目的:腸管型ベーチェット病の臨床学的特徴と長期予後について自験例をもとに検討した.
対象:当科で手術を行った腸管型ベーチェット病6症例.初回手術後の観察期間は16年(2-43年)(中央値(範囲),以下同).
結果:ベーチェット病の診断時年齢は17歳(14-43歳),腸管型ベーチェット病の発症時年齢は27歳(14-73歳),病変部位は回盲部4例,上行結腸2例,回腸2例(重複あり)であった.初回手術時年齢は29歳(14-73歳),再発による再手術は4例,累計11回行われた.累積再手術率は初回手術後5年で37.7%,累積再々手術率は再手術後3年で88.7%と高率であった.再手術の手術適応は吻合部再発が8例(53%)と最多であった(重複あり).初回術後15年目に腸管穿孔に伴う腹膜炎で死亡した症例を認めた.
結語:腸管型ベーチェット病の再手術率は高く,予後不良な症例もおり長期のフォローが必要である.
抄録全体を表示