右側結腸癌のリンパ節転移様式からみた,合理的な郭清範囲に関する検討を行った.対象は1993年12月迄の10年間の単発右側結腸癌切除例のうち,組織学的に根治度Aが得られた223例である.全症例の転移率は30.9%,転移度は7.1%であった,組織型別転移率はwel1:26.3%,mod:41。5%,por:50.0%,mucl37.5%であった.壁深達度別転移率はmp以下では0%,ss;28.5%,se:43.5%,si;53.8%であった.跳躍転移率は13.0%(31/223例)であった.占拠部位別には盲腸,上行結腸,右側横行結腸のいずれの腫瘍も壁達度ss以上の場合には203,213,223の主幹動脈根部リンパ節への転移例が認められた.再発形式は血行性転移が主体であり,リンパ行性再発は4群リンパ節に転移を認めた2例のみであった,右側結腸癌のリンパ節転移は分化度が低く,深達度が深いほど高度であり,壁深達度ss以上では203,213,223の郭清を伴うD3郭清の右半結腸切除術が必要である.
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