The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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47 巻, 12 号
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  • 大泉 耕太郎, 岩井 直一
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1613-1620
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 岩井 重富, 宍戸 春美
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1621-1628
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 河野 茂, 和田 光一
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1629-1636
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 松田 静治, 王 欣輝, 安藤 三郎, 川又 千珠子, 清水 哲也, 石川 睦男, 千石 一雄, 斎藤 聰史, 柴田 繁男, 芳賀 宏光, ...
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1637-1667
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    We investigated biapenem (BIPM, L-627) a newly carbapenem antibiotic, for its antibacterial activity, tissue penetration, clinical efficacyand bacteriological effect in obstetric and gynecological infections, and obtained the following results.
    1. Antibacterial activity
    MICs of L-627 against 149 strains isolated from80 patients in this clinical trial were examined and compared with those of imipenem (IPM) and ceftazidime (CAZ). The MICK50, and MICK90, of L-627 against the isolates were 0.2and 12.5 μg/ml, respectively. Those of IPM were 0.2and 6.25μg/ml, respectively.
    The antibacterial activity of L-627 was quite similar to that of IPM, and was superior to that of CAZ.
    2. Tissue and retroperitoneal fluid penetration
    The peak levels in venous and uterine arterial sera were 24.0 and 26.2μg/ml, respectively, after 300mg drip infusion. The peak levels in the uterine or adnexal tissues were 2.39-9.60μg/g, and 0.2μg/g of L-627 was detected at 275 minutes after administration.
    Peak levels in retroperitoneal fluid were 8.7±1.7 ktg/ml at 1 hour after the completion of 30 minutes drip infusion (300 mg) and 7.9±0.2, ug/ml at 30 minutes after 300 mg 60 minutes drip infusion (300 mg). These levels expected the MICs against main pathogenic organisms.
    3. Clinical results
    L-627 was given to the following 144 patients (No.of analytical subjects) at a daily dose of0.3-1.2 g for 2-13 days: intrauterine infections (54), adnexitis (36), parametritis (17), pelvic peritonitis (27), bartholins abscess (6) and other infections (4). The clinical efficacy was93.1% (134/144) and the eradication rate against isolated organisms was 88.7% (110/124). Side effects were observed in 2 patients: eruption (1) and vomiting with numbness of the tongue (1). Abnormal change in laboratory test results included increase in eosinophiles in 1, increase in GOT, GPT and γ-GTP in 1 and increase in GPT and Al-P in 1, but all of these abnormalities were very mild and withdrawal of the drug was not required.
    Our results suggest that this drug is useful inthe treatment of gynecological infections.
  • 岩田 敏, 山本 敬一, 磯畑 栄一, 金 慶彰, 横田 隆夫, 楠本 裕, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 南里 清一郎, 老川 忠雄, 小林 ...
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1668-1684
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用カルバペネム系抗生物質であるBiapenem (L-627) について4菌種定着マウスおよび小児臨床例の腸内細菌叢に及ぼす影響を検討した。Escherichia coli. Enterococcus faecaliS. Bactemides fhagilis, Bifidobacterium breveの4菌種を腸管内に定着させた4菌種定着マウスにL-627 40mg/kgを1日1回, 連続5日間筋肉内投与した結果, E. coliで軽度の減少が認められた以外には, いずれの菌種についても糞便中の生菌数に投与期間中大きな変動は認められなかった。
    小児臨床例における検討は細菌感染症の小児5例 (男児3例, 女児2例, 年齢1ヵ月~7歳7カ月, 体重4.62~21.8kg) に対し, L6271回6.0~11.7mg/kgを1日3回, 7~11日間静脈内投与して行った。その結果好気性菌ではE. coliをはじあとするEnterobacteriaceaeが全症例で著明に減少する傾向が認められたが, Enteroccusについては大きな変動はなく, その結果好気性菌総数は各症例とも大きな変動は認められなかった。嫌気性菌では, 乳児例で優勢菌種であるBifidobacterium, Bacteroides Eubacteriumが著明に減少する場合が認あられ, このうち1例では嫌気性菌総数が著明に減少して便性に変化 (下痢) が認あられた。ブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌や真菌が優勢菌種となる症例は認あられなかった。こうした腸内細菌叢の変動は本薬の投与中止後は速やかに回復する傾向が認められた。4例で投与中の糞便中からL-627が検出され, その濃度は0.24~2.22μg/gであった。Clostridium difficileの検出された症例はなく, C. difficile D-1抗原は2例で検出されたが, その消長と便性に関連性はなかった。
    以上の成績からL-627の腸内細菌叢に及ぼす影響は, 新しいβ-ラクタム系抗生物質の中では比較的少ないものと思われる。
  • 目黒 英典, 田村 雅治, 野口 博史, 早川 真名, 猪股 弘明, 寺嶋 周, 黒崎 知道, 鳥羽 剛
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1685-1690
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1992~1993年に千葉県市原市で分離したStreptococcus pneumoniae 48株の注射用β-ラクタム薬6剤に対する感受性を検討した。Benzylpenicillin (PCG) のMICが0.1μg/ml以上のものをペニシリン耐性S. pneumoniae (PRSP) と定義すると, 22株 (46%) がPRSPであった。PRSP ではPiperacillin, CefotaximeのMICがPCGのMICの上昇につれて上昇したが, Imipenem およびBiapenem (L-627) のカルバペネム薬はPCGのMICの上昇に伴うMICの上昇は軽度であった。
    L-627が有効であったPRSPによる化膿性髄膜炎の1例を報告した。痙攣誘発作用がカルバペネム薬の中では最も弱いL-627は, 髄膜炎を含むPRSP感染症の治療薬の1つとなりうると思われた。
  • 豊永 義清, 石原 俊秀, 手塚 徹, 佐野 友昭, 川田 康介, 中村 弘典, 千葉 博胤
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1691-1705
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Carbapenem系抗生物質としてImipenem/Cilastatin (IPM/CS), Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) 及びMeropenem(MEPM)に次いで, 小児科領域において検討を行ったBiapenem (L-627)について, 吸収・排泄及び臨床成績について以下の成績を得た。
    1. 吸収・排泄
    Biapenem6mg/kg, 12mg/kgの30分点滴静注時の血中濃度は, 点滴終了時にピークを示し225, 29.9μg/mlであり, 半減期は0.84, 0.85時間をもって緩徐に減少し, 点滴終了後5時間では, それぞれ0.13, 0.49μg/mlであった。尿中回収率の検討では2投与量とも0~2時間に最高血中濃度を示し, 6mg/kg, 12mg/kgそれぞれ384~2, 000μg/ml, 236~708μg/mlであり, 6時間までの回収率は545~76.1%, 37.3~59.5%であった。
    髄液中濃度は2例について検討し1回投与量は25mg/kg, 30mg/kgであった。いずれの例も30分点滴終了後1時間に髄液採取したが, 前者が0.88~1, 82μg/ml, 後者が1.90~2.72μg/mlの髄液中濃度を示した。髄液中移行率は3.7~8.3%であった。
    2. 臨床成績
    本剤を化膿性髄膜炎2例, 敗血症 (疑) 3例, 気管支炎9例, 肺炎25例, 尿路感染症2例, 皮膚組織感染症5例, 百日咳, 扁桃炎, 膝関節炎各々1例の計49例に使用し, 肺炎のやや有効1例を除き48例が有効以上の成績を示し, その有効率は98.0%であった。49例中30例より起炎菌が検出され23例が単独菌感染, 7例が複数菌感染であったが検出された38株中37株が除菌され, 除菌率は97.4%を示した。
    投与量は15.0~100mg/kgにわたっているが, 90mg/kg以上を投与したのは, 化膿性髄膜炎の2例のみで, その他の内訳は15.0~20.0mg/kg43例, 34.6~36.0mg/kg4例であり, ほぼ中等度の感染では1回投与量は6mg/kg, 1日3回であった。
    臨床的に特記すべき副作用は認められず, 本剤投与中に検討した検査値の異常は7例 (14.3%) に認められ, その内訳は好酸球増多3例, GOT上昇1例, GPT上昇2例, GOT・GPT上昇1例であったが, いずれも投与中止した症例はなかった。
  • 岩井 直一, 中村 はるひ, 種田 陽一
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1706-1722
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたカルバペネム系抗生物質であるBiapenem (L-627) について, 小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行った。
    1. 1993年に臨床分離されたStreptococcus pneumoniae54株に対する本剤の抗菌力をβ-ラクタム剤を中心とした他の13薬剤と比較検討した。本剤の最小発育阻止濃度 (MIC) は全株0.78μg/ml以下に分布し, Benzylpenicmin (PCG) 耐性株にも優れた値を示した。また, MIC8。値を指標として各薬剤の抗菌力を比較すると, 本剤及びImipenem, Cefuzonamが最も優れ, これにCefotaximeが続いた。
    2. 小児2例 (4歳, 11歳) に本剤6.0mg/kg, 6.1mg/kgを30分かけて点滴静注した際の血漿中濃度と尿中排泄について検討した。
    血漿中濃度は, 投与開始後30分 (点滴終了時) が14.7, 37.6μg/ml (平均26.2μg/ml) で, その後は0.66, 1.16時間 (平均0.91時間) の半減期で漸減し, 5.5時間後では前者は測定不能, 後者は0.46μg/mlであった。また, 投与開始後6時間までの尿中回収率は65.8, 60.9% (平均63.4%) であった。
    3. 化膿性髄膜炎2例において髄液移行を検討した。本剤31.6mg/kgを1日4回, 30分かけて点滴静注した症例における髄液中濃度は, 投与開始日 (0日) の投与1時間後で8.54μg/mlで, 投与1-7日目の1時間後ではそれぞれ3.00, 2.04, 16.1, 4.16, 3.24, 1.60μg/mlであった。また, 同じく33.7mg/kgを1日4回投与した症例での投与開始翌日, 投与15時間後の髄液中濃度は2.62μg/mlで, 投与2-7日目のO.5-1時間後ではそれぞれ4.OO, 12.9, 20.6, 1.32μg/mlであった。
    4. 小児感染症27例を対象にして臨床評価を行った。なお, 1回の投与量は5.2-33.7mg/kg, 1日の投与回数は3-4回, 投与日数は31/3-11日, 総投与量は0.675g-20.475gであった。
    臨床効果の判定対象となった化膿性髄膜炎1例, 急性化膿性中耳炎1例, 急性気管支炎2例, 急性肺炎19例, 急性尿路感染症1例, 計24例に対する臨床効果は, 著効14例, 有効10例で, 著効と有効を合わせた有効率は100.0%であった。また, 原因菌と考えられたStaphylococcus aureus4株 (MSSA1株, MRSA3株), Streptococcus pneumoniae2株, Escherichiacoli1株, Haemophilus influenzae4株, Moraxella (Bramamila) catarrhalis1株, Pseudomonas aeruginosa3株に対する細菌学的効果は, S. aureusの2株 (MRSA) が減少, P.aeraginosaの1株が減少, 1株が存続であった以外は消失と判定され, 全体でみた菌消失率は73.3%であった。なお, 菌交代については, E. coliからEnterococcus faecalisへの交代例が1例みられただけであった。
    副作用は発熱・発疹1例, 発疹2例, 下痢1例, 計4例に認められたが, いずれも投与終了ないしは中止により速やかに消失した。また, 臨床検査値異常についてはGOT・GPT上昇3例, GPT上昇4例, 好酸球増多2例, 血小板増多1例, 計10例に認あられたが, いずれも軽度のもので, しかも5例においては追跡により正常化が確認された。
    以上の成績より, 本剤は小児期感染症においても高い有効性が期待でき, しかも安全に投与できる薬剤であると考えられた。
  • 春田 恒和, 黒木 茂一, 大倉 完悦, 仁紙 宏之, 西尾 利一, 小林 裕
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1723-1727
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系抗菌剤Biapenem (L-627) の小児科領域感染症に対する有効性及び安全性を検討し以Fの成績を得た。
    1. 肺炎2例, 化膿性リンパ節炎, 伝染性膿痂疹, 蜂巣炎, 尿路感染症各1例の計6例に1日16.2-37.2mg/kgで, 1日3回, 5-7日間点滴静脈内投与した結果, 本剤の臨床効果は, 著効4例, 有効2例であり, 全例有効以上の効果を示した。細菌学的効果は, 検出された3株全株が消失した。
    2. 安全性では, 副作用は発疹が1例に, 臨床検査値の異常変動として, 一過性の白血球数の軽度減少, GOT, GPTの軽度上昇が各1例に認められた。
    3. 以上の成績より, L-627は小児科領域感染症に有用な薬剤であると考えられた。
  • 本廣 孝, 半田 祥一, 山田 秀二, 沖 眞一郎, 吉永 陽一郎, 織田 慶子, 阪田 保隆, 加藤 裕久, 山下 文雄, 今井 昌一, ...
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1728-1752
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用のCarbapenem系抗生物質Biapenem (L627) を小児の細菌感染症に投与し, 臨床分離株に対する抗菌力, 体内動態, 有効性及び安全性について検討したところ, 次のような成績が得られた。
    1. 薬剤感受性試験ではL-627投与症例から分離された3菌種20株を対象として, Staphylocmus aums (S.aums) にはL-627とImipcnem (IPM), Ceftazidime (CAZ), Piperacillin (PIPC), Methicillin (DMPPC) の5剤, その他の菌種に対してはDMPPCを除く4薬剤を用いて, 接種菌量106CFU/mlにおけるMICを測定した。グラム陽性球菌ではS.ameus11株中3株がDMPPC-resistant S.aureusで, L-627のMICは0.78->100μg/mlを示し, その他の8株でのMICは0.10-0.39μg/ml域にあり5株がIPMのMICに類似し, 3株がやや大であった。CАZとPIPCのMICとの比較では1株が同等で, 他の10株では小であった。S. pneumoniae7株に対するL-627のMICはすべての株が≤0.025-0.39μg/m/に分布し, IPMのMICと同じか類似, 他2剤のMICより小であった。グラム陰性桿菌はHaemophilus influenzaeの2株のみで, L-627のMICは0.78μg/mlか3.13μg/mlを呈し, IPMのMICに類似し, CAZとPIPCのMICとでは1株が同じか類似, 1株が大を示した。
    2. 小児4例中各2例に本剤6.0, 12.0mg/kgを30分間かけて点滴静注した時のBioassay法による最高血漿中濃度はいずれのCaseも投与終了直後にあり, 6.0mg/kg投与の2例では各々28.8, 24.6μg/ml, 12.0mg/kg投与の2例ではそれぞれ65.4, 39.6μg/mlで, 用量依存性が認められた。β 相の血漿中半減期は前者では各々0.97, 1.20時間, 後者ではそれぞれ0.72, 0.94時間であった。高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法による血漿中濃度はいずれのCaseもBioassay法の濃度に比較しやや低いか低く, β 相における血漿中半減期は12.0mg/kg投与の1例で, Bioassay法に比較し延長がみられた。
    3. 血漿中濃度を測定した同一症例におけるBioassay法での投与開始5.5時間までの尿中回収率は6.0mg/kg投与の2例が各々81.4, 75.3%, 12.0mg/kg投与の2例がそれぞれ91.0, 73.8%で, いずれのCaseもHPLC法による回収率より高かった。
    4. 本剤の髄液中濃度は化膿性髄膜炎の2例で測定でき, 1, 3, 7, 14病日に30.3mg/kgを30分間かけて点滴静注したCaseでは投与終了各々60, 60, 45, 45分後の濃度はそれぞれ7.60, 1.30, 1.42, 0.38μg/mlと経過と共に低下の傾向を示した。髄液及び血漿に安定化剤を加えずに保存し濃度を測定した1, 3病日を除いての7, 141病日の髄液・血漿比は各々55, 1.2%であった。2, 3, 4, 5, 9, 19病日に25.6mg/kgを30分間かけて点滴静注したCaseでは, 2, 3, 4, 5, 9病日は投与終了60分後, 19病日は投与終了120分後に濃度の測定ができ, それぞれ1.08, 0.62, 0.54, 1.52, 150, 0.80μg/ml, 血漿中濃度が測定できなかった5病日と測定はしたが血漿中濃度が低濃度であった3病日を除いての髄液・血漿比は各々13.3, 4.5, 8.4, 9.6%であった。
    5. 臨床効果は14疾患50症例に評価が可能で, 肺炎の20例中2例が無効, 急性副鼻腔炎の1例がやや有効, 皮下膿瘍の3例中2例がやや有効か無効であった以外はすべて有効以上で有効率は90.0%であった。
    6. 細菌学的効果は9菌種31株について判定でき, SmmSの12株中2株が不変で, その他の29株93.5%はすべて消失した。
    7. 副作用は50例中1例2.0%に軽度の下痢が出現した。
    8. 臨床検査値では末梢血の好酸球増多が4例9.5%, 血小板数の増多が3例6.8%, GOTとGPTと同時異常上昇例が2例4.4%にみられ, その中の1例ではγ-GTPでも異常値を示した。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 中根 豊, 福本 寅雄
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1753-1761
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1994年1月~3月に, 市中の気道系感染症患者から分離した臨床分離株を対象に, Cefetamet (CEMT) の抗菌活性を他の主なβ-ラクタム系経口抗菌薬剤を加えて検討し, 以下の結論を得た。
    1. Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, そしてHaemophilus influenzae, すなわち市中の気道系感染症におけるこれら「三大起炎菌」に対するCEMTの強い抗菌活性が今回の検討においては認あられたが, Benzylpenicillin (PCG)-insensitive S. pneumoniae (PISP), 及びPCG-resistant S. pneumoniae (PRSP) に対するCEMTの抗菌活性は, 一部の対照薬剤の抗菌活性に比較してやや劣っていた。
    2.Moraxella subgenus Brangamella catarrhalisKlebsiella pneumoniaeに対するCEMTの抗菌活性には, 経年的な変動が認められなかった。
  • 千村 哲朗
    1994 年 47 巻 12 号 p. 1762-1768
    発行日: 1994/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Chodoamnionitisの初期治療の目的に, Imipenem/Cilastatin (IPM/CS), Flomoxef (FMOX), Ceftazidime (CAZ) 及びCAZとAspoxicillin (ASPC) の併用の各群における臨床効果を検討し, 以下の成績を得た。
    1. Chorioamnionitis合併の切迫流早産 (n=49), Pretem PROM (n=29) を対象とし, IPM/CS投与群 (n=19), FMOX投与群 (n=39), CAZ単独投与群 (n=11), CAZ+ASPC投与群 (n=9) における臨床効果を検討した。
    2. Chodoamnionitisに対する有効率は切迫流早産群で47/49 (95.9%), 早産率16/49 (32.7%) であった。各抗生物質投与群別の検討では, IPM/CS投与群での有効率, 早産率で優れた傾向が示唆された。
    PROM群ではLatent period (破水から娩出までの期間) が7日以上の検討で, 従来のPenicillin系抗菌剤投与成績と比較し, 今回の成績で有意な延長効果が示唆された (32.4% vs. 58-6%)。
    3. 菌検出率は29/57 (50.9%) であり, 36株が検出されたが, グラム陽性菌の検出率が高く (66.7%), 細菌学的臨床効果では有効率26/29 (89.7%) を示した。
    以上の成績から, Chodoamnionitisに対するEmpidc therapyにおいて, グラム陽性菌をターゲートとした抗菌剤の選択が重要であり, 羊水移行及び抗菌スペクトラムからみて, IPM/CSの有用性が示唆される。
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