ペニシリン感性および耐性肺炎球菌に対するcefbodoxime proxetil (CPDX-PR) の
in vitroおよび
in vivo抗菌力を他の経口β-ラクタム薬, cefdinir (CFDN), cefditoren pivoxil (CDTRPI) およびfaropenem (FRPM) と比較検討した。
臨床分離penicillin-susceptible
Streptococcus pneumoniae (PSSP: MIC of penicillin G, ≤0.063μg/ml), penicillin-intermediate
S. pneumoniae (PISP: MIC of peniciliin G, 0.125~1μg/ml) およびpenicillin-resistant
S. pneumoniae (PRSP: MIC of penicillin G, ≥2μg/ml) に対するCPDX, CFDN, CDTRおよびFRPMのinvitro活性 (MICs) を寒天平板希釈法により測定した。これらのPSSP27株, PISP23株およびPRSP23株に対するCPDXのMIC80はそれぞれ0.032, 1および8μg/mlであり, CFDN (0.063, 4および8μg/ml) と同等か優れ, CDTR (0.016, 0.5および1μg/ml) およびFRPM (≤0.008, 0.25および1μg/ml) よりも劣っていた。
ddY系, 雄マウスの肺内にPRSPの臨床分離株9605, 9601 (血清型6型) または10692 (血清型19型) を経鼻的に接種して感染を惹起した。投与量2~50mg/kgで感染18, 26, 42および50時間後に薬剤治療を行った。感染66時間後にマウス肺および血液内の生菌数を測定した。各薬剤とも投与量に依存した治療効果を示した。これらのPRSPによる感染に対してCPDX-PRは使用薬剤中最も優れた
in vivo効果を示した。PRSP9605, 9601および10692に対する薬剤のMICはそれぞれCPDXが4, 4および2μg/ml, CFDNが16, 16および4μg/ml, CDTRが1, 1および0.5μg/ml, FRPMが1, 0.5および0.5μg/mlであった。このようにCPDX.PRはCPDXのMICから予測される効果よりも優れた
in vivo効果を示した。これは今回の実験に用いた他の薬剤を上回るCPDXの良好な体内動態によるものと思われた。
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