The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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54 巻, 6 号
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  • その3. 感受性の推移
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 松川 雅則, 高橋 聡, 国島 康晴, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 茂田 士郎, 吉田 浩, 今福 ...
    2001 年 54 巻 6 号 p. 231-322
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1999年8月から翌年7月までの問に全国9施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株 (Eeterococcus faecalis, Staphylococcus aures, Escherichia coli, Klebsiella spp., Pseudomonas aerugiginosa) を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定し, 1991~1998年と1999年の感受性を比較した。比較は菌種を単純性尿路感染症と複雑性尿路感染症 (カテーテル非留置とカテーテル留置を含む) に分類して行った。
    E. faecalisでは, 前年にみられた低感受性株の増加は改善される傾向にあった。しかし, Vancomycin (VCM) のMICが4μg/mlの株が単純性および複雑性尿路感染症で1株ずつみられた。セフェム系薬剤, Imipenem (IPM) およびVCMに対するS. aureusの感受性株が多くみられ, 前年までに比べMIC50が低値であった。複雑性尿路感染症でArbekacin (ABK) に低感受性を示す株が前年に続き検出され, MICが16, 32μg/mlの株が1株ずつ認められた。E. coliではペニシリン系薬剤とMinocycline (MINO) を除き, いずれの薬剤に対しても感受性は良好であった。また, キノロン系薬剤を除き, E. coliの低感受性株の減少が認められた。Cipronoxacin (CPFX) とSparnoxacin (SPFX) に対しては複雑性尿路感染症での感受性が, 単純性尿路感染症に比べMIC90でみて3段階低かった。Klebsiella spp. では1998年に単純性尿路感染症においてセフェム系薬剤に対する低感受性株の減少が認められたが, 1999年は複雑性尿路感染症でも低感受性株は減少し, ほとんど検出されなかった。また, キノロン系薬剤に対しても前年までに比べ感受性は良好で, MIC90はいずれも0.5μg/ml以下であり, 低感受性株も検出されなかった。一方, Gentamicin (GM) に対してはMICが8μg/mlの低感受性株が1株検出された。P. aeruginosaではカルバペネム系薬剤に対する感受性が良好であり, 複雑性尿路感染症ではMeropenem (MEPM) とIPMのMIC90が1998年に比べ2段階良くなり4μg/mlであった。その他の薬剤でもモノバクタム系薬剤を除き, 耐性株が減少した。
  • 山口 英世, 内田 勝久, 田中 崇, 山口 智彦
    2001 年 54 巻 6 号 p. 323-330
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Trichophyton mentagrophytes特定菌株をモルモットの後肢足底部に接種して作成した足白癬動物モデルを用い, 市販のtolnaftate製剤 (2%軟膏) の局所投与による治療効果を検討した。対照薬には市販の外用抗真菌薬としてvariotin (3,000U/g軟膏), phenyl-11-iodo-10-undecynoate (0.5%軟膏), siccanin (1%軟膏) およびclotrimazole (1%クリーム) の4薬剤を選んで用いた。感染が充分に成立した後, 各薬剤とも1日2回, 4週間連続投与を行い, 治療終了後の局所皮膚組織の培養成績に基づいて薬効を判定した。いずれの薬剤投与群においても, 培養が陰性化した動物個体はみられなかったが, 感染強度を指標として比較すると, variotinを除く4薬剤は有意な治療効果を示した (P<0.05~0.005)。そのなかでtolnaftateの効果が最も高く, すべての対照薬のそれを有意に上廻った (P<001~0.005)。
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