Pseudomonas aeruginosaに対する新規に上梓されたprulifloxacin, pazufloxacinおよびbiapenemを含む計16薬剤の抗菌力を調査した。天理よろづ相談所病院で2003年4月から2004年3月の期間に分離された
P.aeruginosa 207株 (呼吸器系51%, 尿路系24%, ノロン系薬は, prulifloxacinが最も優れた抗菌力を示し (0.5μg/ml), 次いでciprofloxacin (1μg/ml), pazufloxacin (2μg/ml), levofloxacin (2μg/ml), gatifloxacin (4μg/ml) の順であった。カルバペネム系薬は, meropenemおよびbiapenemが最も優れた抗菌力を示し (1μg/ml), 次いでimipenem (2μg/ml), panipenem (8μg/ml) の順であった。他のβ-ラクタム系薬は, cefozopranおよびceftazidimeが最も優れた抗菌力を示し (4μg/ml), 次いでcefepime (8μg/ml), piperacillin/tazobactam (8μg/ml), aztreonam (16μg/ml), cefoperazone/sulbactam (16μg/ml), cefbirome (16μg/ml) のII頂であった。また, 日本化学療法学会の臨床的ブレイクポイント (肺炎) を用い, 呼吸器材料から分離された105株について, ブレイクポイント以下であった菌株の割合を比較したところ, フルオロキノロン系薬ではpazufloxacinおよびciprofloxacinが最も高く (53%), 次いでprulifloxacin (50%), levofloxacin (45%), gatinoxacin (38%) の順であった。カルバペネム系薬ではbiapenemおよびmeropenemが最も高く (61%), 次いでimipenem (57%), panipenem (19%) の順であった。その他のβ-ラクタム系薬では, cefozopranが最も高く (63%), ceftazidime (55%), cefepime (33%), aztreonam (12%), cefoperazone/sulbactam (9%), cefbirome (8%), 次いでpiperaci11in/tazobactam (6%) の順であった。今回得られた調査結果から, prulifloxacin, pazufloxacinおよびbiapenemは緑膿菌感染症に対して高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。
抄録全体を表示