日本大腸肛門病学会雑誌
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32 巻 , 6 号
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  • 1979 年 32 巻 6 号 p. 58-110
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 武藤 徹一郎, 上谷 潤二郎, 沢田 俊夫
    1979 年 32 巻 6 号 p. 495-501,552
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    憩室疾患(diverticular disease)には東洋人に多い右側結腸型と西欧人に多い左側結腸型(S状結腸)とがある.近年頻度が上昇しつつある左側結腸型は臨床的取り扱いが難しいため,その発生病理,成因に関して多くの研究がある.その成果によれば,腸の運動異常,筋層異常のために腸管腔内に容易にhighpressureが生じ,血管が貫通する筋層の間隙を貫いて粘膜のherniationが起こるのが憩室発生の本態である.憩室炎,憩室周囲炎,周囲膿瘍などは憩室に生じた合併病変である.このように,憩室疾患は憩室の存在のみならず,その背後にある腸壁の生理学的ならびに組織学的な異常の存在と,合併病変の併存という幅広いスペクトルとして理解しなければならない.わが国に多い右側結腸憩室疾患の発生病理,成因は未だ十分に解明されていないが,内視鏡を利用した腸内圧側定が成因の一端を明らかにしてくれることが期待される.
  • 大森 尚文, 秋本 伸, 亀岡 信悟, 矢澤 知海, 浜野 恭一
    1979 年 32 巻 6 号 p. 502-511,552
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸憩室症は近年著るしく増加の傾向をしめすようになった.本邦における発現率は,1970年以前では2.2%,1970年~1974年までの5年間では4.1%,1975年~1979年までの5年間では6.0%と増加している.消化器病センターに於ても,1967~1971年までは,6.6%,1971年~1974年までは6.1%とほぼ同率であるが,1974年~1978年の間では8.2%と増加してきている.男女比も,男性優位ではあるが,近年その差がちぢまってきている.発生部位は,欧米の報告と本邦とでは大きな違いがあり,欧米においては,左側結腸特にS状結腸に最も多く50%~60%近く発現していると報告されているが,本邦の最近4年間の報告例を集計すると,右側結腸憩室72%,左側結腸憩室16%となっており,消化器病センターに於ても77.4%対12.3%と圧倒的に右側結腸憩室の発現率が高い.さらに個数,症状,合併症,手術率などについても言及し,大腸憩室症の統計的観察を行った.
  • 田島 強
    1979 年 32 巻 6 号 p. 512-517,553
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    本邦における大腸憩室症の頻度は,最近著しく増加してきている.しかし,その多くは右側結腸にみられ,炎症を伴うことは少ない.
    本症の診断は,注腸X線検査が有効であり,炎症を伴う例ではHaustraの数の増加,鋸歯状陰影が著明にみられ,個々の憩室の描出は不充分となる.大腸ポリープを合併する例も多いので,その鑑別については注意を要する.内視鏡検査は,本症診断には多くの制約があり,X線検査よりも劣るが,出血部位の確認,ポリープとの鑑別等に有用である.
    治療は,無症状の場合には特に必要ないが,便通をととのえることが,炎症の併発を防ぐ上で重要である.憩室炎のみられる時には,抗生物質の投与が必要であることは云うまでもない.
    疾患の概念,症状についても略記した.
  • 矢沢 知海, 浜野 恭一
    1979 年 32 巻 6 号 p. 518-523,553
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    結腸憩室症の外科治療
    本邦の憩室症は右半結腸型が大部分であり,重症な合併症がなければ手術適応はないと思っているが,再燃を繰り返す憩室炎は右半結腸切除術が安全な術式であるので手術した方がよい.しかし,左半結腸型では憩室炎より穿孔などを起こしやすく,急性腹症として手術される場合が多い..筆者らは本症に対し19例に手術を施行しているが,待期手術11例,緊急手術8例である.緊急手術の内訳はS状結腸穿孔による腹膜炎5例,腸閉塞1例,虫垂炎として開腹した憩室炎2例である.出血例は待期手術2例である.待期手術は一期的手術であるが,穿孔例にはまず病巣を切除し,Hartmann手術を行ない二期的に吻合している.また虫垂炎としての救急手術の際にビマン性の憩室炎を発見した症例が他にあるが,これらは急いで結腸切除は行なわず,ドレーンを挿入し待期手術の方針である.
  • 升森 茂樹, 野垣 茂吉, 野垣 正樹, 野垣 正宏, 細田 峻, 鈴木 春見, 原 幸之進
    1979 年 32 巻 6 号 p. 524-536,554
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    会陰部子宮内膜症は骨盤腔を主とした他部子宮内膜症に比し,稀有と見做されてきたが,最近報告例が増加し内外文献から110例を集計した.この中本邦例は僅か5例で,いずれもこの10年間の報告である.われわれはこの数年間に4例の該当例を見出し,本症が既報告例をかなり上まわる発生状況を示すことを推測した.この経験が本論文執筆の動機である.自験例を臨床病理学的に検索し,既報告例と対比した結果,本症を次のごとく総括しえた.
    既往分娩時会陰切開術をうけ,.病巣は創痕の一端乃至隣接部皮下に単発性,波動感のある暗赤色内容を透視できる径1~2cm,嚢腫状腫瘤として発生する.月経時,疼痛を伴なう腫瘤の増大がみられ,終了後退縮軽快する.
    会陰切開後1~3年に発症のピークがあり,平均年齢は本邦例34歳と,他部子宮内膜症に比し,若干若年層にずれる.腫瘤の単純局所切除術によりほぼ根治が期待できるが,15%の再発の報告がある.組織学的に内膜腺および間質,新旧出血巣を証明することによって最終診断が確定する.電顕的にも周期的に変化する内膜細胞の微細構造を確認しえた.
    本症の発生機序に関して,症例の大多数は,分娩時内膜の会陰切開創面への直接移植によって説明が可能で,この立場から本症の防止に結びつく,いくつかの対応策を提示した.
  • 多田 正大
    1979 年 32 巻 6 号 p. 537-545,555
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    最近,日本人の間にも大腸癌は漸増してきており,近い将来,欧米人並みの高頻度になることも予想されている.大腸癌の予防,撲滅のためには,早急に予防医学が確立されなければならないが,同時にその早期診断と早期治療も重要である.大腸癌の早期発見のためには,胃集検と同様,効率的な大腸検診がなされることが期待される.
    そこで大腸検診のあり方について検討を行った.その結果,第一次スクリーニング法として問診や便潜血反応によって,進行癌は診断できるものの,癌の早期診断の目的には不十分であった.そこでsigmoidofibe-rscopeによる下部大腸の検診を行ったが,日本人における大腸癌の好発部位,効率,費用,被験者の苦痛・負担などの点から,下部大腸癌検診が最も現実的な検診法であると考えられた.したがって被験者の愁訴の有無にかかわらず,できるかぎり若年者にまで逆のぼって,普遍的に下部大腸の検診が行われることが期待される.
  • 奥井 勝二, 樋口 道雄, 古山 信明, 更科 広実, 太田 幸吉, 千見 寺勝
    1979 年 32 巻 6 号 p. 546-550
    発行日: 1979年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    家族性大腸ポリポージスは,診断学の進歩により,最近多くの報告例がみられるようになった。自験例2例(うち1例は,Gardner症候群)ならびに文献的考察から本症の診断ならびに治療方針について,次の結論がえられた。
    1)本症は,比較的若年層に多発し,消化管に多数のポリープを認め,家族性発生,高い癌化率を有する疾患である。従って消化管に多数のポリープを認めたときには,先づ本症を念頭におくことが肝要である。
    2)最終的には,大腸全摘術を施行する場合が多いが,現段階では内視鏡的polypectomyが容易かつ安全に行なえるので,まつこれを施行し,病理組織学的検査で癌化の徴候があるときには,大腸全摘術が適応となる。
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