大腸悪性黒色腫の3例をそのDNA ploidy pattern, PCNA標識率とともに報告する.症例1は60歳,男性.Rb,O型(Ip),sm,P
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0n(-)で,術後1年5か月健在である.症例2は53歳女性.P,O型(Is),sm, P
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0n(-)であったが,7か月後に肝再発死した.症例3は39歳,女性.SRs,Si(子宮)P
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0n(-),子宮合併切除を伴うHartmann手術を行い,術後9年生存中である,3例とも切除標本で組織学的に悪性黒色腫と診断し,術後DAV療法を施行した.症例1,2ではaneuploidy,症例3ではdiploidyを示した.PCNA標識率は症例1(26.0%),症例2(35.1%),症例3(25.6%)であった.DiploidyかつPCNA標識率が相対的に低い症例3は臨床病理学的所見に反して長期生存していた.大腸悪性黒色腫の予後とDNA ploidy pattern, PCNA標識率との関係については報告が少なく,今後検討される必要があると思われる.
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