日本畜産学会報
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43 巻, 2 号
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  • 江口 保暢
    1972 年 43 巻 2 号 p. 53-61
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • III. 被照射成熟雄の子孫の繁殖成績について
    田中 亮一, 柏原 孝夫
    1972 年 43 巻 2 号 p. 62-68
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    成熟雄マウスをJRR-1,No.7ホールにて1時間照射して,照射直後から正常雌を10日あるいは15日ごとに交換しながら順次交配を続けF1の生産を行なった.F1以降は全きょうだい交配を継続して子孫を作り,繁殖能力の推移を調べた.得られた成績はF1を受胎した日に従って雄親の照射後日数1~25日,26~60日および61~120日の3区に分類し,この区分に従って各世代の集計を行なった.
    1. 平均産子数の減少は,1~25日区および26~60日区では特に認められなかったが,61~120日区ではF6以降に4匹以下となり,劣性致死の誘発が推測された.
    2. 死産も平均産子数と同じく,61~120日区にのみ多く認められ,劣性半致死の誘発に起因すると考えられた.
    3. 性比には変動を生じなかった.
    4. 育成率は対照区と比較するとき,1~25日区のF3を除き,各区,各世代とも低率で,劣性半致死の誘発により発育途中で死亡することが推測された.
    5. 交配雌に対する分娩雌の百分率は,1~25日区および26~60日区のF1では優性不妊を認めたが,F2以降においても61~120日区では特に不妊の個体が増加して,劣性不妊が誘発したのではないかと推測された.
    6. 初産日令は26~60日区を除いて,世代を経過するに従って遅くなる傾向が明瞭であった.
    7. 成長速度は10gおよび20g(雄のみ)に到達する日令で表わしたが,世代を経過するに従って遅くなる傾向がみられた.
    8. 絶滅経過は,1~25日区はF5,26~60日区はF4,61~120日区はF7においてそれぞれきょうだい交配および繁殖不能になり絶滅した.
    9. 奇形は1~25日区のF3雄および61~120日区のF2雌各1匹に左耳の短耳が発生し,また61~120日区のF3雄では,左の精巣重量が94.0mgであるのに対して,痕跡的な右精巣(2.4mg)を有する片睾類似の個体が認められた.短耳は2匹ともに不妊であり,また片睾類似のマウスの子は生後5日以内に死亡しており,いずれも遺伝学的に究明できなかった.
  • 彦坂 治, 五島 治郎
    1972 年 43 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    哺乳類においては,視床下部が胃および腸管を支配することが確かめられているが,哺乳類に比較して,特異性をもつ中枢神経系の構造と機能を示すニワトリではどうであろうか,この点を検討する目的で視床下部を電気的に破壊し,その盲腸運動に与える影響を観察した.
    1. 視床下部の前部領域の破壊によつて,運動率および収縮頻度の増加率,10例中9例にみられた.振幅は,すべての例で増加を示したが,1例は運動率および収縮頻度の減少をともなっていた.他方,視床下部の後部領域の破壊は,すべての例で運動率および収縮頻度の減少を示したが3例中1例は振幅の増大がみられた.
    2. 組織学的に,視床下部の視索前野,Nucl. preopticusmedialis, Nucl. hypothalamicus anterior medialis,Nucl. paraventricularis magnocesllularisにおよぶ領域の破壊は,盲腸運動と関連が認められ,運動率,収縮および振幅の増加または上昇がみられた.また,視床下部のNucl. hypothalamicus lateralisの後方領域の破壊は,盲腸運動の運動率,収縮および振幅の減少または低下をもたらすのがみられた.
  • 大武 由之, 中里 孝之
    1972 年 43 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    めん羊肉脂質の性質,特性をさらに明らかにするために,5頭の雌のめん羊について,背肉(背最長筋),肩肉(上腕三頭筋)および腿肉(半膜様筋)から抽出した脂質について,その脂肪酸組成ならびにトリグリセリド構造をしらべた.
    その結果,背肉は肩肉よりもいくらか全脂質や中性脂質が多く,腿肉は他の部位よりもリン脂質が少なかったが,統計的には有意な差は認められなかった.
    背肉の全脂質は肩肉や腿肉よりC18:2が少なく,飽和酸が多い傾向があった.肩肉の中性脂質は,背肉や腿肉よりもC16:0が少なかった.また肩肉のリン脂質は,背肉や腿肉のに比べて,C16:0やC18:0が少なくC18:2が多く,したがって不飽和酸が多かった.
    めん羊肉脂質ではC15:0,C16:0,C17:0およびC18:0,したがって飽和酸はトリグリセリドの1と3の位置に多く,これに反してC17:1,C18:1およびC18:2,それ故に不飽和酸は2の位置に多く存在していた.
    めん羊肉脂質のトリグリセリドの平均組成は,SSS,9.64%;SUS,31.45%;SSU,10.77%;SUU,35.47%;USU,3.08%およびUUU,10.23%であった.また1-パルミト-2,3-ジオレイン,1-パルミト-2-オレオ-3-ステアリン,1,3-ジパルミト-2-オレイン,1-ステアロ-2,3-ジオレイン,トリオレイン,1,3-ジステアロ-2-オレイン,1,2-ジパルミト-3-オレインなどが,めん羊肉脂質を構成するおもなトリグリセリドであると考えられた.なお,背肉や腿肉は肩肉に比べて,ジパルミト•オレインとトリパルミチンが多かった.
  • I. 牛乳脂質の沃素価,けん化価,融点および色調
    土屋 文安, 山本 良郎, 岡部 俊道, 黒田 郁子, 相沢 和子
    1972 年 43 巻 2 号 p. 81-90
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    全国22地区の牛乳脂質試料526点の脂肪特数および色調を測定し次の結果を得た.
    沃素価の平均値と標準偏差はそれぞれ34.80と3.58,けん化価についてはそれぞれ228.52と2.82であり,両者は相関係数-0.905の強い相関がある.
    沃素価とけん化価の年間平均値と季節変動の型によって22の試料採取地区を6地域に分類した。北海道地域においては,夏季に沃素価が上昇しけん化価が低下し,冬季はその逆となる季節的変動がきわめて明瞭に現われるが,地域が南になるほど季節変動の幅が小さくなる傾向がある.大都市の近郊地域および大都市の専業牧場の牛乳脂質は,年間を通じて沃素緬がきわめて高く,けん化価がきわめて低い異常値を示した.
    上昇融点は,平均31.92°C,標準偏差は0.69°Cであった.北海道と東日本においては上昇融点は沃素価と負の相関があるが,西日本では逆に正の相関が認められた.この点は従来の定説と異なった結果である.
    色調の主波長は平均574.7nmで変動はきわめて小さいが,色純度は地域•季節によって大きく変動し,その平均値と季節変動の型によって全国を6地域に分類した(沃素価•けん化価による分類とは必ずしも一致しない).北海道では季節的変動がきわめて大きいが,西日本では変動幅が小さく年間を通じて高い値を示した.大都市近郊ないし専業牧場では常に異常な低値を示した.カロチン含量は色純度から二次回帰式によって換算でき,その平均は370μg%,標準編差は136μg%であった.
  • 辻井 弘忠, 菅原 七郎, 竹内 三郎
    1972 年 43 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ラット子宮分泌液中の遊離アミノ酸で特に多く存在するグルタミン酸をとりあげ,ラット卵子におけるグルタミン酸の取込みを基質に無添加,グルコース,乳酸,ピルビン酸を添加した場合について種々検討を行なった.その結果,ロイシンの場合と同様に基質にグルコース,乳酸,ピルビン酸を添加することにより,グルタミン酸の取込みの増加することが認められた.次にグルタミン酸の取込み値は先に行なったロイシンの取込みと比べ,あきらかに多く,また取込み速度自体も早まることが認められ,子宮の遊離アミノ酸含量と,卵子へのアミノ酸の取込み量との間になんらかの関係の存在することが示唆された.
  • V. 各種動物におけるストレスが血漿中副腎皮質ホルモン含量および血糖量に及ぼす影響
    佐々木 義之
    1972 年 43 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ウシ,ヒツジ,ウサギ,ラットを用いて,環境(とくに温度)の急激な変化(約20°C)および輸送が血漿中副腎皮質ホルモン(以下11-OHCSと略す)含量および血糖量に及ぼす影響を調べ,動物間の比較を行なった.
    (1) 環境温度を急に高くすると,ヒツジおよびラットの血漿中11-OHCS含量は上昇した.ことにこれはラットにおいて著しかった.
    (2) 環境温度を急に低くすると,ラットでは血漿中11-OHCS含量の急速かつ有意な上昇をみたが,ヒツジではいくぶん減少する程度であった.
    (3) 概して,環境温度の急激な変化に対する血漿中11-OHCS含量の反応はヒツジの方がラットより低いようであった.
    (4) 血糖量はヒツジでは高温ストレスにより,有意に上昇し,またラットでは低温ストレスによりいくぶん上昇する傾向にあった.
    (5) ウシ,ヒツジ,ウサギにおいて,ACTH注射により血糖量は増加しなかった.
    (6) ウシ,ヒツジ,ウサギにおいて,輸送により血漿中11-OHCS含量の増加がみられた.ことにウサギで,この現象は著しかった.
    (7) ここに得られた結果から,反芻動物の生理的ストレスや心理的ストレスに対する感受性は非反芻動物のそれよりも低いように思われる.
  • 木村 正雄, 合田 之久, 磯貝 岩弘
    1972 年 43 巻 2 号 p. 104-105
    発行日: 1972/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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