潰瘍性大腸炎(以下UC)の内科的治療の進歩は著しい.それに伴い手術適応も変わってきている.従来の難治例は減少し,癌/dysplasiaで手術となる症例が著明に増加している.発癌部位は通常の発癌症例と同じように,直腸・S状結腸が3/4を占め,これらの症例には肛門管粘膜も切除する,回腸嚢肛門吻合術が推奨される.
もう1つの変化は,手術症例の高齢化である.高齢者の緊急手術の予後が不良なことはすでに報告している.重症例で,first line therapyが奏効しなかった場合,手術を行うのかsecond line therapyを行うのかは,内科医と外科医の連携が重要である.
UCに対する術式は大きな変化はない.手術方法は開腹手術では小開腹手術が,腹腔鏡手術ではda Vinciを用いたロボット手術の報告もみられるようになっている.
また,今後はサルベージ手術も重要になってくるものと思われる.
抄録全体を表示