Fournier壊疽の2例を経験したので報告する. 症例1は52歳, 男性. 肛門周囲の痛みを主訴に入院. 陰嚢から肛門周囲に著明な発赤と腫脹を認め, CTでは, 同部に膿瘍腔とガス像を認めた. 切開, デブリードメント施行し, 術後, 高圧酸素療法, エンドトキシン吸着療法を併用し第50病日退院となった. 症例2は57歳, 男性. 肛門周囲の痛みを主訴に入院. 陰嚢から肛門周囲に発赤があり著明に腫脹していた. CTでは, 同部に膿瘍腔とガス像を認め, また, 下行大動脈に径6cmの動脈瘤を認めた. 切開, デブリードメント施行し, 術後, 高圧酸素療法, エンドトキシン吸着療法を併用した. 経過良好であったが, 第11病日に大動脈瘤破裂にて死亡した. 本症に対する治療において, 早期診断と広範な壊死組織のデブリードメントが救命のうえで重要と思われた. また, 薬剤感受性を頻回に検査し抗生剤を変更し, 高圧酸素療法, エンドトキシン吸着療法などの併用も必要であると思われた.
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