The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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58 巻, 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • レスピラトリーキノロンとしての特徴と役割
    河野 茂, 山口 恵三, 青木 信樹, 二木 芳人, 渡辺 晋一, 渡辺 彰
    2005 年 58 巻 5 号 p. 431-444
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 特に新規に上梓されたprulifloxacin, pazufloxacinおよびbiapenemの評価
    阿部 教行, 小松 方, 岩崎 瑞穂, 長坂 陽子, 福田 砂織, 松尾 収二, 島川 宏一
    2005 年 58 巻 5 号 p. 445-451
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Pseudomonas aeruginosaに対する新規に上梓されたprulifloxacin, pazufloxacinおよびbiapenemを含む計16薬剤の抗菌力を調査した。天理よろづ相談所病院で2003年4月から2004年3月の期間に分離されたP.aeruginosa 207株 (呼吸器系51%, 尿路系24%, ノロン系薬は, prulifloxacinが最も優れた抗菌力を示し (0.5μg/ml), 次いでciprofloxacin (1μg/ml), pazufloxacin (2μg/ml), levofloxacin (2μg/ml), gatifloxacin (4μg/ml) の順であった。カルバペネム系薬は, meropenemおよびbiapenemが最も優れた抗菌力を示し (1μg/ml), 次いでimipenem (2μg/ml), panipenem (8μg/ml) の順であった。他のβ-ラクタム系薬は, cefozopranおよびceftazidimeが最も優れた抗菌力を示し (4μg/ml), 次いでcefepime (8μg/ml), piperacillin/tazobactam (8μg/ml), aztreonam (16μg/ml), cefoperazone/sulbactam (16μg/ml), cefbirome (16μg/ml) のII頂であった。また, 日本化学療法学会の臨床的ブレイクポイント (肺炎) を用い, 呼吸器材料から分離された105株について, ブレイクポイント以下であった菌株の割合を比較したところ, フルオロキノロン系薬ではpazufloxacinおよびciprofloxacinが最も高く (53%), 次いでprulifloxacin (50%), levofloxacin (45%), gatinoxacin (38%) の順であった。カルバペネム系薬ではbiapenemおよびmeropenemが最も高く (61%), 次いでimipenem (57%), panipenem (19%) の順であった。その他のβ-ラクタム系薬では, cefozopranが最も高く (63%), ceftazidime (55%), cefepime (33%), aztreonam (12%), cefoperazone/sulbactam (9%), cefbirome (8%), 次いでpiperaci11in/tazobactam (6%) の順であった。今回得られた調査結果から, prulifloxacin, pazufloxacinおよびbiapenemは緑膿菌感染症に対して高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。
  • 小鹿 雅博, 佐藤 信博, 箱崎 将規, 鈴木 泰, 高橋 学, 遠藤 重厚, 鈴木 健二, 若林 剛
    2005 年 58 巻 5 号 p. 452-457
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    カルバペネム系抗菌薬は時間依存性薬剤であるためMinimal Inhibitory Concentration (MIC) 以上の濃度を持続する時間 (time above MIC) を考慮した投与が重要とされる。今回, pharmacokinetics/phamlacodynamics (PK/PD) に基づいたカルバペネム系抗菌薬投与のpreliminary studyを行った。
    対象: 腹腔内感染症10例。方法: カルバペネム系抗菌薬 (MEPM) 1日総投与量1.5g (0.5g分3), 8時間毎の分割投与において, 投与時間を3時間投与群 (3H群), 30分投与群 (30M群) に割り付け, 投与前と96時間後までの最高体温, 白血球数, CRP, SIRS scoreについて比較した。結果: 3H群5例 (平均年齢67.4±14.6歳), 30M群5例 (平均年齢60.0±12.8歳)。投与前の体温, 白血球, CRP, SIRS scoreは2群間に有意差は認めなかった。96時間後のSIRS scoreは3H群で有意に低下を示した。体温, 白血球数, CRPでは2群間に有意差は認めなかった。考察: 3H群はSIRSからの早期改善を示した。PK/PDに基づく投与法は今後も検討が必要であると思われた。
  • 幸福 知己, 岡崎 友美, 藤原 美樹, 足立 昌代, 山之内 すみか, 加納 栄美子, 中嶋 祐子, 林 常夫, 北山 茂生, 木下 承晧
    2005 年 58 巻 5 号 p. 458-468
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2004年4月-9月に兵庫県下29施設で各種臨床材料から分離された緑膿菌766株を対象とし, 注射用抗菌薬13剤の薬剤感受性と血清型を測定した。また, メタロβ-ラクタマーゼの検出も行った。抗菌力はGM, MEPM, AMK, CPFX, CAZの順に優れており, National Committee for Clinical Laboratory Standardのブレイクポイントによる感受性率はAMK, GM, PIPC, CZOP, MEPMの順に優れていた。またカルバペネム系薬の感受性ではIPM耐性 (I又はR) の株129株のうちMEPMが感性 (S) は47株 (36.4%) 認められた。メタロβ-ラクタマーゼ産生株は3株 (0.4%), 多剤耐性緑膿菌は7株 (0.9%) のみであった。緑膿菌は施設ごとに感受性成績に差が見られ, 同一血清型で同一感受性パターンの株を複数認める場合もあり抗菌薬適正使用を含めた院内感染対策が必要である。
  • 大窪 久夫
    2005 年 58 巻 5 号 p. 469-485
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ファーストシン®は, 武田薬品工業 (株) で開発された塩酸セフォゾプランの注射用製剤であり, ブドウ球菌属, 腸球菌属を含むグラム陽性菌から緑膿菌を含むグラム陰性菌まで, 広い抗菌スペクトルとバランスのとれた強い抗菌力を示す1)-10)セフェム系抗生物質製剤である。
    本剤は1995年6月に成人の細菌感染症に関する承認を得, 6年間の再審査期間の指定をうけた。製造販売後の調査として, 日常診療における医薬品の使用実態下でのさまざまな患者における安全性, 有効性に関する情報を収集し, 評価・検討するための使用成績調査を実施した。また, 1998年12月に小児の細菌感染症, 及び化膿性髄膜炎に関する追加承認を得, 4年間の再審査期間の指定をうけ, それぞれの使用成績調査を追加実施した 。その結果, 本剤の安全性, 有効性が再確認され, 2005年1月に再審査結果として公表された。
    ファーストシン®は承認後10年を経過し, 現在も広く使用されている注射用抗生物質製剤であり, 適正使用情報の一つとして, 全国の医療機関の協力を得て実施した上述の使用成績調査の概要を紹介する。
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