日本大腸肛門病学会雑誌
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31 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 吉田 豊, 金城 福則
    1978 年 31 巻 6 号 p. 553-557,633
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の治療方針は以下の3点に基づいている。すなわち,1)本症は大腸の慢性炎症であり,大腸が過敏な状態にある.2)本症の発生病理の一部に免疫学的機序が関与している.3)一部の重症例や重大な合併症のある症例は外科的治療の対象となる.実際の治療は一般療法として心身の安静,腸管の安静,食餌療法,全身状態の改善を行い,薬物療法は重症度に応じた治療内容が決められている.すなわち,軽症・中等症にはまずサラゾピリン,ステロイド注腸の順に治療を試み,これらの無効例と重症例に対してはステロイドの経口投与を行う。電撃型には絶食の上経静脈栄養を行い,ステロイドや抗生物質を血管内投与する.無効例は速かに外科治療を行う.内科的治療が当初より期待できないか,行っても改善のないものが外科治療の適応であり,その転換の時期の早いものほど治療成績がよい.緩解維持療法としては6ヵ月以上のサラゾピリン投与を行う.
  • 井上 幹夫, 吉田 一郎, 永田 晋
    1978 年 31 巻 6 号 p. 558-560,633
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    罹患範囲が直腸に限局する直腸炎型,あるいは極く僅かにS字状結腸に及ぶ直腸S字状結腸炎は,潰瘍性大腸炎の10~40%を占め,症状が軽く合併症も少く,自然緩解を起し易いことが知られている.教室の潰瘍性大腸炎症例43例のうち10例(23%)が直腸炎または直腸S字状結腸炎で,いづれも軽症で合併症はなかった.本症の治療には主としてサラゾピリンと,ステロイドの注腸または坐薬が用いられている.教室例の治療成績では,サラゾピリン単独で,臨床的には75%,内視鏡的には69%が緩解し,またサラゾピリンで緩解しなかった3例は,全てステロイド注腸により症状的にも内視鏡的にも緩解した.直腸炎型に対する治療法と予後に関する考察を加えた.
  • 小林 絢三, 北野 厚生, 山口 勝治, 田中 吉之助, 村井 雅己, 片山 照義, 桑島 士郎
    1978 年 31 巻 6 号 p. 561-566,634
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    内科的に経過を追求し得た全大腸炎型,左側大腸炎型などの広範囲罹患型の潰瘍性大腸炎54症例を対象として,その治療内容(主として薬物療法)について検討を加えた.
    治療対策を老える場合,背景因子として本症の発症の時期にはhyperimmunityの状態にあること,sali-cylazosulphapyridine(SASP)が免疫抑制作用をもつこと,血液凝固能が重症度を反映していることなどを考慮すべきである.したがって,活動期のものでは罹患部位に関係なく,また,軽,中等症のみならず重症の一部においてもSASP(6.0~8.0g)の投与を第一義的に考える.もし,胃腸障害,血液障害がみられれば経口投与量の一部を坐薬に切り換える.その結果,54例のうち,SASP単独投与で緩解に導入せしめ得たのは全大腸炎型では57%,左側大腸炎型では85%であり,緩解に導入し得ていないが効果があったものも含めると,広範囲罹患型の80%がSASP単独で良好な成績を得たことになる.
  • 茂木 正寿, 馬場 正三
    1978 年 31 巻 6 号 p. 567-571,634
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    重症の15例を中心に計21例の潰瘍性大腸炎患者に選択的プレドニゾロン動注療法を行った.本法をtriggerとして重症例の症状改善をはかり,緊急手術を回避して待期的に手術を行い,外科的治療成績の向上を目的とした.方法はSeldinger法により挿入したカテーテルを用い腸間膜動脈内へone-shotにて水溶陛プレドニゾロンを10―30mg注入する方法である。本法の有効率は全体で70.8%であり,このうち初発重症例の第1回動注に限ってみると80%の高率を示し,緊急手術を回避しえた.動注療法は従来の方法に比して高濃度のプレドニゾロンを病変部へ確実に作用させうること,one-shot法であるのでステロイドホルモン長期投与による副作用を術前に可及的に少なくできるなどの利点がある.本法は手術の適応と考えられる重症ないし劇症型の症例に対しての緊急処置として,手術を一層安全に施行するためにひとまず試みてよいと考える.
  • 石槫 秀勝, 服部 竜夫, 犬飼 治, 山崎 昌宏, 古田 環, 山田 洋, 大野 竜造
    1978 年 31 巻 6 号 p. 572-577,635
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    最近急性白血病は化学療法の進歩により生存期間の著明な延長が認められ,したがって合併症としての直腸肛門疾患がしばしばみられるようになった.われわれは昭和46年以後約7年間に147例中16例に直腸肛門疾患を経験し,8例の肛門周囲膿瘍に対しては4例に切開手術を行った.手術的療法は従来原疾患が寛解期にある場合を除き,絶対禁忌とされていたが,切開手術により敗血症の併発を防ぎ,疼痛等自他覚症状の軽減に明らかな効果を認めた.しかし,経過,予後は原疾患に左右される.切開創からは水様透明な液のみで定型的な大腸菌臭のある膿が形成されない症例もあった.手術創の治癒傾向は不良であり,また膿瘍再燃もしばしばみられ,再切開は4例中3例に施行している.手術時期は白血病の急性期を除き,膿瘍が形成されなくても症状が進行していくときは積極的に切開手術を行うが,切開手術は出血防止のため最小限に行なうべきである.
  • 小平 進, 小山 晴夫, 広田 映五, 大森 敬子, 池田 栄一
    1978 年 31 巻 6 号 p. 578-585,636
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    Dimethylhydraaineをラットに皮下注射することにより大腸に人間でみられるのと非常に類似した腺腫,癌種を高頻度に発生させることが出来る.このモデルを用いて,我々は糞流が発癌に及ぼす影響を3つの実験より検討した.DMH皮下注射による大腸癌発生機序は,一般に云われるようにDMH代謝産物が胆汁中に排泄され,大腸粘膜に作用するという経路以外に,何らかのDMH代謝産物が血行を介して直接に作用するという経路があること,大腸粘膜の環境を変化させるために結腸を胆管と小腸の間に移植しても,移植結腸にはDMH誘発腫瘍が発生すること,及びDMH投与終了後における大腸粘膜の通常の糞流との接触の有無は,そこに発生・発育する腫瘍の頻度・形態,大きさに影響を及ぼしていること,などを示唆する実験的成績を得た.同時にDMHは大量短期投与によっても,Druckreyらの長期連続投与と同等の発癌をおこすことが出来たのであわせて報告する.
  • 深沢 宏, 粕川 剛義, 鎌田 重康, 尾作 忠彦, 安藤 博文, 一森 繁生, 秋間 道夫
    1978 年 31 巻 6 号 p. 586-592,636
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Recently 2 cases of anal carcinoma associated with fistula were experienced in our department of surgery, and one of them suggested the carcinoma originated from anal fistula.
    There are 29 cases of carcinoma in anal region associated with fistula clearly detailed in literatures of Japan during the 18 years from 1960 to April 1978.
    These cases also were reviewed and analysed in this paper.
  • 1978 年 31 巻 6 号 p. 593-631
    発行日: 1978年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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