日本畜産学会報
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48 巻, 10 号
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  • 角田 幸生, 入谷 明, 西川 義正
    1977 年 48 巻 10 号 p. 499-508
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    家兎受精卵をラット生殖器道内に移植するに際して,まず2細胞卵を用いて移植された家兎受精卵の発育と移植するラットの性周期との関係を検討し,ついで移植された家兎受精卵の発育が卵子の日齢および移植部位により相違するか否かを調べ,移植された家兎受精卵の発育限界も合わせて検討した.ついで回収された家兎受精卵の生存能力を体外培養法により調べた.1. ラットの卵巣のうに移植された家兎卵子の発育は,性周期の時期によって大差がみられなかった.子宮に移植した場合,交配区のラットでは回収卵がすべて変性卵であったが,その他の区では発育に差がなかった.2. 家兎受精卵の日齢およびラットの移植部位いかんにかかわらず,桑実胚期までの受精卵を移植した場合は,いずれも初期胚盤胞~胚盤胞期まで発育したが,その後の胚盤胞の発育はみられなかった.また胚盤胞を移植した場合はその後の発育は全くみられなかった.3. ラットよりの回収率は移植から回収までの日数が長くなるにつれて低く,また齢が進むほど高くなる傾向がみられた.4. 卵巣のうに移植した家兎卵子は,移植後の日数に関係なく大部分卵巣のうから回収された.5. ラット卵巣のうあるいは子宮から回収され,正常な分割像を示していた卵子のうち一部のものを体外培養した結果,大部分の卵子がさらに発育を続けた.
  • 柴田 正貴, 向居 彰夫
    1977 年 48 巻 10 号 p. 509-514
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳牛の熱発生量,体温などに及ぼす環境温度並びに乾草摂取量の影響を検討する目的で,第一胃フィステルを装着したホルスタイン種乾乳牛4頭を用い,4×4ラテン方格法に従って実験を実施した.実験処理は,環境温度2水準(H:32°C, L:18°C,いずれも,相対湿度60%),乾草給与量2水準(S:TDN維持要求量,R:Sの70%量)を組み合わせた4処理水準(HS, HR, LS, LR)とした.その結果,次のような知見をえた.1) 体温は,HS処理においてのみ,他の3処理より有意に高かった.2) 脈拍数は,乾草摂取量によって強く影響を受け,S水準で高い値を示した.3) 脈拍数と熱発生量との間の相関係数は,各個体ごとに求めた場合に有意であった.4) 呼吸反応は環境温度の影響を強く受け,H処理において呼吸数は増加し,1回呼気量は減少した.5) 熱発生量は,H処理においてL処理より約10%程度高い値を示し,また,S水準の値はR水準のそれより有意に高い結果をえた.6) 熱発生量において,処理間に有意差(P<0.05)が認められたのは,HS>HR•LR, LS>LRであった.7) ホルスタイン種乳牛の臨界高温度は29~32°Cの間にあるものと推測された.
  • 和田 安郎, 須山 享三, 足立 達
    1977 年 48 巻 10 号 p. 515-521
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    過量のPDを添加した牛乳の脂肪率をゲルベル法によって測定する場合,常法によってえられる測定値はイソアミルアルコールがPDによって脂溶性酸化物を生成するために,見掛けの増加を示す.そこで,PDを0.15~2.00%含む牛乳に対して,イソアミルアルコールの添加時期をずらしてゲルベル法を実施し,その影響に関する検討を行い,実用的な改良法を提案した.えられた結果は次のとおりである.(1) イソアミルアルコールの添加時期を15分間の加温前にずらすことにより,PD無添加乳(対照乳)を常法で行った場合とほぼ同様の測定値をえたが,2.00%濃度の牛乳では値が若干高く現われたことから,本変法の使用可能なPD濃度は1.5%程度であると考えられる.(2) イソアミルアルコールの添加時期を加温5~10分後にずらすことにより,対照乳の測定値と一致した結果をえた.(3) 添加時期を加温15分後にずらした場合は,脂肪率測定値は対照乳の値よりも若干低いことが認められた.(4) アスコルビン酸,あるいは亜硫酸水素ナトリウムのイソアミルアルコールとの同時添加による方法は満足すべき結果を与えなかった.(5) PD添加牛乳からえられた脂肪柱成分のガスクロマトグラフィーを行った結果,常法でえられたものではPDの添加量の増加に伴ってピーク数の増加が認められた.しかしながら,イソアミルアルコールの添加時期をずらした方法でえられたものでは,対照乳と同様のピークパターンを示し,イソアミルアルコールと硫酸との反応物,あるいは牛乳中に本来含まれている成分のピークのみが認められた.したがって,イソアミルアルコールの添加時期を加温5~10分後にずらすことによって正常値のえられる原因は,PDの酸化力がイソアミルアルコール添加前に牛乳成分によって完全に消費されるためであることが,このガスクロマトグラフィーの結果から明らかとなった.
  • 岩元 久雄, 尾野 喜孝, 高原 斉, 岡本 正夫
    1977 年 48 巻 10 号 p. 522-527
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ニワトリの産肉性に関する基礎的研究の一環として,ニワトリの骨格筋重量(総筋肉量)の性成熟期およびその後の変動を品種および雌雄間で比較した.使用した品種はWhite Cornish種,Rhode Island Red種,New Hampshire種,Barred Plymouth Rock種ならびにWhite Leghorn種であった.鶏体の総筋肉量を18週齢以後の性成熟期およびその後を通じて計測し,前報3)の2~19週齢間で求めた回帰方程式からの推定値との差を性成熟期変動量とした.その結果,雄の総筋肉量は性成熟期およびその後に著しく増加した.その変動割合はWhite Cornish, Rhode Island RedおよびBarred Plymouth Rock間で差がなく,White Leghornが他より小さかった.他方,雌の総筋肉量の増加は少なく,雄とは逆にその変動割合はマイナスとなった.White Leghornで,雄の総筋肉量の変動割合は31週齢以後もほとんど変わらなかったのに対して,雌のそれは週齢による変化が大きかった.さらに,Barred Plymouth RockおよびNew Hampshire雄で去勢鶏と正常鶏の総筋肉量の差を検討した結果,30週齢時では正常鶏の方が明らかに多く,雄の総筋肉量の著しい増加は精巣発達と密接な関係を有するものと思われる.
  • 上吉 道治, 吉原 正人, 田中 克英
    1977 年 48 巻 10 号 p. 528-531
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    14時間照明•10時間暗黒(14L:10D)の明暗周期下と8時間照明•16時間暗黒(8L:16D)の明暗周期下とでそれぞれ飼育した白色レグホーン種の精巣除去鶏(10週齢,精巣除去6週間後)について,1日のうちのいろいろな時刻における下垂体前葉の前部腺体および後部腺体の性腺刺激ホルモン(GTH)力価を雛精巣32P取込法によって測定した.14L:10D下の精巣除去鶏においては下垂体前葉の前部腺体においても後部線体においてもともに11時をピークとするGTH力価の日内変動がみとめられたが,8L:16D下のものにおいては前部腺体にも後部腺体にも変動はみとめられなかった.
  • 田中 耕作, 信国 喜八郎
    1977 年 48 巻 10 号 p. 532-537
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ニワトリの下垂体前葉除去における手術の簡略化をはかり,その成功率を高めるため,ステレオ装置を作製し下垂体の摘出を行った.この装置は,歯科用電気ドリルが水平に対して45°の角度で移動出来るよう取付られているとともに,頭と嘴の固定具をもつ頭部固定盤からなっている.この固定盤は2つのつまみによって水平面上どの方向にも移動させること等出来る.下垂体摘出に際しては,麻酔後ニワトリの頭部を頭部固定盤上に仰位に固定し,上顎口蓋を水平になるよう調節する.つぎに,下顎を約2cm切開したのち口腔内にドリルを入れ,上顎の硬口蓋にある細い溝(耳管咽頭口)の先端から直接硬口蓋下の粘膜組織および蝶形骨をとおしてトルコ鞍まで孔をあけ,吸引管で下垂体を吸引し,摘出する.このステレオ装置はドリルの進入距離が読みとれるようになっているので,耳管咽頭口からトルコ鞍までの推定距離にしたがってドリルを挿入すれば,感覚にたよらず下垂体まで容易に到達することが出来る.摘出に要する時間は約10分で,麻酔過度および出血過多による死亡ならびに不完全摘出鶏を不成功とみなすと,本実験における成功率は約80%であった.ニワトリの下垂体除去手術は従来の方法によるとかなりの熟練を要するが,このステレオ装置を使用すれば初心者でも簡単に下垂体を摘出することが出来る.
  • 小原 郁夫, 大塚 慎一郎, 弓狩 康三, 有吉 修二郎
    1977 年 48 巻 10 号 p. 538-544
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    2~3のアミノ酸の添加によって標準肉豚飼料中の蛋白質含量を下げることができるかどうか,さらにJENSENの飼養標準以上にトリプトファンを添加することによって,肉質の改善が見られるかどうかを検討した.実験条件は,蛋白質含量およびトリプトファン添加の両方の効果が見られるように設計した.標準基礎飼料の蛋白質含量は,前期16,後期14%とし,低蛋白質基礎飼料では,それぞれ,13,11%とした.飼料と水は不断給餌で飼育し,飼料摂取量および体重は,1週間ごとに測定した.90kg体重に到達したのち屠殺解体し,屠肉歩留,屠体長,背腰長II,背脂肪の厚さ,大割肉片の割合,ロース断面積などの肉質検査に供した.低蛋白質飼料でブタを飼養した時,増体量,飼料要求率には特に見るべき影響があらわれていない条件下でも,背脂肪の厚さ,ロース断面積,大割肉片中ハムの割合,赤肉,脂肪の割合などには,かなりの影響が認められた.しかし,この低蛋白質飼料に要求量を多少上回る程度にトリプトファンを添加して給与した区においては,背脂肪の厚さ,ロース断面積,ハムの割合,赤肉の割合などにおいても標準飼料と同様の成績がえられた.
  • 押尾 秀一, 田畑 一良, 小林 春雄, 阿見 艶子
    1977 年 48 巻 10 号 p. 545-553
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    濃厚飼料を多給した際の第一胃内VFA生産についての知見は非常に少ないので,第一胃フィステルを装着したホルスタイン種育成雌牛を用い,ポリエチレン•グリコールと14C-酢酸ソーダの1回投与法により,濃厚飼料のみ,あるいは一部乾草を給与した場合の第一胃内で生産されるVFAについて測定を行った.1) 濃厚飼料のみを給与した場合には,乾草を同時に与えた場合に比べて,pHは著しく低下し,最低4.5を示した.VFA濃度は日内変動が大きいが,最高200mM以上の値を示し,VFA組成は日間変動,個体差が大きく不安定であった.2) pHとVFA組成との間に有意な関係が認められ,pHが5.2~5.4付近で酢酸割合が最低になり,プロピオン酸,吉草酸割合は最高値を示した.カプロン酸はpHが低下するに従って増加する傾向にあったが,酪酸割合は有意な関係が認められなかった.3) 乾草と濃厚飼料を同時に与えた場合には,摂取された可消化エネルギーの約50%が第一胃内でVFAに変換されるのに対し,濃厚飼料のみを長期間給与した場合には,33.5~41%に抑制されることが示唆された.
  • 秋葉 征夫, 松本 達郎
    1977 年 48 巻 10 号 p. 554-562
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    家禽の栄養代謝における繊維性物質(Dietary fiber)の意義を調べる目的で,ヒナの脂質代謝,特に肝臓脂肪蓄積に対する3種の繊維性物質(セルロース,ペクチン,コンニャクマンナン)の影響を検討した.2週齢の白色レグホーン種雄ヒナを供試し,粗繊維を含まない精製飼料または半精製飼料(粗繊維含量0.5%)に繊維性物質をそれぞれ4%添加し,19~54日間給与した.ヒナの増体量はセルロース給与で変化しなかったが,ペクチンおよびマンナン給与では低下した.肝臓重量はセルロース給与により有意に減少し,肝臓脂肪量は対照区の約70~80%に有意に減少した.また,ペクチンおよびマンナン給与では肝臓脂肪は有意に減少した.血漿中脂肪含量はセルロース給与により低下したが,ペクチンおよびマンナンの給与では顕著な変化はみられなかつた.血漿コレステロールレベルはマンナン給与区でのみ低下した.肝臓脂肪組成において,繊維性物質給与によりトリグリセライド分画が減少し,リン脂質分画の割合が増加することが認められた.したがって,これらの繊維性物質は,その様相はそれぞれ異なるが,いずれも肝臓脂肪の蓄積を抑制し,ヒナの脂質代謝に何らかの影響を及ぼすことが示唆された.
  • 唐澤 豊
    1977 年 48 巻 10 号 p. 563-569
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    グルタミン合成酵素別阻害剤であるメチオニンサルフォキシミン(MSM)が,5%蛋白質飼料を摂取したニワトリのグルタミンおよび尿酸生成におよぼす影響を調べた.MSMを100mg/kg体重投与後3時間以内に,血漿グルタミン濃度は有意に減少し,血液アンモニア濃度は有意に増加したが,一方血漿尿酸濃度は有意に変化しなかった.MSMあるいは生理食塩水で前処理後5%グルコースを注入した時,肝グルタミン合成酵素の活性および血漿グルタミン濃度はMSM処理によって有意に減少し,一方肝グルタミンおよび血漿と尿の尿酸濃度は有意に減少しなかつた.これに対し血液,肝および尿のアンモエア濃農はMSM処理によって有意に増加した.MSMで処理したニワトリに酢酸アンモニウムを注入することによって,血漿と尿の尿酸濃度は血漿と肝のグルタミン濃度の有意な変化を伴わずにわずかに増加した.グルタミンの注入は尿と血漿の尿酸濃度を著しく増加させ,また肝と尿のアンモニア濃産をも増加させた.これらの結果から,低蛋白質飼料を摂取したニワトリでもMSMの処理によりグルタミン生成をほとんど完全に阻害すること,また,そのようなニワトリの尿酸生成は,アンモニアの注入によってわずかに,グルタミンの注入によって顕著に増加することが明らかになった.
  • 李 奎成, 田先 威和夫
    1977 年 48 巻 10 号 p. 570-572
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 加藤 征史郎, 入谷 明, 西川 義正
    1977 年 48 巻 10 号 p. 573-575
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大谷 滋, 近藤 誠司, 朝日田 康司, 広瀬 可恒
    1977 年 48 巻 10 号 p. 576-578
    発行日: 1977/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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