The Japanese Journal of Antibiotics
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56 巻, 5 号
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  • 山口 恵三, 大野 章, 樫谷 総子, 岩田 守弘, 神田 誠, 辻尾 芳子, 渡邊 直樹, 川口 秀明, 下山 則彦, 貝森 光大, 方山 ...
    2003 年 56 巻 5 号 p. 341-364
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2000年に日本国内37施設から分離された臨床分離菌株8, 474株の抗菌薬感受性試験を, フルオロキノロン系抗菌薬を中心にして実施した。使用した抗菌薬はフルオロキノロン系4抗菌薬, β-ラクタム系13抗菌薬, minocycline, chlomamphenicol, clarithromycin, azithromycin, gentamicin, amikacin, sulfamethoxazole-trimethoprim, vancomycinの25薬剤である。
    Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) およびEnterococcus faeciumのフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は85%以上と高い値が示された。Methiciilin-resistant coagulase-negative staphylococci, Enterococcus faecalis, 尿路系感染症由来のPseudomonas aeruginosaでは, 耐性株は約30%から60%存在した。しかし, penicillin耐性株を含むStreptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenes, Methicillin-susceptible S. aureus (MSSA), Methicillin-susceptible coagulase-negative staphylococci, Moraxella catarrhalis, the family of Enterobacteriaceae, ampicillin耐性株を含むHaemophilus influenzaeにおいては, フルオロキノロン系抗菌薬耐性株はほとんど検出されなかった。また, 呼吸器感染症由来P. aeruginosaの約85%はフルオロキノロン系抗菌薬に対し感性であった。
    以上, 今回の薬剤感受性成績から, フルオロキノロン系抗菌薬はMRSA, enterococci, 尿路由来P. aeruginosaに対しては, はっきりとした耐性化傾向が示されたが, その他の菌種および呼吸器由来P. aeruginosaに対しては, これまでの調査に引き続き有効であることが示された。
  • 島田 馨, 猪狩 淳, 小栗 豊子, 池本 秀雄, 森 健, 中野 邦夫, 横内 弘, 寺井 継男, 山本 真, 井上 洋西, 中舘 俊英, ...
    2003 年 56 巻 5 号 p. 365-395
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2001年10月~2002年9月の問に全国16施設において, 下気道感染症患者370例から採取された検体を対象とし, 分離菌の各種抗菌薬に対する感受性および患者背景などを検討した。これらの検体 (主として喀痰) から分離され, 起炎菌と推定された細菌458株のうち456株について薬剤感受性を測定した。分離菌の内訳はStaphylococcus aureus 69株, Streptococcus pneumoniae 72株, Haemophilus influenzae 85株, 非ムコイド型Pseudomonas aeruginosa 44株, ムコイド型P. aeruginosa 13株, Klebsiella pneumoniae 32株, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis 32株などであった。
    S. aureus 69株のうちOxacillinのMICが4μg/mL以上の株 (Methicillin-resistant S. aureus: MRSA) は43.5% (30/69) を占めた。MRSAに対してVancomycinとArbekacinは最も強い抗菌力を示し, 2000年と同様に良好な抗菌力が認められた。S. pneumoniaeのなかで, ペニシリンに低感受性を示す株 (Penicillin-intermediate resistant S. pneumoniae: PISP+Penicillin resistant S. pneumoniae: PRSP) の分離頻度は59.7%で, PISPおよびPRSP共に1992年以降, 最も高い分離頻度であった。S. pneumoniaeに対する抗菌力はカルバペネム系薬剤が強く, 特にPanipenemは0.125μg/mLで, Imipenemは0.5μg/mLで全72株の発育を阻止した。H. influenzaeに対する抗菌力は全般的に強く, いずれの薬剤もMIC90は16μg/mL以下であった。H. influenzaeに対して最も強い抗菌力を示した薬剤はLevofloxacinで, 0.063μg/mLで85株中80株 (94.1%) の発育を阻止した。ムコイド型P. aeruginosaに対してはMeropenem (MIC90: 0.5μg/mL) が, 非ムコイド型P. aeruginosaに対してはTobramycin (MIC90: 2μg/mL) が最も強い抗菌力を示した。K. pneumoniaeに対しては, AmpicillinおよびMinocyclineを除く各薬剤のMIC90が4μg/mL以下であったが, なかでもCefmenoxime, Cefpirome, Imipenemの抗菌力が最も強く (MIC90: 0.125μg/mL), 次いでCefbzopranが強く, 0.25μg/mLで全32株の発育を阻止した。M.(B.) catarrhalisに対する抗菌力も全般的に強く, いずれの薬剤もMIC90は4μg/mL以下であった。最も強かった薬剤はMinocyclineおよびLevofloxacinであり, 0.063μg/mLで全32株の発育を阻止した。
    呼吸器感染症患者の年齢は, 70歳以上が全体の40.5%を占めた。疾患別では細菌性肺炎および慢性気管支炎の頻度が高く, それぞれ39.2, 37.3%であった。細菌性肺炎患者から多く分離された菌はS. aureus (19.3%) およびS. pneumoniae (19.9%) であった。一方, 慢性気管支炎患者からはH. influenzae (22.0%) が多く分離された。抗菌薬投与前の症例で, 呼吸器感染症患者から多く分離された菌は, S. pneumoniaeおよびH. influenzaeで, その分離頻度はそれぞれ20.8%および21.5%であった。S. pneumoniaeおよびH. influenzaeは, 抗菌薬投与開始後症例での頻度は低かったが, S. aureusは高かった。P. aeruginosaは抗菌薬投与前症例よりも投与開始後症例で分離頻度が高かった。検体採取時に既にセフェム系薬剤が投与されていた症例からは, S. aureusおよびP. aeruginosaが最も多く分離され, マクロライド系薬剤が投与されていた症例からはS. pneumoniaeが, キノロン系薬剤の投与症例からは, S. aureusが最も多く分離された。
  • その1. 感受性について
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 松川 雅則, 国島 康晴, 広瀬 崇興, 茂田 士郎, 山口 脩, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 高橋 和郎, 吉田 ...
    2003 年 56 巻 5 号 p. 396-423
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2001年9月から12月までの間に, 全国10施設において尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離され, 起炎菌と推定された496株におけるMICを測定した。その内訳はグラム陽性菌が29.6%, グラム陰性菌が70.4%であった。
    これらの菌に対する抗菌薬の効果をみると, Staphylococcus aureusに対してはVancomycin (VCM) の抗菌力が最も強く, VCMはMRSAに対しても, 強い抗菌力を示し1μg/mLで全菌株の発育を阻止した。またArbekacin (ABK) の抗菌力も強くMIC90は2μg/mLで, 4μg/mLでは全ての菌株の発育を阻止した。ABKはStaphylococcus epidermidisに対しても強力な抗菌力を示し, そのMIC90は0.5μg/mLであった。S. epidermidisに対してはAmpicillin (ABPC) およびCefbzopran (CZOP) も比較的良好な抗菌力 (MIC90: 8μg/mL) を示した。Enterococcus faecalisに対してはABPC, Imipenem (IPM), VCMの抗菌力が強く, これらの薬剤に対して低感受性株が増加するような傾向は認められなかった。Escherichia coliに対してはカルバペネム系薬剤の抗菌力が最も強く, Meropenem (MEPM) は0.25μg/mL, IPMは0.5μg/mLで, それぞれ全菌株の発育を阻止した。CZOPおよびCefbtiam (CTM) も強い抗菌力を示し, CZOPのMIC90は≤0.125μg/mL, CTMのMIC90は0.5μg/mLであった。キノロン耐性のE. coliは9.3%検出され, 前年の14%に比べ減少したが, 1999年までの検出率よりも高値であった。Citrobacter freundiiに対してはMEPMが最も強く, ≤0.125μg/mLで全菌株の発育を阻止した。Klebsiella pneumoniaeProteus mirabilおに対しては一部の薬剤を除き全般的に抗菌力は強く, MEPMは≤0.125μg/mLで全菌株の発育を阻止した。Serratia marcescensに対するMIC90はGentamicin (GM) が2μg/mLと最も低く, IPMが8μg/mL, ついでCarumonam (CRMN) が16μg/mLであった。Pseudomonas aeruginosaに対しては全般的に抗菌力は弱く, GMのMIC90が8μg/mL, IPMおよびAMKが16μg/mL, その他の薬剤のMIC90は全て32μg/mL以上であった。
  • その2. 患者背景
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 松川 雅則, 国島 康晴, 広瀬 崇興, 茂田 士郎, 山口 脩, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 高橋 和郎, 吉田 ...
    2003 年 56 巻 5 号 p. 424-436
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2001年9月から12月までの間に全国10施設において尿路感染症と診断された412症例から分離された531菌株を供試し, それらの患者背景について性別・年齢別と感染症, 感染症と菌種, 年齢別感染症別菌分離頻度, 抗菌薬投与時期別の菌と感染症, 感染防御能低下に影響を及ぼす因子・手術 (以下因子・手術) の有無別の菌と感染症などにつき検討した。
    年齢あるいは性と感染症の関連についてみると, 男性の症例は50歳未満が少なく, 感染症別ではカテーテル非留置複雑性尿路感染症が最も多かった。女性の症例では20歳未満が少なく, 感染症別では80歳未満の症例の大部分が単純性尿路感染症であった。感染症と菌種についてはEscherichia coliは感染症が複雑になるに従い減少し, Pseudomnas aeruginosaおよびEnterococcus faecalisは感染症が複雑になるに従い増加した。これらを年齢別にみると, 単純性尿路感染症では20歳以上の症例でEcoliの分離頻度が加齢に伴い緩やかに減少した。また, カテーテル非留置複雑性尿路感染症では, E. faecalisの分離頻度が, 加齢とともに増加した。カテーテル留置複雑性尿路感染症では, P. aeruginosaの分離頻度が年齢とともに減少した。いずれの感染症でもE. coliは抗菌薬投与後症例 (以下「投与後」) において分離頻度は少なく, P. aeruginosaおよびE. faecalisは投与後で多く分離された。因子・手術の有無別, 感染症別に分離菌をみると, E. coliは, 単純性尿路感染症およびカテーテル非留置複雑性尿路感染症において因子・手術の無で多く分離され, 君aeruginosaは単純性尿路感染症およびカテーテル留置複雑性尿路感染症において因子・手術の有で多く分離された。単純性尿路感染症では, Klebsiella spp., P. aeruginosa, E. faecalisなどは因子・手術の有で著明に多く分離された。カテテル非留置複雑性尿路感染症では, Klebsiella spp.が因子・手術の有で多く分離された。カテテル留置複雑性尿路感染症では, Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus spp.が因子.手術の無で多く分離された。
  • その1. グラム陽性菌
    猪狩 淳, 小栗 豊子, 平松 信祥, 秋山 計充, 小山 常雄
    2003 年 56 巻 5 号 p. 437-457
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の臨床分離株に対する市販後の抗菌力を調査し, その他のセフェム系, オキサセフェム系, カルバペネム系, およびペニシリン系抗菌薬の抗菌力と比較した。さらにbreakpoint MICから算出された耐性率を基に, 感受性の年次推移を検討した。対象とした臨床分離株は, 1996年から2001年の間に臨床材料から分離されたグラム陽性菌: メチシリン感受性staphylococcus aureus (MSSA), メチシリン耐性staphylococcus aureus (MRSA), メチシリン感受性staphylococcus epidermidis (MSSE), メチシリン耐性Staphylococcus epidermidis (MRSE), staphylococcus haemolyticus, staphylococcus saprophyticus, Enterococcus faecalis, Euterococcus faecium, Euterococcus avium, streptococcus pyogenes, streptococcus agalactiae, ペニシリン感受性streptococcus pneumouiae (PSSP), ペニシリン中等度耐性S. pneumoniae (PISP), ペニシリン耐性S. pneumoniae (PRSP), Streptococcus milleri group, およびPeptostreptococcus spp. の16菌種2,363株であった。MSSAおよびMSSEに対するCZOPの抗菌力は良好 (MIC90: 2, 0.5μg/mL) で, 他のセフェム系薬剤とほぼ同等であった。MRSEに対しても有効 (MIC90: 16μg/mL) であったが, MRSAに対する抗菌力は弱かった。S. haemolyticusに対するCZOPの抗菌力は, 他のセフェム系薬剤同様に強力なものではなかった。S. saprophyticusに対するCZOPの抗菌力は, 他のセフェム系薬剤に比較して同等, あるいはより強力であったが, 6年次のMIC90は, 1~5年次の値より大きかった (32vs 1~2μg/mL) 。E. faecalisに対するCZOPの抗菌力はcefpirome (CPR) と同等 (MIC90: 16μg/mL) で, 他のセフェム系薬剤よりも強力であった。E. faeciumおよびE. aviumに対するCZOPの抗菌力は, 他の薬剤と同様にほとんど認められなかった。Spyogenesに対するCZOPの抗菌力は, cefotiam (CTM) およびCPR, cefepime (CFPM) と同様で, 非常に強力 (MIC90: ≤0.063μg/mL) であった。S. agalaciaeに対するCZOPの抗菌力も良好 (MIC90: 0.125μg/mL) であった。PSSP, PISP, 並びにPRSPに対するCZOPの抗菌力も良好 (MIC90: 0.25, 1, 2μg/mL) であった。CZOPは, S. milleri groupに対しても良好な抗菌力を示したが, 6年次のMIC90は1~5年次の値より大きかった (4vs 0.5μg/mL) 。Peptostreptococcus spp.に対するCZOPの抗菌力は良好であったが, cefazolin (CEZ) およびcefmetazole (CMZ) よりも弱いものであった。CZOPのbreakpointMICに基づく各菌種の耐性率を算出した結果, MRSAが95.9%, PRSPが93.5%, PISPが63.3%, S. haemolyticusが35.8%, E. faecalisが27.9%, MRSEが13.3%の耐性率を示した。この耐性率の結果は, CFPMとほぼ同等であったが, CFPMに対してE. faecalisは91.2%の耐性率を示しており, E. faecalおに対してはCZOPの良好な抗菌力が維持されていることが明らかであった。PRSPに関しては, CZOPとCFPMの両breakpointMIC以上の菌株が全体の40.3%を占め, CZOPとceftazidime (CAZ) の両breakpointMIC以上の菌株が全体の69.2%を占めた。
    今回の6年間にわたる調査結果から, グラム陽性菌に対するCZOPの抗菌力は, 承認時までの調査成績とほぼ同等であった。しかし, CZOPに対するS. saprophyticus, S. milleri group, およびPeptostreptococcus spp. の感受性が低下している可能性が示唆された。
  • その2. グラム陰性菌
    猪狩 淳, 小栗 豊子, 平松 信祥, 秋山 計充, 小山 常雄
    2003 年 56 巻 5 号 p. 458-496
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の臨床分離株に対する市販後の抗菌力を調査し, その他のセフェム系, オ キサセフェム系, カルバペネム系, モノバクタム系, およびペニシリン系抗菌薬の抗菌力と比較した。さらにbreakpoint MICに 基づく耐性率から, 感受性の変化を検討した。対象とした臨床分離株は, 1996年から2001年の間に得られた臨床材料から分離されたグラム陰性菌: Moraxella (Branhamella) catarrhalis, Haemophilus influenzae, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Klebsiella oxytoca, Enterobacter cloacae, Enterobacter aerogenes, Serratia marcescens, Serratia liquefaciens, Citrobacter freundii, Citrobacter koseri, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Providencia spp., Pseudomonas aeruginosa, Pseudomonas fluorescens, Pseudomonas putida, Acinetobacter baumannii, Acinetobacter lwoffii, Burkholderia cepacia, Stenotrophomonas maltophilia, Bacteroidesfragilis group, 並びにPrevotella/Porphyromonasの25菌種4,154株であった。M.(B.) catarrhalisに対するCZOP のMIC90は4μg/mLであった。CZOPはH. influenzaeに対してカルバペネム系薬剤と同等の良好な抗菌力 (MIC90: 1μg/mL) を示した。E. coliに対する CZOPの抗菌力も良好 (MIC90: 0.125μg/mL) で, cefpirome (CPR), cefepime (CFPM), imipenem (IPM) と同等であった。CZOPはK. pnewnoniaeおよびK. oxytocaに対しても良好な抗菌力 (MIC90: 1および 0.25μg/mL) を示した。E. cloacaeに対するCZOPのMIC90は6年間で 32μg/mLから128μg/mLへと上昇した。E. aerogenesに対するCZOPの抗菌力は良好 (MIC90: 1μg/mL) であった。S. marcescensおよびS. liquefaciensに対するCZOPの抗菌力は比較的強く (MIC90: 0.5および0.25μg/mL), CPR, CFPM, 並びにcarumonam (CRMN) とほぼ同等であった。CZOPはC. freundiiおよびC. koseriに対してCPRとほぼ同等の良好な抗菌力 (MIC90: 8および0.125μg/mL) を示した。P. mirabilis, P. vulgaris, およびM. morganiiに対するCZOPのMIC90は, それぞれ0.25, および16, 2μg/mLであった。Providencia spp. に対するCZOPの抗菌力は弱く, そのMIC90は64μg/mLであった。CZOPはP.aeruginosaに対して最も強い抗菌力 (MIC90: 16μg/mL) を示し, CFPM, IPM, meropenem (MEPM) と同等であった。P. fluorescensおよびP. putidaに対するCZOPのMIC90は, 128μg/mLおよび128μg/mLであった。CZOP A. baumanniiに対してCAZ, CPR, CFPMと同等の抗菌力 (MIC90: 32μg/ mL) を示したが, A. lwoffiiに対する抗菌力は弱かった (MIC90: 64μg/mL) 。B. cepacia, S. maltophilia, B.fragilis groupに 対して, CZOPを含めたほとんどの薬剤の抗菌力は弱かった。Prevotella/Porphyromonasに対するCZOPのMIC90は64μg/mLであった。CZOPと他剤との交差耐性率は, ほとんどの菌種で15%以下と低かったが, ブドウ糖非発酵菌ではCFPM, CAZ, CPR, IPMとの交差耐性率が, それぞれ36.8%, 28.0%, 38.7%, 31.1%と高かった。
    今回の6年間にわたる調査結果から, E. cloacaeに対するCZOPの抗菌力は低下している可能性が示唆されたが, その他のグラム陰性菌に対するCZOPの抗菌力は, 承認時までの調査成績と大きく異なるものではなかった。
  • 2003 年 56 巻 5 号 p. 497-529
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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