日本畜産学会報
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52 巻, 6 号
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  • 島岡 達朗, 田中 一栄, 角田 健司, 大竹 通男, 鈴木 正三
    1981 年 52 巻 6 号 p. 413-418
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    わが国で飼養されているめん半6品種273頭の血液蛋白質型および酵素型を調査し,変異のあった9システムにおいて各品種間で比較した.そこで,それら遺伝子頻度を用いて,各品種の均質度,品種間の類縁関係を分析した.その結果を要約すれば次のとおりである,1. まず9システムの遺伝子頻度については,AcEsF, ArES+, HbβFおよびDiaSのそれらは,Finnish Landrace種が他の5品種よりも高く,ApaseBについては,Cheviot種が最も高かった.Transferrinシステムでは,RomneyMarsh種がTfA, Border Leicester種およびFinnish Landrace種がTfC, Corriedale種およびCheviot種がTfDとそれぞれ高い傾向を示した.Pre-albumin-I,IIおよびX-proteinシステムについては,各品種とも同様な傾向が認められた.2. Border Leicester種における均質度指数は,0.608で他の品種よりも高く,Finnish Landrace種のそれは0.206で低かった.3. 遺伝的頻縁関係では,BorderLeicester種,Romney Marsh種,Cheviot種,Corriedale種およびSuffolk種の5品種で構成されるグループは,Finnish Landrace種とは全く異なっていた.5品種間のグループ構成では,Chevlot種およびCorriedale種が1つのグループを構成し,Romney MarshおよびBorder Leicester種が構成する他のグループとは異り,むしろSuffolk種と近い関係を示した.
  • 橋口 峰雄, 古賀 脩, 西山 久吉
    1981 年 52 巻 6 号 p. 419-424
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    明暗周期を8時間照明(5:00~13:00):16時間暗黒(8L:16D)から14L(5:00~19:00):10Dに変更し,精巣の発達を刺激した雄ウズラを用いて,下垂体前葉の性腺刺激ホルモン(GTH)力価に対するテストステロンプロピオネート(TP)投与の効果について調べ,さらにこのTPの効果と明暗周期との関連についても検討した.まず,14L:10D処理2週間目の雄ウズラにおける下垂体前葉のGTH力価は少量のTP投与によって増加することが認められたが,この増加はTP投与3時間後に著しかった.また,14L(5:00~19:00):10D処理2週間目の雄ウズラに対して1日の異なった時刻にTPを投与したところ,下垂体前葉のGTH力価に対するTPの効果は照明開始時(5時)に投与した時に著しかった.さらに,照明の開始時刻を5時から17時に変更した場合(10D:14L)にも,GTH力価に対するTPの効果は照明開始時に投与した時に顕著であった.これらのことから,長日処理下で精巣発達が著しい時期の雄ウズラにおいて,下垂体前葉のGTH力価は少量のTP投与によって増加し,この増加の程度は照明の開始と関連して変わるものと考えられる.
  • 島崎 敬一, 祐川 金次郎
    1981 年 52 巻 6 号 p. 425-430
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳房炎原因菌の一つであるブドウ球菌に対して凝集能をもつ免疫グロブリンが,乳房炎だけでなく,初乳,常乳および血清中に広く存在している.この菌体凝集反応が抗原抗体反応なのかどうかを知るために,まずIgG1, IgG2とProtein Aとの沈降反応および菌体への結合量を測定した.寒天ゲルを用いた各種沈降反応の結果から,ウシIgG1•IgG2はProtein Aと不溶性複合体を形成する事は否定された.菌体への結合量の測定では,Staphylococcus aureusに対しIgG1<IgG2<IgMの順で結合量が大であった.又この順序は各免疫グロブリンの得られた試料によらず,乳房炎乳でも初乳でも同じであった.
  • 渡辺 誠喜, 三枝 弘育, 中島 功, 岩崎 説雄, 吉川 周平
    1981 年 52 巻 6 号 p. 431-437
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    めん羊赤血球の遊離アミノ酸の構成成分をろ紙電気泳動法により調査し,赤血球の遊離アミノ酸の泳動パターンが特異的に異なる個体を見出した.ついでそのアミノ酸を分析するとともに,血球カリウム型(HK型,LK型)とカリウム(K)およびナトリウム(Na)濃度との関係を596頭のめん羊の洗浄血球について追求した.アミノ酸の分析は,ろ紙電気泳動法によるニンヒドリン反応並びにアミノ酸自動分析装置により,KおよびNa濃度は原子吸光法により測定した.その結果,次のような成績を得た.1) 赤血球の遊離アミノ酸はろ紙電気泳動法により,陰極側に2本,陽極側に1本,計3本のバンドを有するものと陰極側に2本,陽極側に2本,計4本のバンドを有するものとに分類された.2)セルロースアセテイト膜電気泳動法によったところ4本のものはELLORYらの報告にあるLys+型,3本のものはLys-型であることが同定された.3) Lys+型とLys-型の構成アミノ酸の種類並びにその含有量を調査したところ,両型間には特異的に異なるアミノ酸は見出せなかったが,含有アミノ酸に著しい濃度差が認められた.すなわち,Lys+型は23.23mM/l,Lys-型は3.32mM/lであり,Lys+型がLys-型に比し約7倍高濃度であった.4) K型とアミノ酸型との関係につきそれぞれのK濃度,Na濃度およびKとNa濃度の和について比較したところHK型,LK型のいずれにおいてもLys+型がLys-型の濃度より低い値を示した.
  • 佐藤 正光, 正木 淳二
    1981 年 52 巻 6 号 p. 438-446
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    発情期の牛の頸管粘液中の糖蛋白質側鎖の酸性多糖質の性状をしらべた.1) 発情期において,蛋白濃度,全糖濃度,結合シアル酸濃度,ヘキソサミン濃度,ウロン酸濃度が減少した.2) セルロース•アセテート膜電気泳動によりグロブリン分画に糖蛋白質力が検出され,それは酸性糖蛋白質であった.発情期およびその前後において,酸性糖蛋白質は1バンド検出され,その泳動像は一様であった.3) 酸性多糖質はセルロース•アセテート膜電気泳動において1バンド検出され,ヒアルロン酸,コンドロイチン硫酸,ヘパリンと泳動度が異なっていた.ペーパーおよびガスクロマトグラフィにより,酸性多糖質にガラクトースが検出された.
  • 佐藤 邦忠, 三宅 勝, 角田 修男, 中川 明, 岩村 俊春
    1981 年 52 巻 6 号 p. 447-450
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    農林水産省十勝種畜牧場に繋養中の3歳種雄候補馬43頭について精巣の大きさ,精液性状,血中のテストステロン値およびエストロジェン値を調べた.各種雄候補馬は精子活力の状態で第1群(活力良好)と第2群(活力不良)の2群に分けた.ホルモン値については繁殖に供用中の種雄馬を第3群(対照)として比較し,次のような結果を得た.1. 精巣の大きさについては左•右ならびに第1•第2群間に有意差は認められなかった.2. 精液性状のうち,精子活力と精子尾部奇形率については第1および第2群間に有意差が認められた(P<0.05).3. 血中ホルモン値についてはテストステロン•エストロジェン値とも第2群の平均値が第1群および第3群(対照群)の平均値より低かったが有意差は認められなかった.以上のことから,3歳種雄候補馬は精巣の大きさ,精液性状,血中テストステロン値ならびにエストロジェン値などの検査をくりかえし行い,その結果を総合的に検討し選抜すべきであると考える.
  • 鈴木 敏郎, 鴨居 郁三, 鬼原 新之亟, 小原 哲二郎
    1981 年 52 巻 6 号 p. 451-458
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    屠殺前の温度環境の違いが鶉の肉質にどのような影響を与えるかを知るために,屠殺前に4種の異なった温度に置いた鶉の浅胸筋を用いて,pH値,保水力,タンパク抽出量,トランスミッション値,水分量,粗タンパク量,ATP量,グリコーゲン量,乳酸量,肉色および総色素量の11項目について測定を行った.また,各測定値は,くり返しのある二元配置分散分析およびTUKEYの多重比較法で統計処理を行ないその肉質の違いを検討した.その結果,高温区(40°C,1hr)のものではpH値(pH5.69)が低く,保水力(81.83)が悪く,トランスミッション値(72.76T%)が高く,肉色(L:33.62,aL:10.75,bL:8.59)も白っぽくなり,豚などにみられるPSE (Pale, Soft, Exudative)肉に近い肉質となっていた.また,低温区(4°C,2hr)の肉質はpH値(pH6.14)が高く,保水力(96.88)が良く,トランスミッション値(24.37T%)が低く,肉色(L:30.85,aL:12.89,bL:8.39)も赤味の強い高温区とは逆の肉質であることが認められた.一方,高→低温区(40°C,1hr→4°C,1hr)ではpH値(pH6.07),保水力(98.80),トランスミッション値(47.93T%)等が対照区(20°C恒温)や低温区の値に近くなったことから,一度高温状態に置かれた鶉でも,屠殺前に低温処理を行うことにより,その肉質をほぼ正常な状態にもどすことが出来た.
  • 古谷 修, 高橋 正也, 亀岡 暄一
    1981 年 52 巻 6 号 p. 459-466
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚,鶏およびラットで,粗蛋白質(CP)およびエネルギーの消化率を比較した.また,豚による実験で,可消化エネルギー(DE)と可消化養分総量(TDN)の関係についても検討した.1) CPおよびエネルギーの消化率については,CPで鶏がラットに比較して有意(P<0.05)に高く,また,エネルギーでは鶏が豚およびラットよりも有意(P<0.05)に低くなった.12種類の同じ飼料での豚,鶏およびラットのCP消化率の平均はそれぞれ,81.4,84.7および82.6%となり,エネルギーの消化率はそれぞれ,88.4,86.8および88.9%となった.2) 飼料のCPおよびエネルギーの消化率について,動物間でつぎのような高い相関がみられた:豚-鶏,0.98および0.99;豚-ラット,0.99および0.97;鶏-ラット,0.99および0.99.3) ルーサンミールを多量にふくむ飼料のCP消化率は豚において著しく低かった.4) 16種の飼料を用いた豚による実験の成績から,DE(kcal/g乾物)は可消化粗蛋白質(DCP,%,乾物中)およびTDN-DCP(%,乾物中)によって精度よく(重相関係数0.98)推定できることが判明した:DE=0.0425(TDN-DCP)+0.0597DCP-0.1255.
  • 佐藤 博, 花坂 昭吾, 今村 照久
    1981 年 52 巻 6 号 p. 467-471
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種の新生子牛4頭を用いて,生後1•8•18•30•45日齢にノルアドレナリン(NA)0.1mg/kgを皮下注射しで,2時間後まで直腸温•血球容積比(PCV)•血漿の遊離脂肪酸(FFA)•グルコース•乳酸濃度にみられる変化を調べた.これら項目の測定値はすべてNA注射によって上昇した.直腸温の上昇は8日齢で最大であったが,PCVやFFA濃度の上昇は日齢が進むにつれて大きくなった.乳酸濃度は1日齢で高く,NAによる上昇は若齢時に大きかった.グルコース濃度の上昇も若齢時に大きく,1日齢では持続的であった.しかしながら,NA注射後の直腸温と血液成分の変化の間には関連が認められなかった.
  • 高橋 和昭, 秋葉 征夫, 松本 達郎
    1981 年 52 巻 6 号 p. 472-477
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    鶏ヒナの食餌性脂肪の組織への取り込み能を調べる目約で,肝臓と脂肪組織における14-パルミチン酸取り込み能と脂肪組織におけるリポ蛋白質リパーゼ活性に対する低脂肪飼料(摂取MEの5.5%の大豆油を含む),ラード飼料(摂取MEの5.5%の大豆油と27.3%のラードを含む),ヤシ油飼料(摂取MEの5.5%の大豆油と27.3%のヤシ油を含む)給与の影響を検討した.これら3種の飼料を4週齢の白色レグホン種雄ビナに,摂取代謝エネルギー量と摂取蛋白量が同一となるように2週間給与した,脂肪組織におけるリポ蛋白質リパーゼ活性は給与脂肪の量と種類により影響されなかった.パルミチン酸の肝臓および脂肪組織への取り込み能も給与脂肪の量と種類により大きくは変化しなかった.しかし,培養液中のパルミチン酸濃度の増加に伴い,肝臓および脂肪組織におけるパルミチン酸の脂質可溶性画分への取り込み能は著しく増加した.これらの結果は,食餌性脂肪中の脂肪酸の肝臓および脂肪組織の脂質可溶性画分への取り込みが,給与脂肪の量や種類によって,組織の能力が変化するためではなく,むしろ組織への基質流入量か速度の変化によって変動することを示唆している.
  • 水谷 誠, 梅沢 英彦, 倉益 茂実
    1981 年 52 巻 6 号 p. 478-479
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 菅野 継嘉, 渡辺 欽一, 峰崎 康裕, 泉 徳和, 斎藤 昶, 大久保 貞裕, 横内 圀生
    1981 年 52 巻 6 号 p. 480-482
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 北川 政幸, 川島 良治
    1981 年 52 巻 6 号 p. 483-485
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 52 巻 6 号 p. 486
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
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