The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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51 巻, 10 号
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  • 永井 章夫, 柴田 哲夫, 長沢 峰子, 塩谷 紀雄, 宮崎 美代乃, 河村 泰仁, 児玉 卓也, 鬼丸 俊夫
    1998 年 51 巻 10 号 p. 583-599
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用ニューキノロン系抗菌薬T-3762の単回静脈内投与毒性試験をラット, イヌ及びサルを用いて行い, 以下の結果を得た。
    1. ラットでは260mg/kg群で死亡例はなく, 391mg/kg群で雄5/5例, 雌3/5例が死亡したことから, 概略の致死量は雌雄とも260mg/kgから391mg/kgの範囲にあった。一般状態の観察では, 260mg/kg群の雌を除く生存例に自発運動減少及び呼吸不整がみられたが, 1時間以内に回復した。260mg/kg群の雌に異常はみられなかった。死亡例は自発運動減少, 呼吸不整, よろめき歩行及び強直性痙攣を示し, 投与後約90分以内に死亡した。死亡例の剖検時肉眼所見では肺全葉が暗赤色を示し, 気管内に白色泡沫状液体が充満しており, 組織学的検査では肺にうっ血, 出血及び水腫がみられた。
    2. イヌでは260mg/kg群で死亡例はなく, 521mg/kg群で2/2例が死亡したことから, 概略の致死量は260mg/kgから521mg/kgの範囲にあった。260,521mg/kg群で自発運動の減少, 横臥, 嘔吐, 流涎及び体温低下がみられた。521mg/kg群の2例は投与後4分または投与後7日に死亡した。死亡例2例の組織学的検査では心臓, 肺, 肝臓, 腎臓, 脾臓及び消化管にうっ血, 出血がみられた。260mg/kg群1例及び521mg/kg群1例の肩甲骨関節窩及び上腕骨頭の関節軟骨層にびらん, 壊死及び巨細胞様軟骨細胞塊が認められた。
    3. サルでは260mg/kg群で死亡例はなく, 520mg/kg群で2/2例が死亡したことから, 概略の致死量は260mg/kgから520mg/kgの範囲にあった。260mg/kg群では軟便がみられた。520mg/kg群では口腔粘膜の蒼白, 脱力状態, 散瞳及びあえぎ呼吸がみられ, 投与後4分以内に死亡した。520mg/kg群の死亡例2例の剖検時肉眼所見及び組織学的検査では肺, 肝臓及び腎臓にうっ血がみられた。
  • 河村 泰仁, 鬼頭 暢子, 永井 章夫, 三善 隆広, 児玉 卓也
    1998 年 51 巻 10 号 p. 600-623
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用ニューキノロン系抗菌薬T-3762の4, 13, 39,130mg/kgをラットに3箇月間静脈内投与し, 以下の結果を得た。
    1. 試験期間中にT-3762投与に起因する死亡例はみられなかった。一般状態観察では, 投与中の発声が130mg/kg群雌雄で観察されたが, 投与回数を重ねるにつれ発声例数が減少した。体重の推移では130mg1kg群雄でごく軽度の増加抑制傾向がみられた。摂餌量, 摂水量に異常はみられなかった。
    2. 尿検査, 血液学的検査及び眼科学的検査ではT-3762投与に起因すると思われる異常はみられなかった。
    3. 血液化学的検査では, A/G比上昇が13, 39,130mg/kgの各投与群雌雄でみられたが, 休薬により回復傾向を示した。
    4. 剖検及び組織学的検査では, 130mg1kg群3/20例, 39mg1kg群1/20例にT-3762投与に起因すると思われる関節軟骨のびらん及び空洞形成がみられた。
    5. 本試験の無毒性量は, 関節軟骨に異常がみられない13mg/kgであった。
  • 1998 年 51 巻 10 号 p. C1-
    発行日: 1998年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Vol. 51 (1998) No. 9 p. 576
    修正箇所:著者名
    修正内容:
    (誤) 北浦一宏
    (正) 北浦一弘
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