イオン交換膜電気透析装置による脱脂粉乳溶液の脱塩において,眼界電流密度に与える種々の要因の影響度合を実測し,次の実験式を得ることができた.i
lim=Q•S
-1/6.•[(1.01665)
S0.1]
-T•V
0-6•κ•L
0•D
0ここでQ:定数,i
lim:限界電流密度(mA/cm
2),k:乳の比電気伝導度(Ω/cm)(初期κの1/4まで),S:乳固形分濃度(%)(3_??_S_??_25),T:乳の温度(°C)(10_??_T_??_40),V:線速度(cm/sec),L:脱塩室の長さ(cm),D:脱塩室の厚さ(cm).定数Qは,脱脂粉乳のバッチ,乳の熱履歴,装置の形状等により変化する値であるが,脱脂乳をいったん加熱したもののQ値は,未加熱のものに比較して若干上昇する結果が得られた.(i/κ)
limは,上記の式にまとめられたごとく,固形分濃度の上昇,温度の上昇により低下することが明らかになった.しかし,固形分の上昇,温度の上昇によりκが上昇するので,処理能力に影響を与える脱塩開始時のi
limは,固形分濃度とともに上昇して16~25%付近でほぼ一定となり,温度については10~40°Cの範囲で大きく変化しないことが判明した.また,脱塩室の長さ,厚さはi
limに影響しない結果が得られた.
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