人工肛門,人工膀胱用装具に用いられる粘着剤の皮膚生理機能に及ぼす影響について検討した.健常人20~60歳の男女19人を無作為にえらび,カラヤ(A),CMC系(B),カラヤとCMC系の混合剤(C),アクリル系(D)を腹部に貼布し,1週,1,月,3カ月後に,角質層の水分量および皮表脂質を測定した.また,皮表の構築について,レプリカを作製し,実体顕徴鏡にて検討した.
結果は,(1)角質:水分量(単位Relative Conductivity):1週後A40.6,B18.4,C22,6,D14.6,1月後A47.3,B27.1,C22.3,D13.2,3カ月後A51.0,B14.8,C28.3,D6.8,(2)皮表脂質(単位μg/cm
2):1週後A2.8,B4.2,C2.8,DO,3カ月後A2.4,B3.8,C,Dは0であった.
皮表構築:1週後:Aは健常部と大差ない裂B,Cは一方向に皮溝が深まる傾向,Dでは小区の乱れが著明であった.3カ月後,A,B,C,Dの種類に関係なく,一方向に皮溝の流れと深まりがみられた.
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