日本大腸肛門病学会雑誌
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28 巻, 2 号
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  • 大腸二重造影注腸法による計測中心として
    赤坂 裕三, 奥田 順一, 井田 和徳, 須藤 洋昌, 多田 正大, 宮岡 孝幸, 川井 啓市
    1975 年 28 巻 2 号 p. 105-109,173
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    種々の腹部不定愁訴をもつ74症例(男48例,女36例)に対して,経口前処置法による二重造影注腸法を施行し,39例に結腸下垂を認めた.そこでこれらを対象にX線学的ならびに臨床的立場から結腸下垂について検討を加えた.
    (1)結腸下垂をX線所見から,過移動群,低位群,混合群に分類した.
    (2)フィルム上の計測値からみると,結腸下垂例と非下垂例との間においては,大腸全体の長さに有意の差はなく,横行結腸の長さおよび体位変換(仰臥位→立位)に伴う横行結腸の下垂距離には両群問で有意の差が存在した.
    (3)結腸下垂例には胃下垂の合併は有意に多かったが,長直腸S状結腸の合併は有意の差を認めなかった。
    (4)結腸下垂例は女性に多かったが,年齢,腹部の長さと幅の比,ならびに愁訴の種類などで非下垂例との間に有意の差を認めなかった,
  • 松尾 泰伸
    1975 年 28 巻 2 号 p. 110-116,173
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    開腹術により確診された大腸機械的イレウス35例,びまん性腹膜炎,すなわち,壊死性ないしは穿孔性腹膜炎35例,主として上腹部非イレウス性疾患で,待期手術となったものを対照例とし,これを35例,合計105例につき,術前腹部単純X線撮影所見を検討し,大腸イレウスの所見基準を求めた.
    まず,上記三群の大腸拡張度を9階級に分けて,その度数分布を描いたところ,低い方から,対照群・腹膜炎群・大腸イレウス群の順に配列し,中間に位置する腹膜炎群は大腸イレウスのX線診断上ではnoiseとして働いており,これを考慮に入れた上で,大腸イレウスの所見基準の一つを「大腸拡張度1.5以上」とすることができた.これについてはさらに別の非イレウス例12例の開腹時腸管実測データならびに,すでに報告した小腸イレゥスの所見基準の一つである「小腸拡張1.0以上」を組合わせた考え方からも妥当な基準であることが判明した.
    他の一つの大腸イレウス所見基準はイレウスの病態生理ならびに小腸イレウスの所見基準の一つである「小腸水平像陽性」に対応して,「大腸水平像陽性」とするのが当然である.
    次に,大腸イレウス群をその原因から3大別し,大腸拡張度の高い範囲に分布するものから,1)先天性疾患,2)S状結腸軸捻症,3)その他の続発性症候性大腸イレウス,主として悪性腫瘍によるものとなり,これら3者における大腸拡張度の分布範囲の差が容易に理解し得た.
    大腸イレウスの所見基準を構成する大腸拡張度と大腸水平像の相互関係については,後者はある程度,前者の影響をうける所見であり,その程度についても検討を加えた.
    大腸イレウスに小腸イレウス所見が重複する比率は,小腸イレウス所見基準を援用してて8.6%と計算された.
  • 梅田 和夫, 岡本 十二郎, 西尾 碩人, 新谷 陽一郎, 斉藤 勝正, 原 正博, 玉利 勝範, 牧野 惟義, 木村 幸三郎, 小柳 泰久 ...
    1975 年 28 巻 2 号 p. 117-122,174
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    注腸検査において,診断に価する良い写真を撮るには,(1)検査に長時間を要し,(2)かなりの経験と技術がいる.これら,(1),(2)の解決に多くの問題がある.そのなかで,注腸検査用カテーテルが占める割合は大きい.
    現在,一般に広く使われている注腸検査用カテーテルは種々あるが満足すべき製品はない.われわれは,1972年から,高根等とX線テレビを使い,注腸検査を遠隔操作で行う装置の開発を行ってきた.この装置の使用に当り,問題となったのは,検査時,造影剤および二重造影のため送入した空気等が流出し,また,しみ出ることであった.また,体位の変換を行うとき,老人の肛門括約筋不全,小児の激しい動き等により,肛門管からカテーテルがはずれ,検査を1時中止すること等であった.そこで,1973年3月から,注腸検査用カテーテルの開発を急いでいたが,1973年5月,ほぼ満足すべき注腸検査用カテーテルの完成をみた.
    注腸検査用カテーテルは,(1)肛門管からはずれない.(2)造影剤および空気がもれない.(3)造影剤および空気の注入,送入および排出ができる.等をとくに考慮した.
    注腸検査用カテーテルの開発に当り,上述の(1),(2)は解剖学的理由から,外肛門括約筋を口側と肛門側の両側から,膨んだバルーンではさみ,造影剤および空気の注入,送入の注入口はバルーンの中央とした.なお,口側バルーンと肛門側バルーンの間の幅は約1.2cmとした.(3)は解剖学的理由から,カテーテルの尖端から口側バルーンまでは3.5cmとし,カテーテルの尖端の1.0cm×1.0cmの孔によって,造影剤および空気の注入,送入および排出ができるようにした.年齢に関係なく使えるように,直径,10mm,14mmの2種類を作成した.
    検査成績(1)は39症例に使用し,Doubleballoonの空気量は20cc,20cc以上の結果を得た.(2)は4施設281症例に空気量20ccとして追試した.結果,異常が認められなかった.
  • 大腸疾患を中心にして
    小林 一雄, 加藤 祐之助, 森 克彦, 小山 信弥, 小野田 肇, 吉雄 敏文
    1975 年 28 巻 2 号 p. 123-131,175
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
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    最近4年間に,150例の選択的上腸間膜動脈撮影を施行した.これらの症例において,撮影手技上必要となる上腸間膜動脈の腹部大動脈よりの分枝部位の頻度を,腰椎との関係で示した.また手術手技上や病変存在部位の診断に参考となる支配分枝の形の頻度についても検討した.
    病的血管変化は,今回,大腸を中心に検討し手術所見や摘出標本血管造影と対比した.結腸癌の壁外性浸潤の判定は難しく,辺縁動脈の鋸歯状変化や断裂像の証明を必要とした.
    潰瘍性大腸炎では,急性期または増悪期で典型像を示した.しかし寛解期では消失し,血管造影にて診断するのは困難であった.
    症例は少ないが,その他の炎症性疾患の血管造影所見についても言及した.
  • 1975 年 28 巻 2 号 p. 132-140,177
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1975 年 28 巻 2 号 p. 141-150,185
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 内視鏡診断の立場から
    1975 年 28 巻 2 号 p. 151-156,195
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1975 年 28 巻 2 号 p. 157-162,198
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1975 年 28 巻 2 号 p. 163-169,201
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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