局所冷却療法であるZeroid療法を,内痔核,裂肛を主とした30例の痔疾患患者に14日間試みたときの効果と,その後5~22カ月を経過した26症例に対するアンケートによる遠隔成績とを検討した.
1) 近隔成績では総括して73.3%の有効率であった.
2) 痔出血に対しては100%の,また疼痛,腫脹に対しては92.6%の有効率であった.
3) 他覚的所見の改善(60.0%)に比し,自覚症状の改善(96.7%)が優位であった.
4) 遠隔成績では,ほぼ治癒と老えられる例が15例(57.6%)あり,症状再現の都度本療法を繰返して効果をみているものが6例(23.2%)あった.
5) 本療法に16例(55.1%)が満足の意を表した.
以上から,Zeroid療法は適応によっては卓効を表わし,痔疾患の姑息的治療の1つとして高く評価されて然るべきものと思う。
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