The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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51 巻, 8 号
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  • 笹井 ゆり, 岩井 俊樹, 田村 明子, 中澤 直三, 植田 豊, 兼子 裕人, 堀池 重夫, 横田 昇平, 谷脇 雅史, 加嶋 敬, 三澤 ...
    1998 年 51 巻 8 号 p. 501-508
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器腫瘍に併発した感染症に対し, cefozopran (CZOP) 単独による初期治療を行い, その有効性と安全性を検討した。38度以上の発熱を伴い, 臨床的に細菌感染症が疑われた55症例のうち51例を対象とし, CZOP49を1日2回にわけて点滴静注投与した。
    基礎疾患はacute myelogenous leukemia (AML) 9例, acute lymphogenous leukemia (ALL) 8例, aplastic anemia (AA) 2例, adult T cell leukemia/lymphoma (ATLL) 2例, non Hodgkinlymphoma (NHL) 28例, multiple myeloma (MM) 2例であった。感染症として7例に敗血症, 32例に敗血症疑い, 6例に気管支炎, 5例に肺炎, 1例に急性腹膜炎を認めた。臨床効果は著効を14例, 有効を15例, やや有効を3例, 無効19例に認め, 全体の有効率としては57%であった。基礎疾患別の臨床効果ではAML, ALL, AA, ATLL, NHL, MMでそれぞれ56%, 63%, 100%, 50%, 50%, 100%の有効率を認めた。感染症別臨床効果は敗血症で14%, 敗血症疑いで63%, 気管支炎で100%, 肺炎で40%, 急性腹膜炎で0%の有効率を認めた。顆粒球数別臨床効果では治療中にわたり500/μl以下の群では53% (9/17) の有効性を認めた。5人の敗血症を含む6人の患者の血液, 喀痰より6株の細菌と1株の真菌を検出した。治療により2株の細菌は消失し, 1株は菌交代現象を起こした。副作用としては肝機能障害を10例, 貧血を1例, 蛋白尿を1例, 間接型ビリルビン上昇を1例, 血小板減少を2例, 好酸球増多を1例に認めた。いずれも重篤なものはなく使用中止後すみやかに消失した。
    今回, 我々は, 感染症, 基礎疾患, 基礎疾患に対する治療方法, 顆粒球数により患者の重篤度をスコアー化し, CZOPの有用性を更に検討した。このスコア一化にて患者群を重症, 中等度, 軽症に分類した。CZOPは軽症と中等度の群に有効性を示した。この結果よりCZOPによる初期治療は造血器腫瘍併発感染症の軽症や中等度の群に有用であることが示された。
  • 中澤 直三, 岡本 朋美, 小林 都, 岩井 俊樹, 笹井 ゆり, 田村 明子, 堀池 重夫, 横田 昇平, 谷脇 雅史, 加嶋 敬, 三澤 ...
    1998 年 51 巻 8 号 p. 509-520
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    血液疾患に併発した感染症33例に対してPanipenem/Betamipron (PAPM/BP) をsecondlineの抗菌薬として投与し, その有効性と安全性を検討した。
    有効性評価対象症例30例の有効率は63.3% (19例/30例) で, 感染症別の有効率は敗血症で3例/6例, 敗血症疑いで68.4% (13例/19例), 肺炎で2例/4例であった。さらにPAPM/BP投与前後の末梢血女子中球数がともに100/mm3以下の状態でも3例/7例の有効率が得られた。副作用は5例に認められ, 発現率は15.2% (5例/33例) であった。
    これらの結果から, PAPM/BPは血液疾患に併発した感染症に対するsecond lineの抗菌薬として有用で, また信頼性の高い薬剤であると考えられた。
  • 花木 秀明, 稲葉 陽子, 佐々木 和美, 平松 啓一
    1998 年 51 巻 8 号 p. 521-530
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Vancomycin-hetero耐性菌 (hetero-VRSA) であるMRSA・Mu3株の, vancomycinに対する培地の影響をpopulation解析で調べた結果でMuller Hinton Agar, Trypticase soy agar, Sensitivity test agarよりもHeart infusion agar, Brain heart infusion agarの方が耐性側に傾いていた。また, Mu3株に対するVCMとβ-lactam剤のFICindexは, 全て>2の拮抗を示した。更に, Mu3株が生育できないVCM5μg/ml含有のBHIBにCZXを添加すると, CZXの低濃度でMu3株の生育が認められた。この現象を寒天平板に応用し, VCM4μg/ml含有BHIAとにMu3株を塗抹後, β-lactam剤含有paper discをおいて37℃ で一夜培養するとpaperdisc周辺にのみ生育円が認められた。また, 比較的高濃度 (30μg/ml) のCZX, CMZ含有paper disc周辺には生育円が認められず, その外側にリング状に生育円が認められ, 薬剤による至適誘導濃度が観察された。この方法を用いて臨床分離MRSA.321株のスクリーニングを行ったところ, 24時間判定で12.1%, 48時間判定で20.9%の株がMu3培地とで生育するVCM-hetero耐性株であった。
  • 1998 年 51 巻 8 号 p. 531-550
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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