The Japanese Journal of Antibiotics
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44 巻, 4 号
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  • 藤森 一平
    1991 年 44 巻 4 号 p. 365-387
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 山本 正彦, 伊奈 康孝, 高田 勝利, 野田 正治, 森下 宗彦, 千田 嘉博, 鳥井 義夫, 柿原 秀敏, 吉川 公章, 杉浦 孝彦, ...
    1991 年 44 巻 4 号 p. 388-397
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を肺癌に合併する呼吸器感染症54例に投与した。有効性評価は53例で行った。感染症の内訳は肺炎42例, 閉塞性肺炎9例, 肺化膿症1例, 気管支炎1例で, 有効率は71.7%であつた。肺癌の組織型では扁平上皮癌22例, 腺癌19例, 小細胞癌8例, 大細胞癌2例, 肺胞上皮癌1例, 悪性中皮腫1例であった。肺癌の病期はIV期が31例と多かった。14症例から17株の起炎菌が分離され, staphylococcus aureus5株, Staphylococcusepidermidis 4株, staphylococcus sp.2株, Enterococcus faecalis 1株, Pseudomonas aeruginosa 2株, Pseudomonas fluorescens2株, Acinetobacter sp.1株であつた。菌の消失率は81.8%であった。副作用は1例に悪心・嘔吐が認められ, 臨床検査値異常は3例に認あられたがいずれも軽度で一過性のものであつた。肺癌に合併する呼吸器感染症に対しIPM/CSは, 高い有用性を認めた。
  • 秋田 博伸, 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 砂川 慶介
    1991 年 44 巻 4 号 p. 398-411
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ヘキスト, ルセル社で新たに開発されたCefodizime (CDZM, THR-221) の小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1.Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Strepotococcus pneumoniaeのグラム陽性球菌はCefotaxime (CTX), Cefazolin, Cefotiam, Piperacillinと抗菌力はほぼ同様であり, Escherichiacoli, Klebsiellapneumoniae, Serratia marcescensはCTXと同等の抗菌力で他剤より優れていた。中でもHaemophilus influenzae, Branhamella catarrhalisに対する抗菌力は非常に優れていた。
    2.臨床的検討ではSalmonella敗血症1例とCervicallymphadenitis1例が無効であったが, 上気道炎5例, 気管支炎4例, 気管支肺炎6例, 肺炎18例, 尿路感染症5例, 胃腸炎1例はすべて有効で有効率は合計95.1% (39例/41例) で, その中で著効例が25例もあり非常に有用と思われる。
    3.細菌学的検討ではSalmone例を除いて検出された38例/39例が消失し, 消失率の合計は97.4%で良好な結果であった。その中でも小児科領域での主要起炎菌のS.pneumoniae10例, H.influenzae12例, B.catarrhalis3例, E. coli4例はすべて消失し消失率は良好であり, 本剤は有用と思われる。
    4.副作用は46例について検討し消化器症状9例 (下痢5例, 軟便4例), 発疹1例, 血管痛1例で発現率は23.9% (11例/46例) で高い結果であった。消化器症状の9例は, いずれも症状は軽く本剤を中止することはなかった。検査値異常はGOT値上昇1例/41例 (2.4%), GPT値上昇1例/41例 (2.4%), ビリルビン値の上昇1例/29例 (3.4%), 好酸球増多1例/45例 (2.2%) であった。又, 止血機構に及ぼす影響について検討したが, 本剤投与前後で影響は認めなかった。
    以上から, 本剤は1回投与量20mg/kgを1日3~4回静脈内又は点滴静注すれば, 小児科領域において有効で安全な薬剤であると考えられる。
  • 岩田 敏, 山田 健一朗, 金 慶彰, 横田 隆夫, 楠本 裕, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 南里 清一郎, 老川 忠雄, 砂川 慶介, 市 ...
    1991 年 44 巻 4 号 p. 412-425
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用セフェム系抗生物質であるCefodizime (CDZM) について, 4種感染マウス及び小児臨床例の腸内細菌叢に及ぼす影響を検討した。Escherichia coli, Enterococcus faecalis, Bacteroides fragilis, Bifidobacterium breveの4菌種を腸管内に定着させた4種感染マウスに, CDZM100mg/kgを1日1回, 連続5日間筋肉内投与した結果, 糞便中の生菌数はE. faecalisを除く3菌種において投与開始後著明な減少が認められた。小児臨床例における検討は感染症の小児5例 (男児4例, 女児1例, 年齢7カ月~9歳6カ月, 体重7.6~51.1kg) に対し, CDZM1回9.7~23.0mg/kgを1日4回, 5~15日間静脈内投与して行った。CDZM投与中の糞便内細菌叢の変動は症例により若干のばらつきが認められたが, ほとんどの症例においてEnterobacteriaceae, Enterococcus, Bacteroides, Bifidobacterium, Eubacteriumなどの主要な好気性菌及び嫌気性菌が著明に減少する傾向が認められた。ブドウ糖非醗酵性グラム陰性桿菌や真菌は, CDZM投与中もしくは投与終了後に増加する傾向が認められ, 一部の症例では投与中の最優勢菌種となつた。こうした変動はほとんどの症例においてCDZMの投与終了後に回復する傾向が認められたが, 長時間投薬を続けるような場合には, 下痢や菌交代, 出血傾向などに対する注意が必要と考えられる。腸内細菌叢の変動と密接な関係があると考えられる糞便中CDZM濃度は, いずれの症例においてもかなり高い値を示した。
  • 中澤 進, 佐藤 肇, 平間 裕一, 成田 章, 松本 喜美子, 中澤 進一, 鈴木 博之, 中西 好子, 長尾 和哉, 新納 賢司
    1991 年 44 巻 4 号 p. 426-439
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく合成された注射用セファロスポリン抗生物質Cefpirome (CPR) の小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績が得られた。
    1.1回20mg/kgを30分間ないし60分間点滴静注時の血漿中濃度は投与終了時でそれぞれ, 平均80.8, 63.7μg/ml, 半減期は平均1.42, 1.28時間であつた。1回40mg/kgを60分間点滴静注時には投与終了時128.8μg/mlで半減期1.79時間であつた。尿中回収率は平均66.7~77.1%であつた。
    2.小児感染症に対するCPRの臨床効果は1日量55.6~166.7mg/kgを3~4回に分け投与し, 46症例中有効以上が44例で有効率95.7%であつた。
    3.臨床分離菌22株に対するCPRの細菌学効果は95.5%の消失であつた。
    4.副作用は下痢が2例に観察された。臨床検査値異常は5例に7件 (血小板数増加4件, GOT上昇2件, GOT上昇1件) が認められた。
    以上の結果から, CPRは有用性の高い薬剤と男われた。
  • 久野 邦義, 小川 昭正, 竹内 秀俊, 冨田 和江, 鬼頭 修, 安藤 秀男, 滝本 洋一
    1991 年 44 巻 4 号 p. 440-446
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用Cephem系抗生物質Cefpirome (CPR, HR810) にっき基礎的, 臨床検討を行い, 下記の結果を得た。
    1.当科臨床分離株に対する CPR の MIC を測定し, Staphylococcus aureus, Streptococcuspneumoniae, Streptococcus pyogenes, streptococcus agalactiae, Escherichia coli, Klebsiellapneumoniae, Haemophilus in fluenzae, Haemophilus parainfluenzaeに対しCeftazidimeより優れたMICを示した。
    2.CPRを10, 20, 40mg/kg各2例ずつOne shot静注した時の平均血漿中濃度のピークは投与後15分で, それぞれ33.9, 62.9, 96.0μg/mlで, 半減期の平均は1.58, 1.69, 2.13時間であった。投与後8時間までの平均尿中累積排泄率は51.2, 78.0, 74.9%であった。
    3.10例の小児期細菌感染症 (肺炎5例, 尿路感染症5例) に本剤16~79mg/kg/日を2~3回に分けて投与し, 100%の有効率を得た。細菌学的効果も100%であった。
    4.副作用として1例に血管痛を, 検査値異常としては1例に好酸球増多, 1例に血小板増多, GOT, GPT上昇を認めたがいずれも軽度であった。
  • 伊藤 節子, 東 日出夫, 眞弓 光文, 三河 春樹
    1991 年 44 巻 4 号 p. 447-453
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく合成された注射用セフェム系抗生物質Cefpiromeを小児の細菌感染症11例に使用し, 臨床的検討を行つた。
    1. 対象は年齢が4ヵ月から11歳2ヵ月までの男児6例, 女児5例で, 投与量は55.5~91.7mg/kg/日を1日3回に分け, 3~8日間, 静脈内投与した。
    2. 臨床効果は著効8例, 有効2例, 無効1例で, 有効率は90.9%であつた。
    3. 細菌学的効果はStaphylococcus aureus 1株, Streptococcus pneumoniae 1株, Klebsiellapneumoniae 1株, Enterobacter cloacae 1株の計4株が起炎菌として同定され, 本剤投与後すべて消失した。又, 各起炎菌に対するMICはCeftazidimeと比較して, すべて優れた抗菌力を示した。
    4. 本剤投与による副作用は認められず, 臨床検査値の異常も, 2例に3件 (GOT上昇1件, GPT 上昇1件, 白血球数減少1件) に認められただけであつた。
  • 西村 忠史, 田吹 和雄, 青木 繁幸, 高木 道生
    1991 年 44 巻 4 号 p. 454-461
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpirome (CPR, HR 810) の小児科領域における基礎的並びに臨床的検討を行い, 下記の成績を得た。
    基礎的検討として, CPRの30分間点滴静注時の血清中濃度及び尿中排泄率を測定した。血清中濃度推移はCPR20mg/kgを1回投与し3例で検討し, いずれの症例においても濃度ピークは点滴静注終了時にあり, CPRの濃度は各々63.4μg/ml, 65.9μg/ml, 67.7μg/mlであり, 平均65.7±2.2μg/mlであった。半減期は各々150時間, 1.43時間, 1.52時間で, 平均1.49±0.046時間であった。又, 投与後8時間までの尿中排泄率は, 血清中濃度を測定した症例と同一症例にて検討し, 各々85.4%, 35.1%, 50.6%で, 平均57.0±25.8%であつた。
    臨床的検討は扁桃炎1例, 咽頭炎1例, 気管支肺炎1例, 肺炎4例, 尿路感染症2例の計9例について行い, 臨床効果は著効6例, 有効3例で, 全例が有効以上の成績であった。又, 細菌学的効果はStaphylococcus aureus 1例, Streptococcus pneumoniae 1例, Haemophilus influenzae1例及びEscherichia coli 2例の計5例について検討し, 本剤使用中に全例が菌消失し有効であった.副作用は本剤投与前後の臨床症状・所見及び検査所見の異常について計17例での検討を行い, 検査値異常として好酸球増多3例, GOTとGPT上昇1例を認めたが, いずれも本剤との関連は少なく, 又, 臨床症状・所見の異常は認めなかった。
  • 松岡 優, 高橋 芳夫, 黒田 泰弘
    1991 年 44 巻 4 号 p. 462-465
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpiromeを小児の細菌感染症10例に使用し, 臨床的検討を行った。対象は年齢が1ヵ月から5歳4ヵ月までの男児5例, 女児5例で投与量は53~100mg/kg/日を1日3回に分け, 4~10日間, 静脈内投与した。
    臨床効果は対象外疾患の1例を除いた9例において, 著効2例, 有効6例, やや有効1例で有効率は88.9%であった。
    本剤投与による副作用は認められず, 臨床検査値の異常もGOT, GPTの軽度上昇が1例に認められただけであった。
  • 関口 隆憲, 椎野 芳郎, 村川 和義, 西森 緑, 幸山 洋子, 大原 克明, 岡本 喬
    1991 年 44 巻 4 号 p. 466-471
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpirome (CPR, HR 810) を10例の小児急性細菌感染症に静注投与した。
    症例の内訳は肺炎8例, 胸膜炎, 尿路感染症各1例であつた。
    臨床効果は10例中著効9例, 有効1例で有効率は100%であつた。細菌学的効果は8株で検討でき, 8株すべて消失し, 消失率100%であつた。本剤のMICはCeftazidimeに比ベ1~ 数管優れていた。検査値異常としてGOT, GPTの上昇と, 好酸球数増多が各1例あつたが, いずれも軽微であつた。
  • 古川 正強, 岡田 隆滋
    1991 年 44 巻 4 号 p. 472-479
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新 Cephem 系抗生物質 Cefpirome について髄膜移行, 臨床分離菌の薬剤感受性試験, 小児科領域感染症に対する臨床的検討を行い次のような結果を得た。
    1. 化膿性髄膜炎の2例について本剤 One shot 静注1時間後の髄液濃度を測定した。1例目では治療開始後3日, 8日でそれぞれ2.11μg/ml, 1.31μg/ml, 2例目では治療開始後2日, 7日それぞれ24.2μg/ml, 1.35μg/mlであつた。
    2. Escherichia coli, Haemophilus influenzae, Pseudomonas aeruginosa, Staphyloceccus aureus, Streptececcus pneumoniae に対する MIC はP. aeruginosa を除いて Ceftazidime より明らかに優れていた。
    3. 総合的臨床効果は著効9例, 有効5例, 判定不能1例で, 有効率は93%であつた。
    4. 疾患別では菌血症の1例は著効であつた。肺炎7例のうち, 6例は著効, 1例は有効であつた。膿胸の1例は著効, 化膿性リンパ節炎の1例は有効であつた。蜂窩織炎の2例のうち, 1例は著効, 1例は有効であつた。化膿性髄膜炎の2例は共に有効であつた。胆道感染症の1例は判定不能であった。
    5. 副作用では1例に血小板増多がみられたが, 本剤中止後速やかに改善した。
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