の約0.05%から約0.5%まで増加したが, この場合は3週目を除いて特に著しい増加は認められなかった. 3) 哺乳中の濃厚飼料摂取量は代用乳300g/日区の方が多かったが, 離乳後のその摂取量および離乳前と後のイナワラ摂取量には区間であまり差がなかった. 4) 血液pHは, 試験1では両区とも3週末と7週末以後で増加したが, 試験2では一定の傾向が見られなかった. 5) 血糖値は試験全期間を通して300g/日において低い傾向があり, 両区とも3週末で低下したが, 離乳後には増加した. 6) FFA濃度は3週末に著しく低下し, その後は6週末まで増加したが, 7週末にも再度低下した. 7) BUN濃度は1週末が最高で, その後5週末まで減少を続けたが, 試験2では7週末にも一時増加した. 以上の結果は, 早期離乳前後における仔牛の主要な採食量調節機構として, エネルギー恒常性説を支持するものと考えられた.
  • 及川 卓郎, 喜屋武 幸紀
    1987 年 58 巻 11 号 p. 954-960
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    屠肉形質の遺伝的改良の傾向を調べるため, 枝肉重量DCG (1日枝肉生産量=枝肉重量/日齢), ロース芯面積, 脂肪交雑および枝肉格付規格の年次推移について分析した. データは14頭の種雄牛を親に持つ572頭の去勢牛の屠畜記録で, 1978年から1984年まで沖縄県食肉センターで調査したものである. 去勢牛の出生年次で1977年から1982年までの枝肉重量平均値の推移をみると低下する傾向にあった. 一方, DCG, ロース芯面積, 脂肪交雑評点および格付規格では明確な傾向は, みられなかった. 脂肪交雑評点および格付規格の変動係数は大きく, また格付規格の変動係数は年次が進むにつれ増加する傾向であった. これは格付規格のうち中物の枝肉の割合が減り, 並物の枝肉が増加したためと思われる. 枝肉重量とロース芯面積の育種傾向は初期に上昇し, その後頭打ちになる傾向がみられた. 一方, 脂肪交雑評点および格付規格の育種傾向は調査期間中, 終始上昇する傾向がみられた. このようにDCG, 脂肪交雑評点および格付規格の改良は, 比較的順調であったと思われる. 次に年次効果の最小2乗平均値の推移についてみると, ロース芯面積ではほぼ一定しており, 年次による環境の効果はみられなかった. 一方, 枝肉重量とDCGでは若干低下する傾向がみられた. これに対し, 脂肪交雑評点および格付規格の年次効果は終始低下する傾向であった. 従って脂肪交雑評点と格付規格の遺伝的改良は比較的順調であるにもかかわらず, 環境要因によつて相殺されて, 表型上の改良に結び付いていないものと思われる. 枝肉重量とロース芯面積の育種傾向は頭打ちの傾向であるため, 今後の改良の進展度を注意深く見守るとともに, 引き続き調査する必要性があると思われる.
  • 宮本 元, 石橋 武彦, 中野 栄
    1987 年 58 巻 11 号 p. 961-968
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    イノシシとブタの交雑によって生産した成熟イノブタ12頭と未成熟イノブタ3頭から卵巣を採取し, 卵巣中のステロイド合成に関与するステロイド水酸基・脱水素酵素 (HSD) 活性を組織化学的に検出した.エストラジオールー17βを基質として用いたとき, 弱い17β-HSD活性が各発情周期および未成熟イノブタの胞状卵胞の卵胞膜内層および顆粒層細胞に存在し, 発情後期と発情休止期の黄体にもみられた.これらの細胞はエストロジェン合成に関与していると思われる.弱い3α-HSD活性が胞状卵胞の卵胞膜内層と間質組織に存在し, とくに5mm以上の卵胞の卵胞膜内層は中等度の活性を示し, これらの細胞がアンドロジェン合成に主要な役割を果たしていると推察できた.弱い20β-HSD活性が黄体に, 非常に弱い活性が胞状卵胞の卵胞膜内層と顆粒層細胞にみられ, これらの部位における20β-ジハイドロプロジェステロンとプロジェステロンの相互転換の可能性を示した.弱い11β-HSD活性が黄体に存在したが, 20α-HSD活性は認められなかった.
  • 浜田 久, 村山 真治, 佐々木 義之
    1987 年 58 巻 11 号 p. 969-977
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    反芻動物の血糖維持機構におけるグルココルチコイド (GC) の役割を明らかにするために, 副腎摘出 (ADX) ヒツジを用いて飼料給与条件下および絶食条件下での実験を行なった. まず, 実験1ではADXによる術後の影響を除くために, ADX後3カ月以上経過した個体を用い, GCを投与したGC処理ADX群と無処理ADX群に分け, 血糖値を経日的に調べてみた. つぎに, 実験2では絶食条件下において正常群, GC処理ADX群および無処理ADX群の3群間で血糖値を比較した. さらに, 実験3では絶食条件下で低血糖症状を示したADXヒツジに対するグルコースおよびGC投与の効果について検討した. 1) 飼料給与条件下では, 無処理ADX群の血糖値はGC処理ADX群の90%の値を維持した. 2) 絶食条件下では無処理ADX群の血糖値は絶食3日目に絶食前値の半分近くの水準である31±4mg/100mlに低下した. 一方, GC処理ADX群および正常群では, 絶食3日目の血糖値がそれぞれ55±3mg/100mlおよび49±3mg/100mlであり, 両群とも絶食前値の80%以上の水準を維持した. 13頭の無処理ADX群は絶食15日目までにすべて低血糖症状を示し, そのうち1頭は低血糖による昏睡死をした. 一方, GC処理ADX群および正常群では絶食期間中, 低血糖症状を示す個体は観察されなかった. 3) 絶食条件下で低血糖症状を示したADXヒツジでは, グルコース補給によって急激かつ明瞭に低血糖症状からの回復が認められたが, その後再び低血糖症状を示した. 一方, これらADXヒツジへのGC投与は, 血糖値の持続的上昇と低血糖症状からの回復に効果があった. 以上の結果から, グルココルチコイドは絶食条件下におけるヒツジの血糖維持に必須の要因であることが明らかになった.
  • 加藤 清雄, 遠藤 広行, 国則 文子, 峯尾 仁, 牛島 純一
    1987 年 58 巻 11 号 p. 978-984
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    めん羊の膵外分泌に及ぼす静脈内ペンタガストリン投与の影響を, CCK-8に対する反応と比較しながら検索した. 無麻酔めん羊において, CCK-8は膵液流量, 蛋白質濃度およびアミラーゼ活性何れも増加させたが, ペンタガストリンは膵液流量を増加させずに蛋白質濃度およびアミラーゼ活性を有意に増加させた. ペンタガストリンは, 麻酔下で幽門部を結紮されためん羊においても膵外分泌増加効果を示した. ペンタガストリンによる蛋白質とアミラーゼの最大放出量は, 無麻酔下においても麻酔下においてもCCK-8の場合より少なかった. これらの結果は, ペンタガストリンは腸相を介することなく膵腺房細胞刺激効果を有するが, この効果はCCK-8よりも小さいことを示している.
  • 伊藤 整, 鎌田 信一, 山野 秀二, 柿市 徳英, 初岡 政典, 横山 健吉
    1987 年 58 巻 11 号 p. 985-986
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 戸羽 隆宏, 阿部 晋, 足立 達
    1987 年 58 巻 11 号 p. 987-990
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 宮本 明夫, 梅津 元昭, 石井 伸一, 古沢 軌, 正木 淳二
    1987 年 58 巻 11 号 p. 991-994
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
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