The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
54 巻, 8 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 一山 智, 山口 恵三, 山中 喜代治, 上原 信之, 高橋 長一郎, 金子 陽子, 森 伴雄, 林 和, 黒川 幸徳, 根ヶ山 清, 平潟 ...
    2001 年 54 巻 8 号 p. 401-447
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1997年1月~3月の間に全国の施設より収集された重症感染症患者由来の臨床分離菌3,058株について, ciprofloxacin (CPFX) をはじめとした各種注射用抗菌薬に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を微量液体希釈法により測定し, その結果について検討した。
    Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) はvancomycin (VCM), teicoplanin (TEIC) およびarbekacin (ABK) に対する感受性は良好で, CPFXは他の薬剤と同様低感受性であった。Streptococcus pneumniaeに対するCPFXのMIC90は, ampicillinのMICが4μg/mL以上の耐性株でも2μg/mL以下であり, セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬等にみられるペニシリン低感受性株における耐性化傾向は認められなかった。
    グラム陰性菌のCPFXに対する感受性は, カルバペネム系抗菌薬とほぼ同等の高い感受性を示した。特にPseudomonas aeruginosaに対するCPFXのMIC90は2μg/mLであり最も良好な感受性を示した。また今回分離されたP. aeruginosa 446株中にblaIMP遺伝子保有株が3株認められたが, そのうち2株に対するCPFX, pazufloxacin (PZFX) のMICは0.25μg/mLであり, 良好な感受性を示した。CPFX, ceftazidime (CAZ), imipenem (IPM), gentamicin (GM) に対する肺炎のBreakpointを指標とした感受性率については, MRSAを除く主要な呼吸器感染症分離菌においてCPFXは80%以上であった。
  • 発生動向に関するアンケート調査の解析から
    上原 至雅, 亀井 克彦, 菊池 賢, 槙村 浩一, 鈴木 和男, 新見 昌一
    2001 年 54 巻 8 号 p. 448-472
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    わが国における深在性真菌症に対する医療従事者の意識調査ならびに真菌血症に焦点を当てたアンケート調査を行った。意識調査においては、感染症法の四類感染症に規定されたコクシジオイデス症 (輸入真菌症) が、(保健所への) 届出が義務づけられた全数把握の感染症であることを知っていた医師が過半数に達しない (47%) という実態が浮かび上がった。また、真菌症の診断は主に培養と鏡検に基づいて行なわれているが、一方で診断基準の数は7-8種類と多く、診断がいかに困難であるかを反映する結果となった。一方、深在性真菌症の最近5年間の発生状況を知るための調査では、真菌血症由来の菌種ではC. albicansが最も多く、それ以外の菌種ではC. glabrataC. kruseiにわずかではあるが増加傾向が見られた。深在性真菌症の増加が指摘されている中で、今回の調査では真菌血症が減少傾向にあるという矛盾した結果が得られた。しかし、これは血液培養自動検出システムの導入やフルコナゾールの血中濃度などが複雑に関与していることが原因と考えられ、今後さらに深在性真菌症の正確な実態を把握するための調査が必要と思われた。
feedback
Top