The Japanese Journal of Antibiotics
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48 巻, 4 号
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  • 小野 寺昭一, 渡辺 彰
    1995 年 48 巻 4 号 p. 441-448
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 大泉 耕太郎, 大野 高義, 川原 正士, 川口 信三, 最所 正純, 光武 良幸, 齋藤 玲, 富沢 磨須美, 小池 隆夫, 武部 和夫, ...
    1995 年 48 巻 4 号 p. 449-481
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたβ-ラクタマーゼ阻害剤であるTazobactam (TAZ) と広域ペニシリン系抗生物質Piperacillin (PIPC) を1: 4の割合で配合した注射用ペニシリン系複合抗生物質であるTazobactam/Piperacillin (TAZ/PIPC) の細菌性肺炎および肺化膿症に対する有効性, 安全性および有用性をPIPCを対照薬とし, 多施設2群間比較試験により比較検討した。
    TAZ/PIPCは1回2.5g (力価) を1日2回, PIPCは1回2.0g (力価) を1日2回, 原則として14日間点滴静注した。
    成績は以下のとおりであった。
    1. 臨床効果はTAZ/PIPC群94% (80/85) に対し, PIPC群89% (70/79) の有効率であり, 両薬剤群間に有意差は認められなかった (P=0.562; U-test)。
    2. 臨床症状・所見および臨床検査値の改善度の比較において, 一部, 胸部ラ音の3日後でTAZ/PIPC群が有意に優れた成績 (P=0.028; U-test) を示した以外は両薬剤群間に有意差は認められらなかった。
    3. 細菌学的効果はTAZ/PIPC群98% (40/41) の菌消失率に対し, PIPC群は80% (28/35) であり, TAZ/PIPC群が有意に優れていた (P=0.021; Fisher's exact probability method)。なお, 菌の消長においてもTAZ/PIPC群が有意に優れていた (P=0.020; Fisher's exact probabilitymethod)。推定起因菌検出例80例 (TAZ/PIPC群;43例, PIPC群;37例) 中, 起因菌のβ-ラクタマーゼ産生性が確認出来た症例は両薬剤群ともに11例にすぎず, これらの症例における細菌学的効果には有意差は認められなかった。なお, β-ラクタマーゼの産生が確認出来た菌に対するTAZ/PIPCとPIPCの最小発育阻止濃度 (MIC) を比較すると明らかにTAZ/PIPCがPIPCに比べ優れていた。
    4. 副作用はTAZ/PIPC群10% (10/96), PIPC群7% (7/95), 臨床検査値異常はTAZ/PIPC群22% (20/92), PIPC群18% (17/93) の発現率であり, いずれについても両薬剤群間に有意差は認められなかった
    。5. 有用性に関しては, TAZ/PIPC群87% (75/86), PIPC群85% (67/79) の有用率であり, 有意差は認められなかった (P=0.905; U-test)。
    以上の成績より, TAZ/PIPCの1回2.5g (力価), 1日2回投与は, 細菌性肺炎の治療において, PIPCの1回2.0g (力価), 1日2回投与と比較し同等以上に有用な薬剤であると考えられた。
  • 大泉 耕太郎, 川原 正士, 川口 信三, 重松 浩成, 田中 二三郎, 佐野 暢彦, 齋藤 玲, 平賀 洋明, 大道 光秀, 井上 洋西, ...
    1995 年 48 巻 4 号 p. 482-513
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいβ-ラクタマーゼ阻害剤Tazobactam (TAZ) と広域ペニシリン系抗生物質Piperacillin (PIPC) を配合させた複合抗生物質TAZ/PIPCの慢性気道感染症に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的でPIPCを対照薬として多施設2群間比較試験を行った。
    使用した薬剤は1 vial中にTAZ 0.5gとPIPC 2.0gを含有する製剤 (TAZ/PIPC群) とPIPC 2.0gを含有する製剤 (PIPC群) であり, 原則として1回1 vialを1日2回14日間点滴静注した。
    成績は以下のとおりであった。
    1. 臨床効果
    有効率はTAZ/PIPC群86% (76/88), PIPC群81% (69/85) であり, 両薬剤群間に有意差は認あられなかった (P=0.349; U-test)。
    2. 細菌学的効果
    細菌の消失率はTAZ/PIPC群93% (42/45), PIPC群88% (36/41) で, 両薬剤群間に有意差は認められなかった (P=0.470; Fisher's exact probability method)。また起因菌のβ-ラクタマーゼ産生性が確認出来た34症例においてもTAZ/PIPC群77% (10/13), PIPC群88% (15/17) と両薬剤群間に有意差は認められなかった。
    3. 症状・所見, 検査値改善度
    TAZ/PIPC群は解熱, 喀痰量減少がやや早かった。
    4. 副作用
    発現率はTAZ/PIPC群7% (7/96), PIPC群3% (3/89) であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった。主な症状はアレルギー様症状と消化器症状であった。
    5. 臨床検査値異常
    発現率はTAZ/PIPC群17% (15/89), PIPC群21% (18/87) であった。主な症状は好酸球増多と肝機能異常であり, その程度は, GOT, GPT, A1-Pの上昇が中等度であった1例を除き軽度であった。
    6. 有用性
    有用率はTAZ/PIPC群80% (71/89), PIPC群78% (66/85) であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった (P=0.507; U-test)。
    以上の成績からTAZ/PIPCは優れた臨床効果を示し, 安全性に関しても特に問題がなかったことから, それらを総合評価すると慢性気道感染症の治療において有用性の高い薬剤と考えられた。
  • 三澤 信一, 津田 昌一郎, 谷脇 雅史, 堀池 重夫, 有山 由布子, 平川 浩一, 植田 豊, 兼子 裕人, 中尾 誠, 加嶋 敬, 中 ...
    1995 年 48 巻 4 号 p. 514-521
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    血液疾患に併発した感染症72例に対してFosfomycin (FOM) とSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) を連続投与する併用療法を行い, 有効性と安全性を検討した。
    全体の有効率は72.2% (52例/72例) で, 敗血症では66.7% (14例/21例), 敗血症の疑いでは74.5% (35例/47例) に有効性が認められた。本療法による治療期間中, 末梢血の好中球数100/mm3未満が続く症例においても57.1% (8例/14例) に有効であった。また, G-CSFを併用した例と併用しなかった例における有効率はそれぞれ70, 8% (17例/24例) と72.9% (35例/48例) で, 差はみられなかった。敗血症の起因菌22株のうち, 菌の消長が判明した14株中11株 (78.6%) が除菌されたが, Staphylococcus epidermidis 1株とPropionibacterium acnes 2株が除菌されなかった。副作用として2例にGOT, GPTの軽度の上昇が一過性にみられたが, 他に重篤な副作用はなかった。
    FOMとSBT/CPZ連続併用療法は, 血液疾患に併発した重症感染症に対して高い有効性と安全性が確認された。血液疾患の経過中に発症する細菌感染症は重篤な場合が多いことを考えると, 本療法は優れた抗菌療法と考えられる。
  • 秋山 修, 伊藤 敏雄, 緒方 めぐみ, 岡野 弘, 可部 順三郎, 川上 雅彦, 木田 厚瑞, 工藤 宏一郎, 小松崎 克己, 金野 公郎 ...
    1995 年 48 巻 4 号 p. 522-528
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    外来初診患者および外来通院中の患者に発症した, 肺炎および慢性気道感染症を対象として, Cefpodoxime proxetil (CPDX-PR) の臨床的有用性を検討した。
    CPDX。PRの投与量は, 急性呼吸器感染症では1回100~200mg, 慢性呼吸器感染症では1回200mgとし, 1日2回, 食後経口投与した。
    急性気管支炎4例, 肺炎27例, 慢性気道感染症の急性増悪35例, 計66例に対して, 著効20例, 有効33例, やや有効10例, 無効3例, 有効以上の有効率80.3% (53/66) であった。起炎菌の消長を検査できた症例では, Streptoceccus pneumoniaeを初め, 全ての起炎菌が消失した。2例でPseudomonas aeruginosaによる菌交代症を認めた。重篤な副作用, 臨床検査値異常は認められなかった。
    CPDX-PRは, 外来診療での呼吸器感染症患者に対する第一選択薬のひとつであり, 特にS. pneumoniae感染症が増加しつつあることを考慮すると, 以前よりもCPDX-PRの重要性が増していると結論されろ。
    セブポドキシム・プロキセチル (Cefpodoxime proxetil (CPDX-PR)) は, “外来3大起炎菌” 1) として重要な呼吸器病原菌である, 肺炎球菌 (Streptococcus pneumoniae), インフルエンザ菌 (Haemophilus influenzae), およびブランハメラ・カタラーリス (Moraxella (Branhamella) catarrhalis) に対する臨床的有用性が高いと評価され2, 3) , 現在, 経口抗菌薬が適応となる呼吸器感染症の治療の第一選択薬のひとつである。
    今回, 私共は, 外来初診患者および外来通院中の患者に発症した急性・慢性の呼吸器感染症を対象に, CPDX-PRの適応症例に対する本剤の臨床的有用性を検討し, 加えて現時点におけろ外来発症呼吸器感染症の起炎菌の現状に関する知見が得られたので報告する。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 中根 豊, 福本 寅雄
    1995 年 48 巻 4 号 p. 529-547
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1987年, 1990年, 及び1994年に検出した主な臨床分離株を対象とし, Sulbactam/Ampicillin (SBT/ABPC) の抗菌活性を知ることを目的に, 供試株のβ-ラクタマーゼ産生と最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して, 以下の結果を得た。
    1. β-ラクタマーゼ産生株の割合は, Methicillin (DMPPC)-susceptible Staphylecoccus aureus subsp. aureus (MSSA) 90.0%, DMPPC-resistant S.aureus (MRSA) 81.7%, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae subsp. pneumoniae, Proteus mirabilisは各々100.0%, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis 95.3%, Haemophilus influenzae 15~20%であるが, そこにおけるβ-ラクタマーゼ産生試験結果の多くはPenicillinase (PCase) であったが, E. coliにおいてはCephalosporinase (CEPase) 産生株も認められた。
    2. MSSA, M.(B.) catarrhalis, H.influenzae, 及び大部分のEnterobacteriaceaeのβ-ラクタマーゼ産生株に対するSBT/ABPCの抗菌活性は, Ampicillin (ABPC) とPiperacillin (PIPC) に勝っていたが, MRSAと一部のEnterobacteriaceaeに存在したCephems (CEPs) 耐性株に対するSBT/ABPCの抗菌活性は劣っていた。
    3. Benzylpenicillin (PCG)-insensitive Streptococcus pneumoniae (PISP) またはPCG-resistant S.pneumoniae (PRSP), 及びCEPs耐性E. coliの株数は1990年及び1994年検出株に多かった。
    4. Streptococcus pyogenes, S.pneumoniae, そしてβ-ラクタマーゼ産生株を含むM.(B.) catarrhalisH. influenzaeに対するSBT/ABPCの抗菌活性は依然として強く, 加えてS. aureusK.pneumoniaeが産生するβ-ラクタマーゼに対するSBTのβ-ラクタマーゼ阻害効果が認められることから, SBT/ABPCは日常診療での臨床的な有用性が, 中でもCommunity-acquiredinfectionにおけろ気道系感染症に対する第一次選択剤としての期待が持てる注射用剤であることを改めて確認した。
  • 大久保 豊司, 鈴木 隆男, 藤田 欣一, 伊豫部 志津子, 井上 松久
    1995 年 48 巻 4 号 p. 548-552
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    生菌数法とBioscreen Cを用いた方法によりStaphyloceccus aumsおよびEnterococcus faecalisに対し, Postantibiotic effect (PAE) を求めた。
    その結果, 両方法に差異が認められず, Bioscreen法は生菌数法より簡便であった。
    S. aureusに対する2倍のMIC, 2時間Erythromycin (EM), Josamycin (JM), Rokitamycin (RKM) 処理による各薬剤のPAEはそれぞれ0.85~1.45, 2.36~3.48時間および1.93~5.45時間であった。また, E. faecalisを2倍MIC, 2時間EM, JM, RKM処理に依ってもPAEは1.0~5.8時間認められた。
  • I. NaClの影響
    植手 鉄男, 松尾 清光
    1995 年 48 巻 4 号 p. 553-562
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    セファマイシン, 例えばセブメタゾール, フロモキセフなどとセファロスポリンの併用はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) に対して相乗的にin vitro抗菌力を増強することが知られている。しかし, セファマイシンとどのセファロスポリンとの併用がもっとも効果的かは不明である。ゆえに, 本研究においてはメチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MSSA) 9株, MRSA 30株を用いて, セブメタゾールとセファゾリン, セフォチアム, セファマンドールまたはセフォペラゾンの併用抗菌効果を比較究明した。Mueller-Hinton寒天平板希釈法 (日本化学療法学会法) によりMICを測定し, Checkerboard 法によりこれら薬剤の併用効果を評価した。2薬剤併用時のFIC index≤0.5を相乗的抗菌力増強と見倣した。
    また, 培地のNaCl濃度がβ-ラクタム剤のMRSAへの抗菌力に影響することは良く知られている。また黄色ブドウ球菌はSalt-tolerantであり, Hyperosmoticの条件下で成長, 増加する。生理的に生体内のNaCl濃度, すなわちOsmolalityは場所により差がある。ゆえに, 食塩濃度の異なる条件下で抗菌力を測定した。すなわち, Mueller-Hinton寒天培地に食塩の無添加の場合と4% NaCl添加した条件下でのセファマイシンとセファロスポリンの併用効果を比較吟味した。
    何れの条件下においても, セブメタゾールとセファゾリン, セフォチアム, セファマンドールまたはセフォペラゾンの併用はMSSAおよびMRSAに対して相乗的抗田力の増強をしめした。NaCl無添加の条件下において, 6.25μg/ml以下の低濃度のセファロスポリンによるセブメタゾールのMRSAにたいする抗菌力の相乗的増強作用は, 検討したセファロスポリン中, セフォチアムが最も強力で, ついでセファマンドール, セファゾリン, セフォペラゾンなどであった。セファマンドールはセフォチアムと同様の増強効果を得ろのに, より高濃度を必要とした。セファマンドール12-5μg/mlの濃度において, セフォチアム12.5μg/ml存在時の場合と同様なセブメタゾールの抗菌力増強を示した。
    %NaClを寒天培地に添加した場合, これらの相乗的併用効果は減少した。セブメタゾールとセファマンドールとの併用効果は, 他のセファロスポリンとの併用効果に比し, NaClの影響が少なかった。4%NaClが存在する場合, セファマンドールは, 6.25~125μg/ml濃度において, 上記セファロスポリン中最も強力にセブメタゾールのMRSAへの抗菌力を増強した。
    セブメタゾールとセフォチアムあるいはセファマンドールの併用のMRSAへの相乗的抗菌力増強は, セブメタゾールと他のセファロスポリンの併用より強力であった。しかし, 何れの併用が臨床上もっとも有用かはさらに究明が必要である。
  • II. 接種菌量の影響
    植手 鉄男, 松尾 清光
    1995 年 48 巻 4 号 p. 563-570
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    セファマイシンとセファロスポリンの併用がメチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MSSA) およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) に対して相乗的に抗菌力を増強することが知られていろ。
    最近の実験動物を用いた研究および臨床研究は, in vitroの抗菌力測定の際の接種菌量の影響とその抗生物質の臨床効果が相関することを報じている。ゆえに, 本研究においてはセファマイシンとセファロスポリン併用のMSSAおよびMRSAへの相乗的抗菌力増強にたいする接種菌量の影響を吟味した。
    MSSA 9株, MRSA 20株を使用し究明を行った。細菌感染の際, 感染局所における細菌数は多い場合には, 108~109CFU/mlに達することが報じられていろ。ゆえに, 106および108CFU/mlの接種菌量を用い, Mueller-Hinton寒天平板希釈法 (日本化学療法学会法) によりMICを測定した。セファマイシンとセファロスポリンの併用効果はCheckerboard法を用いて評価し, FIC index≤0.5を相乗効果と判定した。
    臨床的に, 感染病巣局所の菌量は多い場合, 108~109CFU/mlが報じられていろ。ゆえに, セファマイシンのセブメタゾールとセファロスポリンのセフォチアム, セファマンドールまたはセフォペラゾンの併用によう抗菌力増強への接種菌量の影響を106CFU/mlと108CFU/mlを用いて比較吟味した。これらセファロスポリン6.25μg/ml以下の存在においてセフォチアムおよびセファマンドールはセフォペラゾンに比しより強力にセブメタゾールの抗菌力を相乗的に増強した。接種菌量108CFU/mlを用いた場合, 106CFU/mlの場合に比し, これら薬剤の併用時の相乗的抗菌力増強はMSSAにおいては有意に減少しなかったが, MRSAにおいては顕著に減少した。しかし, セブメタゾールとセフォチアムの併用においてはこのような接種菌量の影響は少なかった。
    本研究で見られたセブメタゾールとセフォチアム, セファマンドール, セフォペラゾンなどの併用にようMSSAおよびMRSAに対する相乗的抗菌力増強への接種菌量の影響の臨床的解釈, 意義については不明である。しかし, 少なくとも, セブメタゾールとこれらセファロスポリンの併用はMSSA感染症治療に, またMRSA感染の可能性のある外科的手術時の感染予防にセファロスポリン, セファマイシンの単独投与より一層有用であると思われる。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 中根 豊, 福本 寅雄
    1995 年 48 巻 4 号 p. 571-594
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1994年1~6月に検出した新鮮臨床分離株を対象とし, Piperacillin (PIPC) の抗菌活性を知ることを目的に対照薬剤を加えて最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して, 以下の結果を得た。
    1. 主な菌種に対するPIPCのMIC70は, 1980年代中期の報告とほぼ同等だった。
    2. 供試株は, いわゆる市中病院患者由来株と基幹病院患者由来株をほぼ1: 1としたが, PIPCを含むβ-ラクタム系薬剤 (β-Lactams) 耐性菌の割合は前者は低く, 後者が高かった。
    3. 「新規に登場したβ-Lactams耐性菌」, すなわち1980年代中期には皆無に等しかったBenzylpenicillin (PCG)-insensitive Streptococcus pneumoniae, PCG-resistant S. pneumoniae, Cephems-resistant Escherichia coli, β-ラクタマーゼ産生Prevotella spp.などが認められたが, それらは市中病院由来株にも存在していた。
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