The Japanese Journal of Antibiotics
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55 巻, 4 号
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  • 小林 宏行, 相川 直樹, 齋藤 厚, 守殿 貞夫, 南 新三郎
    2002 年 55 巻 4 号 p. 345-360
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • サイクリング療法の可能性と実際
    炭山 嘉伸, ROBERT G. SAWYER, 賀来 満夫, 横山 隆, 荒木 恒敏
    2002 年 55 巻 4 号 p. 361-369
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • その1. 感受性について
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 松川 雅則, 高橋 聡, 国島 康晴, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 茂田 士郎, 吉田 浩, 今福 ...
    2002 年 55 巻 4 号 p. 370-398
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2000年9月から12月までの問に, 全国10施設において尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離され, 起炎菌と推定された588株のうち, MICが測定できた株は輸送中に死滅した菌などを除く511株であり, その内訳はグラム陽性菌が29.0%, グラム陰性菌が71.0%であった。
    これらの菌に対する抗菌薬の効果をみるとEnterococcus faecalisに対してはVancomycin (VCM), Ampicillin (ABPC), Imipenem (IPM) の抗菌力が強く, これらの薬剤に対して低感受性株が増加するような傾向は認められなかった。VCMはMRSAに対しても, 強い抗菌力を示し1μg/mlで全菌株の発育を阻止した。またArbekacin (ABK) の抗菌力も強くMIC90は2μg/mlで, 4μg/mlでは, 全ての菌株の発育を阻止した。ABKは, Staphylococcusepidermi に対しても強力な抗菌力を示し, 0.5μg/mlで全菌株の発育を阻止した。S. epidermidisに対してはABPC, Cefbtiam (CTM) およびCefozopran (CZOP) も比較的良好な抗菌力 (MIC90: 4~8μg/ml) を示した。Escherichia coliに対してはカルバペネム系薬剤の抗菌力が強く, Meropenem (MEPM) は≤0.125μg/ml, IPMは0.25μg/mlで, それぞれ全菌株の発育を阻止した。
    また, CZOPのMIC90は≤0.125μg/ml, CTMのMIC80は0.25μg/ml, MIC90は0.5μg/mlと強い抗菌力を示した。
    キノロン耐性のE. coliは14.0%検出され, 前年に比べ著明に増加した。Klebsiella pneumoniaeとProteus mirabilisに対しては一部の薬剤を除き全般的に抗菌力は強く, MEPMは≤0.125μg/mlで全菌株の発育を阻止した。Pseudomonas aenuginosaに対しては全般的に抗菌力は弱く, カルバペネム系薬剤およびGentamicin (GM) のMIC90が16μg/ml, その他の薬剤のMIC90は全て32μg/ml以上であった。Serratia marcescensに対するMIC90も, IPMおよびGMが2μg/mlと最も低く, ついでMEPMが4μg/mlであった。
  • その2. 患者背景
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 松川 雅則, 高橋 聡, 国島 康晴, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 茂田 士郎, 吉田 浩, 今福 ...
    2002 年 55 巻 4 号 p. 399-411
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2000年9月から12月までの間に全国10施設において尿路感染症と診断された435症例から分離された588菌株を供試し, それらの患者背景について性別・年齢別と感染症, 感染症と菌種, 年齢別感染症別菌分離頻度, 抗菌薬投与時期別の菌と感染症, 感染防御能低下に影響を及ぼす因子・手術 (以下因子・手術) の有無別の菌と感染症などにつき検討した。
    年齢あるいは性と感染症の関連についてみると, 男性の症例は50歳未満が少なく, 感染症ではカテーテル非留置複雑性尿路感染症が最も多かった。女性では20歳未満の症例が少なく, 感染症別には, 20歳代の症例は, ほとんどが単純性尿路感染症であったが, 40歳以上の症例は過半数が複雑性尿路感染症であった。感染症と菌種についてはEscherichia coliは感染症が複雑になるに従い減少し, Pseudomonas aeruginosaは感染症が複雑になるに従い増加した。また, Enterococcus faecalisは単純性尿路感染症よりも複雑性尿路感染症で高頻度に分離された。これらを年齢別にみると, 単純性およびカテーテル非留置複雑性尿路感染症では20歳以上の症例でE. coliの分離頻度が加齢に伴い緩やかに減少した。また, カテーテル非留置複雑性尿路感染症では, Klebsiella spp., P. aeruginosa, ならびにE. faecalisの分離頻度が高かった。カテーテル留置複雑性尿路感染症では, 70歳以上で, P. aeruginosaE. faecalisが多く分離された。抗菌薬投与前後の分離菌は, 単純性尿路感染症およびカテーテル非留置複雑性尿路感染症では, 投与後に分離株数が著しく減少した。いずれの感染症でもE. coliは投与後に減少したが, P. aeruginosaは投与後に増加した。因子・手術の有無別, 感染症別に分離菌をみると, いずれの感染症においても, E. coliは因子・手術の無で多く分離され, P. aeruginosaは因子・手術の有で多く分離された。単純性尿路感染症では, Proteus spp., E. faecalisなどは因子・手術の有で著明に多く分離された。カテーテル非留置複雑性尿路感染症では, Klebsiella spp. が因子・手術の無で多く, E. faecalisは因子・手術の有で多く分離された。カテーテル留置複雑性尿路感染症では, P. aeruginosaS. aureusを除き, ほとんどの菌種が, 因子・手術の無で多く分離された。
  • 野村 伸彦, 満山 順一, 古田 要介, 山田 尚, 中田 光人, 福田 淑子, 山田 博司, 高畑 正裕, 南 新三郎
    2002 年 55 巻 4 号 p. 412-439
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacinmesilate (PZFX注射薬) のinvitro及びin vivo.抗菌活性を検討し以下の結果を得た。
    1.PZFX注射薬の活性本体であるPZFXの各種グラム陽性及びグラム陰性臨床分離株に対するMIC50及びMIC90はそれぞれ0.0125~125μg/ml及び0.025~100μg/mlであり, PZFは幅広い菌種に対して良好な抗菌活性を示した。特に, ニューキノロン薬感受性のmethicillin耐性Staphylococcus aureus, β-lactamase-negative ampicillin耐性Haemophilus influenzae, extended spectrum β-lactamase産生Klebsiella pneumoniae及びimlpenem/cilastatin (IPM/CS) 耐性Pseudomonas aeruginosaに対してはceftazidime (CAZ), ceftriaxone, IPM/CS, meropenem及びpanipenem/betamipronより強い抗菌活性を示した。
    2.臨床用量投与後の血中において15分間持続する濃度で各薬剤を15分間作用させた場合, PZFXはS. aureus, Escherichia coli, Proteus mirabilis, Serratia marcescens及びP. aeruginosaに対してCAZ及びIPM/CSより強い殺菌効果を, また, E. coli, P. mirabilis, S. marcescens及びP. aeruginosaに対してCAZ及びIPM/CSより長いpost antibiotic effect を示した。
    3.ヒト好中球に取り込ませたP. aeruginosaに対して, CAZ及びIPM/CSは16MICにおいても殺菌効果を示さなかったが, PZFXは濃度依存的な殺菌効果を示した。
    4.S. aureus由来トポイソメラーゼIV及びDNAジャイレースに対して, PZFXは近似した濃度で阻害活性を示した。また, ヒト由来トポイソメラーゼIIに対する阻害活性は弱く, 細菌由来トポイソメラーゼに良好な選択性が認められた。
    5.S. aureus及びP. aeruginosaによる免疫低下, 高接種菌量及び混合感染下でのマウス全身感染モデル並びにラットカルボキシメチルセルロースポーチモデル及びラット膀胱結石定着モデルにおいて, PZFX注射薬はCAZより優れた治療効果を示した。
    6.PZFX注射薬のラット腹腔内感染モデルにおける治療効果を, 経口, 皮下及び静脈内投与群で比較した結果, 投与初期に高い血中濃度を示す静脈内投与群において, 最も優れた治療効果が認められた。
  • 前川 仁子, 高橋 和美, 高畑 正裕, 南 新三郎
    2002 年 55 巻 4 号 p. 440-445
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    臨床分離のPseudomonas aeruginosa並びにmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) に対するpazufloxacin (PZFX) の他系統抗菌薬とのin vitro併用効果を, P.aerulginosaではpiperacillin (PIPC), tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC), ceftazidime (CAZ), cefozoprane (CZOP), imipenem/cilastatin (IPM/CS), meropenem (MEPM), panipenem/betamipron (PAPM/BP), amikacin (AMK) 及びisepamicin (ISP) を, MRSAではvancomycin (VCM), teicoplanin (TEIC) 及びarbekacin (ABK) を用い, checkerboard dilution法にて検討した。
    1.P.aeruginosa27株を用いた検討では, PZFXとCAZ, MEPM併用時で11.1% (3株), CZOP, PAPM/BP併用時で3.7% (1株) の株で相乗作用が認められた。試験に用いた全てのβ-ラクタム薬との併用で50%以上の株で相加作用または相乗作用が認められ, 拮抗作用は認められなかった。AMK及びISPの併用時でも拮抗作用は認められず, 50%以上の株で相加作用が見られた。
    2.MRSA 26株を用いた検討では, いずれの薬剤でも拮抗作用は認められず, VCM及びABK併用時で60%以上の株で不関, TEIC併用時で80%以上の株で相加作用が見られた。
  • 上原 至雅, 亀井 克彦, 菊池 賢, 槙村 浩一, 鈴木 和男, 新見 昌一, 上 昌広, 馬場 基男, 堀田 国元, 渋谷 和俊, 直江 ...
    2002 年 55 巻 4 号 p. 446-481
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    わが国の深在性真菌症の発生動向に関する研究の一環として、平成12年度の深在性真菌症に対する意識調査に引き続き、今年度は臨床現場ではアスペルギルス症にどう対応しどのような問題を抱えているのかなどについて感染症担当医を対象に調査するとともに、アスペルギルス症の発生動向について調べた。前回と同様に全国の概ね500床以上の一般病院508施設にアンケートを依頼し、143施設163名の医師から回答が寄せられた。それらを要約すると、(1) 3/4以上の医師が、本症の診断が極めて困難であり効果的な治療薬がないことを指摘した。(2) 経験した疾患については肺アスペルギローマ、ついで侵襲性肺アスペルギルス症が多かった。(3) 播種性アスペルギルス症の肺以外の感染臓器は、肝、脳、腎、心の順に高かった。(4) アスペルギルス症の診断基準については、胸部X線などの画像、鏡検、血清検査、培養などを用いていた。一方で診断基準の数が7-8種類と多く、本症の診断の困難さを表していた。(5) 治療にはアムホテリシンBとイトラコナゾールが用いられた。しかし、本症の診断がっかないためか有効性が乏しいフルコナゾールの使用例もかなりあった。アスペルギルス属菌は臨床的には重要であるにもかかわらず、菌の検出率は高くなく2-3/1000呼吸器検体程度であった。A.fumllgatusが最もよく分離され、過去5年間で漸増傾向を示していた。今回のアンケート回答者は前回に比較して少なかったが、本症に関する調査が回答者にとって答えにくい難しい作業であったことを物語っている。以上のことからアスペルギルス症の特異的診断法の開発と副作用のない新しい殺菌性抗真菌剤の開発研究が必須である。
  • 2002 年 55 巻 4 号 p. C2-
    発行日: 2002年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Vol. 55 (2002) No. 2 p. 207
    修正箇所:著者名
    修正内容:
    (誤) TAKESHI SAKANO
    (正) TAKASHI SAKANO
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