日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
58 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 宮川 雅充, 青野 正二
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 151-164
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    本研究では,様々な環境音の印象を測定するための評価尺度を構成することを目的とした。1,027名を対象にアンケート調査を行い,音の印象を表す言葉を尋ねた。その結果,多くの人がうるささと趣に関する言葉を用いていることが分かった。被験者30名に,うるささ,趣について,様々な副詞を用いて7段階尺度と5段階尺度の各尺度値を評価してもらった。各副詞が表している程度についても尺度値を用いて評価してもらった。それらの結果をもとに,うるささ,趣それぞれについて7段階と5段階の順位尺度を構成した。最後に,環境音を被験者に呈示し,その印象を尺度上で評価してもらった。その結果,うるささについては7段階と5段階の尺度,趣については7段階の尺度が等間隔な間隔尺度とみなされた。更に,「うるさい」という言葉が表すうるささの程度は,L_<Aeq,15s>では約66〜68dBに相当することが分かった。
  • 矢野 隆, 五十嵐 寿一, 加来 治郎, 神田 一伸, 金子 哲也, 桑野 園子, 新居 洋子, 佐藤 哲身, 荘 美知子, 山田 一郎, ...
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 165-172
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    ICBEN Team 6が提案する方法に従って種々の言語間で比較可能な騒音のうるささに関する5段階の尺度(「非常に」,「だいぶ」,「多少」,「それほど…ない」,「まったく…ない」)を構成した。この実験に用いた21の言葉や尺度に選ばれた五つの言葉が普段人々が騒音のうるささの程度を表すのによく使うかどうかを調査し,これらの言葉は人々がよく使うことを確認した。また,ICBEN Team 6が提案している騒音のうるささに関する英語の質問文とほぼ等価な日本語の質問文を作成した。その際,英語の質問文の翻訳・逆翻訳に関する調査結果及びうるささの概念に関する既往の研究結果を基に,英語の"bothers, disturbs or annoys"に相当する日本語として「悩まされる,あるいは,じゃまされる,うるさいと感じる」を当てることにした。
  • 江原 史朗, 永井 啓之亮, 水谷 孝一
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 173-179
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    本論文は,クラリネットの物理モデルを用いた発音シミュレーションを高速に実現する方法を提案している。そこでは短く区切られた時間ステップごとに,過去の発生音場を反射関数と重畳させて現時刻の発生音場を求める。この重畳積分の計算には非常に時間が掛かる。そこで本論文では,指数関数から成る要素波を組み合わせて反射関数を近似する方法を提案する。この方法によって重畳積分を数個の積和で計算することが可能になる。反射関数を近似することにより合成音には誤差が生じる。要素波の数を増すことにより誤差は減じるが,計算時間が増える。10個程度の要素波を用いると,計算量は20分の1程度になる。
  • 柏野 牧夫
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 180-183
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • パーマー アラン R., シャクレトン トレバー M., マクアルパイン ディヴィッド
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 184-192
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    人間やその他の哺乳類は音源の定位のために3種類の手がかりを用いている。そのうち二つは両耳的なもので,それぞれの耳における音のレベルあるいは時間の比較を行うものである。高周波音においては,レベルの差が頭による影の効果によって生ずる。低周波音においては,信号音がそれぞれの耳に到達する時間の差に基づいて定位が行われる。この時間差は音源からそれぞれの耳に到達する経路の差の結果として生ずる。三つ目の手がかりは,鼓膜におけるスペクトルのピークとトラフ(谷)のパターンが,音源の上下に依存して変化することに基づいている。このパターンは複数の音波が鼓膜付近において干渉することで生ずるものである。これら三つの定位手がかりは,それぞれ異なった生理学的機構によって処理される。鼓膜における音波の干渉によって生ずるスペクトルの溝(notch)に対しては,背側蝸牛神経核のニューロンが選択的に感度が高い。外側上オリーブには,片側の耳から抑制性,もう片側の耳から興奮性の入力を受けるニューロンが存在し,両耳間レベル差の第1段階の処理がそれらのニューロンによってなされている。内側上オリーブにおいては,両耳から興奮性の入力を受け,その入力が時間的に同時に到着したときにのみ発火するようなニューロンが存在する。両耳間時間差の情報は,それらのニューロンの発火率に変換されるのである。本稿では,そのような同時性検出機構の音源定位への寄与について,最近得られた知見を基に検討する。
  • 小田 亮
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 池田 思朗
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
  • 奥乃 博, 中臺 一博
    原稿種別: 本文
    2002 年 58 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
    聴覚は人間にとって最も重要な感覚である。言語によるコミュニケーションが聴覚によって成立することは容易に理解されるが,「ヒトは聴覚によってのみ言語を獲得し,そこに文化が生まれ,継承される。書かれた言語は目によって伝承されるが,話す言葉は耳からしか得られない。話し言葉があって書く言葉が生まれる」ことを,多くの人が理解していないのは残念なことである(鈴木淳一,小林武夫共著『耳科学-難聴に挑む』(中公新書1598,2001))。
  • 原稿種別: 付録等
    2002 年 58 巻 3 号 p. 211-212
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル フリー
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