われわれは以前にrectoceleの大きさ (30mm以上) が手術 (経腟的) 適応の一つになり得ると発表した. 今回その基準をもとに行った手術の治療成績を調査した. 方法 : 手術を施行した有症状のrectoceleをもつ女性17例. 年齢は53±ll歳(27歳~67歳). 検討した臨床症状は排便時間, 排便の困難性, 残便感, 下剤の使用, 便失禁, 尿失禁, 骨盤他臓器脱出, 性生活, 満足度, 推薦度. アンケート質問表で調査を行った. 結果 : アンケート質問表は13例(76%)から回答を得た. 排便時間, 残便感, 下剤の使用では有意な変化は認めなかったが排便の困難性, 満足度, 推薦度では良好な結果であった. 1例に便失禁を, 2例に尿失禁を, 4例に性交時不快症を術後に認めた. 結語 : 排便障害を持つrectoceleに対する経腟的手術は有効ではあるが時に不定愁訴が残ることがあり, 大きさによる手術適応は慎重に取られなければならないと思われた.
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