The Japanese Journal of Antibiotics
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37 巻, 12 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
  • RYOCHI FUJII
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2261-2270
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Nineteen eighty-three (1983) demographic data in Japan show that the infant mortality rate was 6.2per 1, 000 births, reaching the lowest level in the world. On the other hand, the mean life at birth wasexpected to be 74.20 years in males and 79.78 years in females, reaching the highest level in the world. A rapid improvement was made as compared with 1947 data, i.e., the infant mortality rate as high as 76.7per 1, 000 births and the mean life expected at birth as short as 50.06 years in males and 53.96 years infemales1).
    Many factors have contributed to this improvement. One of them is the increase of GNP and resultantimprovement of living environments and public hygiene. A more important thing is the commercialavailability of antibiotics and resultant sharp decrease of mortality from infections.
    Many antibiotics have been developed in Japan. In addition, many other antibiotics developed inother countries have been comparatively freely imported to Japan. A wide variety of antibiotics havethus been clinically used. Japan differs greatly in this respect from other countries developing antibiotics.
    Penicillin studies in Japan were started in 1944. However, penicillins remained within experimentaluse. Only a small quantity of penicillins released by the Allied Occupation Forces was clinically usedafter the termination of World War II. However, penicillins did not become commercially available inJapan until 1946 in which penicillin production was started on the foundation established by R & Defforts made during the war and by kind cooperation of the U.S. forces.
    The reason why the history of antibiotic production and consumption in Japan has differed fromthat in other countries was clarified by the author at the 5th International Congress of Chemotherapy in19672).
    This paper is intended to briefly explain changes in the consumption of major antibiotics in Japanduring the age of antibiotics, and at the same time, to report these things in English because little is knownabout them to oversea countries. With this in mind, you are kindly asked to allow me to frequentlyquote my previous reports.
  • 藤田 晃三, 坂田 宏, 室野 晃一, 吉岡 一, 丸山 静男, 早苗 信隆
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2271-2282
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxono(Ro 13-9904, CTRX)はスイス, ロシュ社で開発された新しいCephalosporin系抗生物質であり, 腸球菌, リステリア, ブドウ球菌, 緑膿菌, アシネトバクター, バクテロイデスなどの菌を除く, グラム陽性及び陰性菌に優れた抗菌力を示し1), 小児における血清中半減期が約6.5時間と非常に長い点2)が特徴である。
    私たちは小児細菌感染症患者に本剤を投与する機会を得, その臨床投与成績と共に, 薬物動態についても検討を加えたので報告する。
  • 南谷 幹夫, 八森 啓, 金田 一孝
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2283-2297
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)はスイスのF. Hoffmam-La Roche社で開発されたCephalosporin系の注射用新抗生物質で, Fig.1に示す化学構造式, 分子式, 分子量を有する。本剤の特徴は3位側鎖に新規のトリアジン環を持つことで, 抗菌スペクトラムは広領域であり, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとより, Proteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeなどに対して強い抗菌力を認めており, 更にin vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れているとされる1~8)。本剤の臨床薬理学的特徴として静注あるいは点滴静注により高い血中濃度が得られるばかりでなく, その生物学的半減期は成人において7~8時間とされ, 従来のCephalosporin系抗生物質のなかでは最も長い点が注目される9~11)。そして体内ではほとんど代謝を受けることなく,注射後48時間までに約60%が尿中に排泄される。
    欧米諸国では, 本剤の基礎的及び臨床的検討が進められ, すでに多くの臨床成績が集積されており, スイスでは1982年春から一般に使用されている。わが国でも細菌学的検討, 臨床薬理学的試験, 毒性試験, 一般薬理試験などの基礎的検討の後, 臨床試験が行われ, 1981年9月から1年間にわたり全国規模のもとに成人領域における臨床研究が続けられた。
    本剤は1,177例に使用され, 評価に耐える全臨床領域1,067例での有効率は78%であり, 副作用解析対象1,154例における副作用発現率は3.7%であつたと発表12)されている。
    私達は小児科領域における中等症以上の急性感染症に対し本剤を使用する機会を得たので, その成績を報告する。
  • 佐藤 卓, 牟禮 一秀, 清水 哲也
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2298-2303
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)はスイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたセファロスポリン系の注射用抗生物質であり, その化学構造式はFig.1に示すとおり, 3位側鎖に新規のトリアジン環を有する。
    本剤は抗菌スペクトラムが広域であり, Escherichia coli, Kiebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示す。又, in vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れていると言われている。
    本剤の臨床薬理学的特徴はOne shot静注や点滴静注により高い血中濃度が得られ, その半減期は7~8時間であり, 従来のセフェム系の抗生物質の中では血中濃度半減期が最も長いと言われている。
    今回, 著者らは本剤について, 産婦人科領域での検討を行い若干の知見を得たので報告する。
  • 張 南薫, 渡辺 博子, 吉田 清, 森山 修一, 武田 仁, 塚本 彰通, 福永 完吾, 國井 勝昭, 小森山 義弘
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2304-2319
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxono (Ro 13-9904, CTRX) はスイス, エフ・ホブマン・ラ・ロシュ社で開発されたCephalosporin系の注射用抗生物質である。
    本剤は広域の抗菌スペクトラムを有し,Ebcherichia coli,Klebsiella pneumoniaeをはじめとし, Proteusmirabilis,Serratia marcescens, Haemophitus influenzae等や嫌気性菌に対しても強い抗菌力を示す。又, その抗菌作用はin vivoにおける効果が優れているとされている1)。
    本剤の臨床薬理学的特徴は静脈内投与によつて高い血中濃度が得られ, その半減期が7~8時間と著しく長いことで, 従来のCephalosporin系抗生物質の中では血中持続が最も長い。
    体内で代謝されず, 未変化のまま尿中に48時間までに約60%が排泄される1, 3)。
    本剤は欧米諸国で広く検討が行われ, 多くの成績が集積されている1)。本邦においては1981年9月から全国的規模の研究会が組織されて共同研究が行われ, その成果が1982年11月第29回日本化学療法学会東日本支部総会新薬シンポジウムにおいて報告された2)。
    われわれもこの研究会に参加して, 産婦人科領域で基礎的, 臨床的研究を行い, その成績を報告した5)。
    本報告は, その後産婦人科領域で行つた基礎的, 臨床的検討成績で, ここに結果を得たので, 以下に報告する。
  • 松井 幸雄, 野田 正和, 小原 達也
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2320-2327
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxono (Ro 13-9904, CTRX) はスイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたCephalosporin系抗生物質で, 7位側鎖にメトキシイミノ基を, 3位側鎖にトリアジン環を有する (Fig.1)。
    本剤はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し広い抗菌スベクトラムを有し, 特にEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Serratiamarcescens及びHaemophilus influenzae等のグラム陰性桿菌に強い抗菌力を示す1)。
    今回われわれはCTRXを用いて産婦人科領域における組織移行性 (子宮各部, 卵巣, 卵管) 及び骨盤死腔液中への移行について検討を行う機会を得たので報告する。
  • 坂倉 啓一, 林 茂
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2328-2337
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    スイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたCeftriaxone (Ro 13-9904, 以下CTRXと略す) は, Cephalosporin系抗生物質のいわゆる第3世代に属し, 図1のように3位の側鎖に新規のトリアジン環を有する。
    本剤は従来のCephalosporin系の持つ強い抗菌力と, β-Lactamaseに対する安定性に加えて, 血中濃度の半減期が長いと言う臨床的に大きな利点を有する。本剤は欧米ですでに, 基礎的, 臨床的検討が多数行われ, 本邦でも昭和57年11月の第29回日本化学療法学会東日本支部総会の新薬シンポジウムで, その有効往は高く評価されている。
    今回, CTRXの婦人科領域における基礎的及び臨床的検討を行う機会を得たのでここに報告する。
  • 桑原 正樹, 松井 一成
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2338-2342
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) は, スイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発された新しいCephem系抗生剤である。その分子量は661.59であり, 構造式は図1に示す。本剤は帯微黄白色の粉末で水溶性であり, CTRX 1mgは遊離酸として0.838mg (力価) に相当する。
    その抗菌スペクトラムは, 他のいわゆる第3世代Cephem系抗生物質と同様に広く, 特にグラム陰性菌に対して優れた抗菌力を示すと言われる。
    今回我々は,CTRXについて産婦人科領域における組織移行性の基礎的な検討と, 本剤の臨床評価を試みたので報告する。
  • 伊藤 邦彦, 近藤 英明, 早崎 源基, 野田 克已
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2343-2348
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) は, スイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたCephalosporin系の注射用抗生物質であり, その化学構造式はFig. 1に示すとおり, 3位側鎖に新規のトリアジン環を有する。
    本剤は抗菌スペクトラムが広域であり, Escherichia coli, Ktebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示す。又, in vitroにおける効果より, in vitroにおける効果が優れている1)。
    われわれはすでに各種のβ-Lactam系抗生物質の婦人性器組織内移行について検討を行つてきた2~11)。そして, それらの成績が産婦人科領域の各種感染症における薬剤投与量を決定するのに重要な指標の1つであると考えられる。
    今回われわれは, CTRXについて検討する機会を得たので, 骨盤死腔浸出液への移行性を検討し, その成績を報告する。
  • 二宮 敬宇, 吉本 淑子, 長谷川 幸生
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2349-2354
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) はエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたCephalosporin系の注射剤である。本剤の抗菌スペクトラム及び抗菌力はCefotaxime (CTX) に近似しているが, 薬動力学的にはCTXの血清中の半減期が1時間に満たないのに対して, CTRXのそれは7~8時間である。
    本剤の基礎的, 臨床的検討が欧米でも進められ1~8), 我が国でも第29回日本化学療法学会東日本支部総会 (昭和57年11月, 仙台) の新薬シンポジウムにとり上げられ, その臨床的有用性と安全性が認められた9)。産婦人科領域において, 高瀬善次郎博士 (川崎医科大学) を代表とする研究会が組織され, CTRXの本領域感染症に対する有用性が検討されてきた。著者らはCTRXの抗菌力, 性器組織移行, 臨床効果について検討したので報告する。
  • 山元 貴雄, 保田 仁介, 金尾 昌明, 岡田 弘二
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2355-2363
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (CTRX, Ro 13-9904) はスイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発された新しい半合成セファロスポリン系抗生物質である。
    本剤はFig. 1に示すように7位側鎖にメトキシイミノ基及びアミノチアゾール基を, 3位側鎖にはトリアジン基を有する。
    本剤の抗菌スペクトラムは広範囲であり, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとより, Proteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzae に強い抗菌力を示し, Pseudomonas aeruginosaに対しても抗菌力を備えている1)。
    又, 本剤は静注, 点滴静注により高い血中濃度が得られ, その血中半減期は7~8時間であり, 既存のセファロスポリン系の抗生物質の中では最も長い1)。
    今回, われわれは産婦人科領域における基礎的検討並びに臨床的有効性, 安全性の検討を行う機会を得たので報告する。
  • 堀井 高久, 池田 正典, 奥村 嘉英, 手島 研作, 野田 起一郎
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2364-2370
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) はスイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたいわゆるセフニム系第3世代の抗生物質で, その構造式は図1に示すとおりである。3位側鎖に新たにトリアジン環を有する。本剤はEscherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabils, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示し, 広い抗菌スペクトラムを持つ。薬理学的には, 高い血中濃度と7~8時間と言う長い半減期を特徴とする。体内ではほとんど代謝を受けず, 未変化体のまま尿中に48時間までに約60%が排泄される。
    今回, われわれはCTRXの女性性器組織内濃度, 骨盤死腔液中濃度及び静脈血中濃度を測定し基礎的検討を行うと共に, 産婦人科領域感染症患者7例に本剤を投与し, 臨床的検討を行つたのでその結果を報告する。
  • 辻 祥雅, 伊藤 公彦, 森山 郁子, 一條 元彦
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2371-2376
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) は広域抗菌スペクトラムを有するCephalosporin系の注射用抗生物質であり, 今回我々は本剤の産婦人科領域での組織移行, 及び臨床効果を検討し, いささかの知見を得たので報告する。
  • 土光 文夫
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2377-2383
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)は日本ロシュ(株)が開発中の新しい注射用Cephalosporin系抗生物質で, その構造式はFig.1に示すとおりである。
    本剤は抗菌スペクトラムが広域であり, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示し, in vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れている。又, 静注, 点滴静注により高い血中濃度が得られ, その半減期は7~8時間であり従来のCephalosporin系の薬剤の中では血中濃度半減期が最も長いと言う特長があると言われている1)。
    今回われわれは, 基礎的検討として子宮頸癌広汎全摘術を施行した症例に対して手術直後に本剤を投与し, その骨盤死腔浸出液中への移行濃度を測定し血清中濃度と対比検討した。又, 臨床的検討として産婦人科領域における種々の感染症のうち, 子宮内感染, 子宮付属器炎, 骨盤内感染, 外性器感染などに対する本剤の有効性と安全性を検討したので, それらの成績について報告する。
  • 平林 光司, 岡田 悦子
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2384-2390
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)はスイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で新しく開発されたCephalosporin系の注射用抗生物質であり, その構造式は図1に示すとおり, 3位側鎖に新規のトリアジン環を有する。
    本剤は抗菌スペクトラムが広域であり, 産婦人科領域感染症で検出頻度の高いEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, proteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeなどに強い抗菌力を有し, 又, in vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れているとされている。
    本剤は静注, 点滴静注により高い血中濃度が得られ, 大部分が未変化体のまま尿中に排泄される1)。
    今回, 我々は婦人性器各組織内へのCTRXの移行を検討すると共に, 産婦人科領域における中等度感染症13例に本剤を投与し, その臨床的効果を検討したので, ここにその結果を報告する
  • 本郷 基弘, 清水 礼子, 栄 勝美, 林 省治, 吉野内 光夫, 光井 行輝
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2391-2396
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用Cephalosporin系抗生剤であるCeftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)はFig.1に示すような構造式を持ち, 各種細菌産生のβ-Lactamaseに安定で, 抗菌スペクトラムが広域であり, Esherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabilis, serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示す。又, in vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れている。又, 静注, 点滴静注により高い血中濃度が得られ, その半減期は7~8時間であり, 従来のCephalosporin系の抗生剤の中では血中濃度半減期が最も長いと言う特長がある1)。
    産婦人科領域での感染症に抗生剤を使用する場合, その選択の指標として, in vitro抗菌力と共に, 抗生剤の体内動態, 特に性器組織内への移行性を知ることも極めて有用である。
    今回, 著者らは, 本剤の子宮及び付属器への移行性について検討したので, その成績について報告する。
  • 服巻 由起子, 中山 郁男, 松尾 直裕, 内田 克彦, 白川 光一
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2397-2405
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) は最近開発されたCephalosporin系の抗生物質であり1), その構造式は, Fig.1に示すとおりである。
    本剤は, 従来の第3世代のCephalosporin系抗生物質と同様に, 広範囲の抗菌スペクトラムを有する。その抗菌力は, グラム陽性菌に対してはやや弱いが, グラム陰性菌及び嫌気性菌に対しては, 優れた活性を示す。すなわち, Stapkococcus aureus, Staphylococcus epidermidisに対する抗菌力は弱い反面, Proteus morganii, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Pseudomonas aeruginosa, Haemophilus influenzae, Escherichia coli, Bacteroides fragilisなどに対しては, 従来のCephalosporin系抗生物質と同等以上の抗菌力を有する2, 3)。又, 各種グラム陰性菌の産生するβ-Lactamaseに対しても安定であり4), しかも, 他剤耐性のE.coliに対しても強い抗菌力を示す。
    今回われわれは, 本剤の血中及び内性器の組織内濃度測定, 並びに婦人科領域における感染症の治験を行う機会を得たので, 若干の検討を加えて報告する。
  • 久保田 健二
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2406-2415
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftrfaxone (Ro 13-9904, CTRX) はCephalosporin系の注射用抗生物質であり, その化学構造式は図1に示すように, 3位側鎖に新規のトリアジン環を持ち, 他のいわゆる第3世代のCephalosporin系抗生物質と同様に広い抗菌スペクトラムを有して, グラム陽性菌に対してはCefazolin (CEZ) にやや劣るが, グラム陰性桿菌に対してはCEZよりはるかに優れており1~8), 嫌気性菌に対しても抗菌力が認められ4), 産婦人科傾域の感染症に対して優れた臨床効果を期待されるものである。
    今回, 我々は産婦人科偵域の各種感染症を対象に起炎菌の分離, 感受性の測定並びに臨床的検討を試みると共に, 組織内濃度及び体液中濃度の測定を行つたのでその成績について述べる。
  • 福田 宰, 宮村 伸一, 井上 悟, 前山 昌男
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2416-2419
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxono (Ro 13-9904, CTRX) は, スイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で開発されたCephalosporin系の注射用抗生物質であり, その構造式はFig.1に示すとおり, 3位側鎖に新規のトリアジン環を有する。
    本剤は, 抗菌スペクトラムが広域であり, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示す。又, in vitroにおける効果よりin vitroにおける効果が優れていると言われる1)。すでに, 本剤の基礎的検討及び臨床各科領域での成績は, 全国80の研究機関で報告され, 本剤の有用性が期待されているが1), 今回我々は本剤の婦人性器組織内移行について検討を行つたので報告する。
  • 宮川 勇生, 谷山 圭一, 永井 公洋, 安田 博, 森 憲正
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2420-2426
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    この数年間に数多くの優れた抗生物質が開発された。殊にCephalosporin系のそれは抗菌力の強い, 安全性の高い薬剤として, 産婦人科領域の感染症や感染予防に広く使用されている。
    今度Esccherichia coli, Haemophilus influenzae, Proteus mirabilisなどのグラム陰性菌をはじめ広く各種の細菌に強い抗菌力を持ち, 従来の抗生物質より高い血中濃度が長時間得られるCophalosporin系の抗生物質Ceftriaxone (Ro13-9904, CTRX; F. Homnann-La Rocho & co., Ltd., Base1, switzorland) の血中濃度及び女性骨盤内臓器への移行について検討したので報告する。
  • Sulbactam/Cofoporazone小児科領域研究会
    藤井 良知, 目黒 英典, 有益 修, 益子 仁, 田島 剛, 野中 千鶴, 永松 一明, 佐藤 佳子, 本庄 高司, 渡辺 章, 青山 隆 ...
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2427-2456
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sulbactam (以下SBTと略) はPfizer社Groton中央研究所で開発されたβ-Lactamase阻害剤で, それ自身はごく少数の菌種を除いて抗菌力は弱く, 単独では抗菌剤としての有用性は少ないが各種細菌が産生するペニシリナーゼ型β-Lactamasoを強く, セファロスポリナー層型β-Lactamaseを中等度に不可逆的に不活化するので各種注射用β-Lactam剤と配合すると, β-Lactamaseによる失活を防ぎ配合された抗生剤の抗茜力を増強することができると言われている1~4)。その構造式並びに理化学的性状をFig. 1に示した。
  • 豊永 義清, 黒須 義宇, 中村 弘典, 杉田 守正, 高橋 孝行, 堀 誠
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2457-2477
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefbperazone (CPZ) はいわゆる藤井1)の分類では第5群のCephalosPorins (CEPs) に該当するものであり, PiperacininのDioxopiperazinyl基をCephem骨格の7位のp-HydroxyphenylglycineのAmino基に導入し, 更にMethylthiotetrazol基を3位に導入し, β-Lactamaseに対する安定性が高く, Pseudomonas aeruginsaを含むGram陰性桿菌に対して, 優れた抗菌力を有している2)。しかし, CPZは他の第5群のCEPsに比較した場合, 大腸菌, Klebsiella, Serratia, Indole (+) Proteusなど一部の腸内細菌に対しては, 抗菌力が弱く, 耐性菌の比率が幾分高いのも事実である3)。
    これは, CPZはPenicininase (PCase) に対してはR因子支配によるPCase, 及びII型, IV型PCaseには安定ではあるが, I型PCase, Klebsiella pneumoniae GN 69の産生するPCaseにはやや不安定であることによるものとも考えられる。そこで米国Pfizer社では, この点にかんがみ, 自社において, β-Lactamase inbibitorであるSodium sulbactam (SBT) を開発した。SBTは, それ自身は極く少数の菌種を除いては抗菌力は弱く, 単独では抗菌剤としての有用性は少ないが, 各種の細菌が産生するPCase型β-Lactamaseを強く, Cephalosporinase型β-Lactamaseを中等度に不活化し, 本剤をβ-Lactam剤と配合することにより, β-Lactamaseによる失活を防ぎ, 配合された抗生剤の抗菌力を増強することができると言われている。
    米国Phzer社は以上のことから, in vitro及びin vivoでの検討を加え, CPZを配合の対象として選択し, 配合比を両剤1:1にした。この配合によりSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) は, CPZより更に広範囲の抗菌スベクトラムを持ち, 第3世代CEPsの中で最も広域となり, PCase型β-Lactamaseによる耐性菌にも有効であり, PC結合蛋白 (PBP) 3と1A, 1Bを同時に強く抑え, 強い殺菌作用を示す等の特長が得られた。
    今回, 我々はSBT/CPZを試用する機会を得たので, 本剤について, 抗菌力, 吸収, 排泄などの基礎的検討を行うと共に, 各種細菌感染症に使用したので, それらの成績について報告する。
  • 小幡 功, 劉 福勝, 今川 信行, 落合 和彦, 小池 清彦, 森本 紀, 蜂屋 祥一
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2478-2494
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今日の産婦人科領域の感染症の治療にはBroad spectrumな抗菌力を有し, 作用機構からも比較的安全性が認められているβ-Lactam系抗生物質が, 主として選択されている。しかし, β-Lactam荊も使用頻度, 使用量の増加に伴い他抗菌剤と同様に耐性菌の出現を惹起し, 治療上重要な問題の1つとなりつつある1)。そこで, β-Lactam剤の耐性機構がβ-Lactamaseによる加水分解や結合による不活性化によるため, これら耐性菌用薬剤としてβ-Lactamaseに安定なCephalosporin系, Cephem系抗生物質の開発を指向する一方で, 既存のβ-Lactam剤と同時に使用してβ-Lactamaseを不活性化するβ-Lactamase inhibitorの研究が行われている2)。
    Sulbactam (SBT) はPfizer社Groton研究所で開発され, 1977年W. E. BARTHらにより報告されたFused β-lactam環を有する新しいβ-Lactamase inbibitorである3)(Fig. 1)。本剤の抗菌力はNeisseria gonorrhoeae, Acinetobacter calcoaceticus以外は弱く, β-Lactamaseを不可逆的に阻害し, Clavulanic acidに比べて安定性が高い特性を有する4)。SBTに配合する各種β-Lactam系抗生物質について, in vitro及びin vivoで検討した結果, グラム陽性菌からPseudomonas属を含むグラム陰性菌まで広い抗菌域を有するCephem系抗生物質Cefoperazone (CPZ) との1: 1の配合が適当と考えられた5)(Fig. 2)。その結果SBT/CPZ配合による抗菌力はStaphylococcus aureus, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Proteus morganii, Bacteroides fragilisに対して顕著な併用効果が認められた6)。
    今回, 著者らは台糖ファイザー社からSBT/CPZの提供を受け, 婦人科感染症症例に投与し, その臨床有効性及び安全性について検討したので, その成績について報告する。
  • 清水 鈴昭, 平野 正美, 白川 茂, 南 信行, 大野 竜三, 村瀬 卓平, 山本 正彦, 御供 泰治, 山田 一正, 珠玖 洋
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2495-2505
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    白血病を中心とする造血器疾患に合併する感染症は, 顆粒球減少, 抗腫瘍剤やステロイド剤の投与により低下した生体防禦機能の上に発生し, 従つて重篤化して死亡の直接原因となることが多い1~4)。これらの感染症に対する対策は基礎疾患の治療成績の向上に極めて重要であるが, その点において近年各種殺菌性抗生物質の果した役割は大きい。今回われわれ東海造血器疾患感染症研究会では, 造血器疾患に合併した感染症に対して, 藤沢薬品中央研究所で開発された第3世代セフェム系抗生物質Ceftizoxime (CZX) を中心とした治療を試みたので, その結果を報告する。
  • 特に血液疾患に合併する感染症を中心に
    内田 立身, 松田 信, 木村 秀夫, 佐藤 正, 石橋 敏幸, 国分 啓二, 梅津 啓孝, 堀川 章仁, 斉藤 恒儀, 阪内 保弘, 中沢 ...
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2506-2518
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmenoxime (塩酸セフメノキシム, CMX, ベストコール®) は武田薬品中央研究所で開発された新しい抗生物質で, Cefotiam (CTM) にsyn-Methoxyimino基を付加することにより, 抗菌力, 抗菌スベクトラムが増強され, より高いβ-Lactamase安定性を持つものである1)。本剤の抗菌力はstreptococcus pneumoniaeのほかEscherichia coli, Citrbacter, Klebsiella, Enterobacter, Serratia, Proteus, 更に, Cephem系抗生物質の弱点であるHaemophilus influenzaeに対しても抗菌力が強められ, Bacteroides fragilisにも有効である2)。すなわちグラム陽性菌からグラム陰性桿菌に至るまで幅広い抗菌スペクトラムを有するので, 基礎疾患として造血器腫瘍など血液疾患を持つ疾病の感染症, いわゆるCompromised hostにおける感染症に対して有効であると思われる。今回, 私どもは血液疾患及び呼吸器疾患に伴う感染症を中心に, 本剤の有用性を検討したので, その臨床的効果をここに報告する。
  • 青河 寛次, 杉山 陽子
    1984 年 37 巻 12 号 p. 2519-2530
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    才川らにより開発されたCephamycin系新抗生物質Cefbuperazone (CBPZ) は幅広い抗菌スペクトラムを示し, 特にグラム陰性菌, 嫌気性菌に対しては他剤に比べ卓越した強い抗菌力を有している。又, β-Lactamaseに対して抵抗性が優れていると言うCephamycin系としての特長も有している1)。
    最近, 多数のCephem系抗生物質の体内動態が検討され, その薬動力学的解析結果が臨床における薬剤投与計画の良き指標となつてきている2~5)。
    今回, 著者らはCBPZの点滴静注時における血清中濃度, 婦人性器各組織内濃度, 腹水中濃度及び骨盤死腔液中濃度を経時的に測定し, これらの測定値を用いて薬動力学的解析を行い, 若干の知見を得たので報告する。
  • 1984 年 37 巻 12 号 p. 2531-2534
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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