The Japanese Journal of Antibiotics
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58 巻, 3 号
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  • 近畿耐性菌研究会肺炎球菌抗菌薬サーベイランスグループ
    佐藤 かおり, 小松 方, 島川 宏一, 西尾 久明, 山下 知成, 中村 竜也, 和田 恭直, 折田 環, 幸福 知己, 末吉 範行, 豊 ...
    2005 年 58 巻 3 号 p. 221-230
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2003年11月から2004年2月に近畿地区の14施設で分離されたStreptococcus pneumoniae 375株について26種類の抗菌薬に対するMICをClinical Laboratory Standard Institute (CLSI, 旧National Committee for Clinical Laboratory Standards) 準拠微量液体希釈法により測定した。CLSIのブレイクポイントを使用したpenicillin Gの感受性の内訳はPSSP10株 (28.5%), PISP194株 (51.7%) およびPRSP74株 (19.7%) であった。各抗菌薬の系統別におけるMIC90値の比較ではペニシリン系抗菌薬のうちpenicillin G, ampicillinおよびpiperacillinは3剤とも2μg/ml, セフェム系抗菌薬はcefpiromeおよびcefditorenが0.5μg/mlと最も低く, 次いでceftriaxone, cefbtaxime, cefbzopran, およびcefcapeneの1μg/mlであった。カルバペネム系およびペネム系抗菌薬はpanipenemが0.12μg/mlと最も低く, 次いでimipenem (0.25μg/ml), meropenem (0.5μg/ml) およびfaropenem (0.5μg/ml) の順であった。フルオロキノロン系抗菌薬はtosufloxacinおよびmoxifloxacinが0.25μg/mlと最も低く, 次いでgatifloxacin (0.5μg/ml) およびsparfloxacin (0.5μg/ml), levonoxacin (1μg/ml), pazufloxacin (4μg/ml) の順であった。その他の抗菌薬はclaritllromycinおよびclindamycinが>4μg/ml, minocyclineおよびchloramphenicolが>8μg/ml, telithromycinが0.12μg/ml, vancomycinが0.5μg/ml, sulfamethoxazole/trimethoprimが38/2μg/mlであった。CLSIの判定基準を使用した各抗菌薬の耐性率はceftriaxone0.8%, cefbtaxime 0.5%, imipenem 0%, meropenem 3.5%, clarithromycin67.5%, clindamycin 41.3%, telithromycin 0%, levofbxacin 1.6%, gatifloxacin 0.8%, sparfloxacin1.6%, moxinoxacin 0.5%, vancomycin 0%, sulfamethoxazole/trimethopdm 8.3%およびchloramphenicol21.3%であった。Penicillin Gへの耐性化と同時に他系統の抗菌薬にも耐性を獲得している株が認められ, 今後多剤耐性化へ移行する可能性が示唆された。
  • 阿部 友美, 古賀 哲文, 佐藤 有紀, 伊東 和慶, 栃川 裕子
    2005 年 58 巻 3 号 p. 231-258
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Panipenem/betamipron(PAPM/BP, 販売名: カルベニン®)の市販後調査として, 全国各地の医療機関15施設で分離された臨床分離株に対するPAPMを含む注射用β-ラクタム系薬のMICを経年的に調査し, 各種臨床分離株の感受性推移と耐性菌の分離率の推移について検討した。被験菌株は, 1年次として2000年6月から2001年3月に分離された28菌種1,356株を, 2年次として2001年4月から2002年3月に分離された同菌種1,221株を, 3年次として2002年4月から2003年3月に分離された同菌種1,403株を用いた。
    本調査の3年間において, PAPMの抗菌力の低下は認められず, また, 今回の結果は承認時までの調査成績と比較してほぼ同等であり, 良好な抗菌力を維持していると思われる。
    今回の3年間の調査における各種耐性菌の分離率の推移は, methicillin-resistant Staphylococcus aureus39.3%→43.9%→47.3%, penicillin-intermediate Streptococcus pneumoniaeが48.9%→44.2%→25.7%, penicillin-resistant S. pneumoniae(PRSP)が13.8%→26.3%→43.2%, extended-spectru β-lactamase(ESBL)産生Escherichia coliが0.9%→0%→14%, ESBL産生Klebsiella pneumoniaeが3.4%→1.3%→3.1%, β-lactamase産生Haemophilus influenzaeカミ19.2→8.9%→2.9%, β-lactamase-negative ampicillin-resistant H. influenzae(BLNAR)が22.1%→30.7%→33.0%, メタロ-β-lactamase産生Pseudomonas aeruginosaが1.0%→4.4%→1.0%であった。分離率の増加が顕著であったPRSPに対して, PAPMは検討薬剤中最も優れた抗菌力を示した。同じく増加傾向が認められたBLNARは, 全ての検討薬剤に対して感受性が低下しており, また, メタロ-β-lactamase産生P.aeruginosaは高度耐性化していた。今後も, PRSP, BLNAR, メタロ-β-lactamase産生菌などの耐性菌の動向には十分な注意が必要である。
  • 阿部 友美, 古賀 哲文, 佐藤 有紀, 伊東 和慶, 栃川 裕子
    2005 年 58 巻 3 号 p. 259-282
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpodoxime proxetil (CPDX-PR, 販売名: バナン®) の市販後調査として, 全国各地の医療機関15施設で分離された臨床分離株に対するCPDXを含む経口用セフェム系薬のMICを経年的に調査し, 各種臨床分離株の感受性推移と耐性菌の分離率の推移について検討した。被験菌株は, 1年次として2000年6月から2001年3月に分離された22菌種1,091株を, 2年次として2001年4月から2002年3月に分離された同菌種993株を, 3年次として2002年4月から2003年3月に分離された同菌種1, 115株を用いた。
    本調査の3年間において, ほとんどの菌種に対するCPDXの抗菌力に低下傾向は認められず, また承認時までの調査成績と比較して大きな変動は認められなかった。
    しかし, penicillin-resistantStreptococcus pneumoniae(PRSP) およびβ-lactamase-negative ampicillin-resistant Haemophilus influenzae (BLNAR) の増加により,S. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対するCPDXの抗菌力は他のセフェム系薬と同様に, 経年的な低下傾向が認められた。また, 腸内細菌科の菌種で, extended-spectrum β-lactamase (ESBL) 産生菌などの高度耐性菌が数株分離された。
    今後もPRSP, BLNAR, ESBL産生菌といった耐性菌の動向には十分な注意が必要である。
  • 松崎 薫, 志藤 久美子, 渡部 恵美子, 長谷川 美幸, 佐藤 弓枝, 小林 寅哲
    2005 年 58 巻 3 号 p. 283-289
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2004年に国内の医療機関において感染症患者より分離された臨床分離株のceftriaxone (CTRX) および注射用β-lactam薬に対する薬剤感受性を測定した。また一部の菌種に対しては約10年前 (1994-1996年) に分離された菌株を用い, それぞれの抗菌薬のin vitro活性を比較した。
    Penicillin-intermediateおよびpenicillin-resistant Streptococcus pneumoniaeを含むStrepto-coccusに対するCTRXの抗菌活性は高く, 1994-1996年分離株および2004年株に対するCTRXの抗菌活性に大きな差は認められなかった。β-lactamase-negative, ampicillin-resistant (BLNAR) 株を含むHaemophilus influenzaeに対しCTRXは0.5μg/mL以下ですべての菌株の発育を阻止し, 強い抗菌力を示したことから小児呼吸器感染症の起炎菌として急増しているBLNAR感染症に有用と考えられた。Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeに対しCTRXは良好な抗菌力を示したが, 測定したE.coli50株中1株に高度耐性株が存在した。Nasseria gonorrhoeaeに対する抗菌活性はCTRXは測定薬剤中もっとも高く0.12μg/mL以下ですべての検討菌株の発育を阻止した。
    以上の結果から, CTRXは各種感染症患者より分離された新鮮臨床分離株全般に対して優れた抗菌力を示し, 各種感染症の治療抗菌薬として有用と考えられた。
  • 岐阜耐性菌フォーラムワーキンググループ
    三鴨 廣繁, 田中 香お里, 渡邉 邦友, 澤村 治樹, 石郷 潮美, 浅野 裕子, 末松 寛之, 松原 茂規, 松川 洋子, 佐伯 浩和, ...
    2005 年 58 巻 3 号 p. 290-302
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2003年5月から8月の4か月間に, 岐阜県内の医療機関から分離されたインフルエンザ菌330株の薬剤耐性状況について検討した。インフルエンザ菌は, PCR法によりP6蛋白遺伝子の検出とXV因子要求性の両者を満たした株とし, ampicillin (ABPC) 耐性遺伝子の検索はPCRにより実施した。菌株の輸送・保存中に死滅した17株を除き, 検討した313株は, 遺伝子解析に基づくPCRの結果から, 解析された耐性遺伝子のいずれをも有しない株: 感性菌 (BLNAS) 85株, TEM-1型β-lactamase産生菌 (BLPAR) 6株, β-lactamaseを産生せず, ftsi上に, Lys-526変異のみを有する軽度耐性菌 (Low-BLNAR) 77株, β-lactamseを産生せず, Lys-526変異とSSN周囲に3個のアミノ酸変異を有する耐性菌 (BLNAR) 138株, β-lactamase産生で声si上にもLys-526変異を有する菌 (BLPACR-1: β-lactamase-producing and amoxicillin/clavulanic acid resistance) 3株, β-lactamase産生でBLNARのfitsI遺伝子変異を有する耐性菌 (BLPACR-II) 4株に分類された。経口セフェム系薬の抗菌力は, それぞれの抗菌薬で大きく異なっていたが, MIC50およびMIC90は, cefditorenでは, それぞれ0.06μg/mLと0.25μg/mLでもっとも優れ, cefteramでは, 0.125μg/mLと1μg/mL, cefcapeneでは, 0.5μg/mLと4μg/mLであった。また, 松原耳鼻いんこう科医院において分離されたインフルエンザ菌30株の血清型は, type bが66.7%を占めていた。岐阜県内でもインフルエンザ菌の薬剤耐性化状況には, 肺炎球菌と同様に, 地域間で微妙に違いがあるため, 今後も定期的なサーベイランス結果に基づいた地域のアンチバイオグラムを作成していくことは, より適確な化学療法を行ううえで, 極めて有用であると考えられた。また, 分離されたインフルエンザ菌の血清型タイプbの割合が高かったことから, 臨床現場における早期のワクチンの導入も望まれる。
  • 佐藤 有紀, 阿部 友美, 古賀 哲文, 伊東 和慶, 栃川 裕子
    2005 年 58 巻 3 号 p. 303-316
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmetazole(CMZ, 販売名セブメタゾン (R))の市販後調査として, 全国各地の医療機関15施設で分離された臨床分離株に対するCMZを含む注射用β-ラクタム系薬のMICを経年的に調査し, 各種臨床分離株の感受性推移とCMZに対する耐性率の推移について検討した。被験菌株は, 1年次として2000年6月から2001年3月に分離された13菌種574株を, 2年次として2001年4月から2002年3月に分離された同菌種548株を, 3年次として2002年4月から2003年3月までに分離された同菌種654株を用いた。
    本調査の3年間において, CMZの抗菌力の低下は認められず, また, 今回の結果は承認時までの調査成績と比較してほぼ同等であり, 良好な抗菌力を維持していると思われる。本調査の3年間の年次推移を見てみると, 検討菌種に対するMIC90はほとんど変動していなかった。各菌種の耐性率 (CMZのMIC≥32μg/mL) は, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA, 0.0%→0.0%→0.0%), methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA, 72.9%→87.2%→88.7%), Staphylococcus epidermidis (18.5%→31.6%→14.3%), coagulase-negative Staphylococcus spp.(CNS, 13.3%→18.2%→21.4%), Escherichia coli (3.6%→0.8%→2.1%), Klebsiella pneumoniae (3.4%→3.8%→2.1%), Klebsiella oxytoca (0.0%→0.0%→40.0%), Proteus mirabilis (2.3%→2.1%→0.0%), Proteus vulgaris (13.6%→6.7%→0.0%), Morganella morganii (7.3%→40.0%→414.0%), Providencia spp.(12.5%→0.0%→18.2%), Peptostreptococcus spp.(0.0%→0.0%→0.0%), Bacteroides fragilis (10.3%→10.8%→17.1%), Bacteroides spp.(78.6%→87.5%→62.5%) であった。MRSA, CNS, B. fragilisで, 耐性率の増加傾向が見られ, 今後の動向に注意が必要である。対照薬との比較では, CMZはMSSAに対しては, CEZ, CTM, FMOXより弱く, SBT/CPZより良好であった。MRSA, S. epidermidis, CNSに対しては, どの検討薬剤の抗菌力も弱かった。グラム陰性菌に対して, CMZは概してCEZ, CTMより優れ, FMOXより弱かった。B. fragilis, Bacteroides spp.に対して, CMZは概してCEZ, CTMより優れ, SBT/CPZ, FMOXと同等か若干弱かった。
  • 村谷 哲郎, 松本 哲朗, 新井 進
    2005 年 58 巻 3 号 p. 317-325
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2002年4月から12月までの間に尿または生殖器分泌物から分離されたNeisseria gonorrhoeae212株に対するtelithromycin (TEL) の抗菌活性をマクロライド系抗菌薬erythromycin (EM), clarithromycin (CAM), ペニシリン系抗菌薬penicil1in G (PCG), セフェム系抗菌薬cefbdizime (CDZM), cefixime (CFIX), ニユーキノロン系抗菌薬levofloxacin (LVFX), テトラサイクリン系抗菌薬minocycline (MINO) およびアミノサイクリトール系抗菌薬spectinomycin (SPCM) と比較検討した。TELのMICは, ≤0.039-0.25μg/mLに分布し, MIC50およびMIC90は, 0.125および0.25μg/mLであり, 測定経口抗菌薬の中では, 最も低い値を示した。TELのMIC50およびMIC90は, EMおよびCAMのそれらより, 8倍優れており, MINOより4および2倍, LVFXより16および64倍優れていた。CFIXとの比較では, MIC50は同じであったが, MIC90は2倍優れていた。注射薬では, PCG感受性株はわずか1.4%であったが, CDZM耐性株は存在せず, SPCMも1株を除いて, そのbreakpoint MICである32μg/mL以下で発育を阻止した。
    TELは, 淋菌に対して0.25μg/mLで全ての株の発育を阻止するという強い抗菌力を有しており, 臨床的なbreakpoint MICは設定されていないが, 有効性が期待される薬剤である。投与法および投与量を考慮すれば, 淋菌に有効な経口抗菌薬となる可能性がある。
  • 後藤 元, 武田 英紀, 河合 伸, 島田 馨, 中野 邦夫, 横内 弘, 池本 秀雄, 猪狩 淳, 小栗 豊子, 森 健, 山本 真, 井 ...
    2005 年 58 巻 3 号 p. 326-358
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2003年10月-2004年9月の間に全国12施設において, 下気道感染症患者399例から採取された検体を対象とし, 分離菌の各種抗菌薬に対する感受性および患者背景などを検討した。これらの検体 (主として喀痰) から分離され, 原因菌と推定された細菌474株のうち469株について薬剤感受性を測定した。分離菌の内訳はStaphylococcus aureus76株, Streptococcus pneumoniae81株, Haemophilus influenzae84株,Pseudomonas aeruginosa (nonmucoid株) 56株, P.aeruginosa(mucoid株) 11株, Klebsiella pneumoniae36株, Moraxellasubgenus Branhamella catarrhalis24株などであった。
    S.aureus76株のうち, Oxacillin (MPIPC) のMICが2μg/ml以下の株 (Methicillin-susceptibleS.aureus: MSSA) およびOxacillinのMICが4μg/mL以上の株 (Methicillin-resistantS.aureus: MRSA) は, いずれも38株 (50.0%) であった。MSSAに対しては, Imipenem (IPM) の抗菌力が最も強く, 0.063μg/mLで全菌株の発育を阻止した。MRSAに対しては, Vancomycinの抗菌力が最も強く, 2μg/mLで全菌株の発育を阻止した。Arbekacinの抗菌力も良好で, 4μg/mLで全菌株の発育を阻止した。S.pneumoniaeに対する抗菌力はカルバペネム系抗菌薬が最も強く, 0.125-0.5μg/mLで全菌株の発育を阻止した。Cefozopran (CZOP) の抗菌力も良好で, そのMIC90は2μg/mLであり, 4μg/mLでは全菌株の発育を阻止した。これに対して, Cefaclor(CCL), Erythromycin (EM), Clindamycin (CLDM) では, 高度耐性株 (MIC:≥128μg/mL) が, それぞれ9株 (11.1%), 35株 (43.2%), 33株(40.7%) 検出された。H.influenzaeに対する抗菌力はLevofloxacin (LVFX) が最も強く, 0.063μg/mLで83株 (98.8%) の発育を阻止した。ムコイド産生および非ムコイド産生P.aeruginosaに対しては, Tobramycin (TOB) が最も強い抗菌力を示し, そのMIC90は2μg/mLであった。CZOPの抗菌力も比較的良好で, そのMIC90は, ムコイド型に対して4μg/mL, 非ムコイド型に対して8μg/mLであった。K.pneumoniaeに対する抗菌力は, CZOPが最も強く, 0.125μg/mLで全菌株の発育を阻止した。M (B.) catarrhalisに対しては, いずれの薬剤も比較的強い抗菌力を示し, MIC90は4μg/mL以下であった。
    呼吸器感染症患者の年齢は, 70歳以上が全体の54.1%と半数以上を占めた。疾患別では細菌性肺炎と慢性気管支炎の頻度が高く, それぞれ46.1, 30.6%であった。細菌性肺炎患者から多く分離された菌はS.aureusおよびH.influenzae (18.6%および18.1%) であり, 一方, 慢性気管支炎患者からはS.aureus (16.9%) およびS.pneumoniaeが比較的多く分離 (14.9%) された。抗菌薬投与前に呼吸器感染症患者から多く分離された菌は, S.pneumoniaeおよびH.influenzaeで, その分離頻度はそれぞれ20.6%および21.5%であった。前投与抗菌薬別に分離菌種を比較したところ, 前投与抗菌薬がセフェム系あるいはマクロライド系抗菌薬であった症例では,P.aeruginosaが比較的多く分離され, キノロン系抗菌薬ではS.aureusが比較的多く分離された。
  • モンテカルロシミュレーション法による検討
    三鴨 廣繁, 戸塚 恭一
    2005 年 58 巻 3 号 p. 359-367
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    モンテカルロシミュレーション法を用いて, 大腸菌および緑膿菌が想定される感染症に対する最適なカルバペネム薬およびその投与方法について検討した。
    そして%T>MICを最大化するために, 投与方法および抗菌活性の差異がどのように影響するかについて検討した。
    その結果, 大腸菌および緑膿菌に対して, %T>MICを最大化するためには, 1回投与量を増量および1日投与回数を増加すること, そしてより抗菌活性に優れるカルバペネム薬を選択することが重要であると考えられた。
  • 2005 年 58 巻 3 号 p. 368-372
    発行日: 2005/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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