目的:大腸癌卵巣転移切除症例の臨床病理学的特徴について検討する.
方法:2005年5月から2011年8月までに当院で大腸癌卵巣転移に対し卵巣切除術を施行した20例について検討した.
結果:発見時有症状は14例(70%),卵巣腫瘍径中央値は12.5cm(4~30cm),異時性卵巣転移15例(75%)の原発巣切除後から発見までの期間中央値は15ヵ月(3~63ヵ月)であった.原発巣の特徴として左側結腸・直腸(75%),高・中分化型(100%),SS以深(90%),リンパ節転移陽性例(85%)が多かった.卵巣転移は両側性7例(35%),片側性13例(65%)で腹膜播種を各々86%,24%に伴っていた.大腸原発巣術後の生存期間中央値は38ヵ月(11~89ヵ月)で,5年以上生存例を7例認めた.
結論:大腸癌卵巣転移症例は切除により症状緩和が得られ長期予後が得られる場合もあり切除が望ましい.
抄録全体を表示