The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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53 巻, 3 号
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  • 藤崎 茂巳, 藤崎 隆司, 吉田 淳一, 藤崎 恭大, 三谷 満昭, 中村 正彦, 大岳 望
    2000 年 53 巻 3 号 p. 135-156
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    B型およびC型慢性肝炎は高率に肝硬変に進行し, 更に肝細胞癌を発症することは良く知られている。肝炎ウイルス持続感染により肝内で1型ヘルパーT細胞応答がupregulationされ, 遅延型過敏反応や炎症反応の充進により肝細胞障害および線維化をきたす。筆者らはB型およびC型慢性肝炎患者に新規メタロエンドペプチダーゼ-F (MEP-F) を内服投与することにより肝炎ウイルスの血中レベル (HBs抗原およびHCVRNA) が低下し, 肝機能障害の改善が得られることを明らかにした。しかし, その作用機序の詳細は不明である。最近, 障害および炎症組織においてα2マクログロブリン (α2MG)-プロテアーゼ複合体が免疫調節や組織修復・再生機構に重要に関与していることが明らかにされている。本稿において, αMG-プロテアーゼ複合体の分子機序を概説すると共に, メタロエンドペプチダーゼ-Fの臨床所見に基づき, ウイルス性慢性肝炎に特徴的な遅延型過敏反応や炎症反応の充進および線維化に対するα2MG-MEP-F複合体の薬理作用の解明を試みた。α2MG-MEP-F複合体は慢性化した炎症病態を急性期状態に揺り戻すことにより, 特異的細胞障害性T細胞や非特異的細胞障害応答の誘導およびサイトカインによる制御を劇的に増強してウイルスを排除すると共に, 線維化を抑制し, 組織修復・再生をもたらすものと考える。
  • カルバペネム系抗菌薬を中心に
    猪狩 淳, 井上 松久, 西野 武志, 渡辺 直樹, 上原 信之, 吉田 浩, 今福 裕司, 柴野 正, 佐藤 誠子, 小林 功, 高橋 綾 ...
    2000 年 53 巻 3 号 p. 157-170
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1994年-1996年の10月-12月に全国21施設で臨床材料から分離した10菌種, 3,849株を収集し, カルバペネム系4抗菌薬 (IPM, PAPM, MEPM, BIPM) 及び他の代表的抗菌薬のMICを測定し, それぞれの抗菌薬の抗菌力年次推移を検討した。
    カルバペネム系抗菌薬は, MSSA, S.pneumoniae, E.faecalis, H.influenzae, E.coli, K.pneumoniae, E.cloacae, S.marcescens, B.fragilis group に対し強い抗菌力を示し, その抗菌力も安定していた。しかし, MRSA, P.aeruginosa に対するカルバペネム系抗菌薬の抗菌力はいずれも弱かった。
    抗菌力の年次推移 (MIC90値の変動) は, 検討した細菌に対し全般的には安定した推移を示していた。なかでも, S.pneumoniae に対しIPM, BIPM, H.influenzae に対しIPM, PAPM, S.marcescens に対しIPM, PAPM, BIPMで, MIC90の年次的回復がみられた。一方, MRSAに対しIPMをはじめとしたカルバペネム系抗菌薬は必ずしも抗菌力は強いとはいえなかったが, 年次的にMIC90値の回復が認められた。
  • 甲田 雅一, 本間 請子, 宇田川 郁子, 福原 淳子, 竹内 美香, 田村 恵子
    2000 年 53 巻 3 号 p. 171-178
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々はMethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) に対する各種抗菌薬のMICの測定, ならびに併用効果の評価を行った。
    MRSAを分離した37例の約65%においては, 他の菌も同時に分離されていた。同時に分離された菌としてはCandida属, Enterococcus属, Pseudomonas aeruginosaが多かった。
    微量液体希釈法によりMICを測定した結果, MRSAに対するarbekacin, vancomycin (VCM), teicoplaninのMICは, それぞれ≤0.25-4.0, 0.5-1.0, ≤0.25-4.0μg/mlの範囲に分布し, 耐性株は見られなかったことから, この3剤のMRSA感染症に対する有用性は高いと考えられた。
    併用効果の実験の結果, 高い相乗効果率が得られたのはVCMとflomoxef (FMOX)(相乗効果率=97.3%), またはVCMとimipenem (IPM) との組み合わせ (相乗効果率=97.2%) であったが, 後者の方がFractional inhibitory concentration indexが小さかった。また, MRSAを分離する症例では同時にP. aeruginosaやEnterococcus属が分離され易いことを考慮すると, P. aeruginosaにはFMOXは無効であるが, IPMは有効であるため, 特にVCMとIPMとの併用が有用性が高いと思われた。
  • 西山 貴子, 松崎 薫, 小山 英明, 雑賀 威, 長谷川 美幸, 小林 寅哲
    2000 年 53 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我が国における唯一の経口ペネム系抗菌薬faropenem (FRPM) は広域抗菌スペクトラムを有し各種感染症起炎菌に対し強い抗菌力を示す。我々は今までに新鮮臨床分離多数株に対するサーベイランスを実施し, 各種細菌に対する強い発育阻止力に加え殺菌力を有している事を報告した1) 。さらに各種抗菌薬に耐性を示す臨床分離株を集め, 同様な検討を行い優れた抗菌力を示すことを確認した。
    一方, FRPMは基本骨格がペネム環構造である事から各種細菌が産生するβ-lactamaseに安定で, これらのβ-lactamase産生菌に対しても強い抗菌力を発揮すると言われている。
    今回は各種臨床分離株の中からβ-lactamase産生菌に対する抗菌力を測定し, 各種経口β-lactam薬と比較検討したので報告する。
  • 2000 年 53 巻 3 号 p. C3-
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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