The Japanese Journal of Antibiotics
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29 巻, 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 富岡 一, 小林 芳夫
    1976 年 29 巻 6 号 p. 597-600
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    グラム陰性桿菌 (GNB) 敗血症の増加が著るしいが1), この致死的疾患の治療は, 原則的には広域性のβ-Lactam系抗生剤とAminoglycoside系抗生剤との併用療法によつている2, 3)。われわれも, この臨床的効果と, 基礎的研究の1部については, すでにいくどか報告してきた1, 4~7)。
    今回は, Dibekacin (DKB) が臨床面に広く登場してきた機会に, DKBとβ-Lactam系抗生剤のうちからSulbenicillin (SBPC) をえらんで, この両者の併用効果を試験管内で検討し, 臨床面での基礎的資料を求めてみた。
  • 金沢 裕, 須賀 政一, 庭山 清八郎
    1976 年 29 巻 6 号 p. 601-606
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1956年来, 日本国内でも人のPsittacosis (オーム病) が発生していることが徐ら1), 北本ら2), 藤井ら3), 後藤ら4) によって明らかにされている。われわれ5~8)も, 1966年以来本症の6例を経験し, その臨床, 胸部X線所見, 病因的検索, さらに治療薬剤としてのTetracycline系薬剤, Macrolide系薬剤, Penicillin剤, Cephalosporin剤の効果についても報告した。現在, 本症に対する抗生剤の効果については, すでに諸家9~11)によって多くの検討が加えられ, Tetracycline系薬剤が第1選択剤とされている。
    1973年に徐12)は,Chlamydia psittaciの発育卵黄ノウ内接種とマウス鼻腔内接種における治療実験で, Rifampicin はTetracvclineとほぼ同程度の効果を示したが, マウス脳内接種に対してRifampicinはTetracyclineより多少すぐれた治療効果を示したと報告した。また, TRIBBYら18)(1973) は, 組織培養中のマウス線維芽細胞 (L細胞) 中におけるChlamydia psittaciに対するRifampicinの作用を観察し, 本剤はそのRNA合成っづいて蛋白合成をそれぞれ阻害し, さらに同時に検討したChloramphenicolにくらべ, 著るしく低濃度でChlamydiaの分裂増殖を阻止すると報告した。したがって, Rifampicinの本症に対する臨床効果の観察が強くのぞまれたが, 私どもは最近, 本症の1例にRifampicinを投与し, その臨床効果を検討することができたので報告する。
  • 逆行性尿路感染症の検討
    大田 治幸, 大口 善郎, 坂口 寛正, 野納 邦昭, 井内 敬二, 韓 憲男, 南波 正敦, 狩野 光将, 吉田 静雄, 得能 輝男, 伊 ...
    1976 年 29 巻 6 号 p. 607-611
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    術後の持続導尿についてみたばあい, 泌尿器科および婦人科領域の術後には, 欠くべからざる処置であるが, 一般腹部外科では, 直腸癌根治術等の一部の疾患の術後以外は, その必要性はあまりみとめられていない。しかし, 腹部外科術後では, 術当日や術後1日目には自排尿困難なことが多く, このばあいはそのつど, カテーテルを挿入し, 尿の排泄をはからねばならず, 術後患者の苦痛の1つとなつている。当院の外科では, 昭和46年にH. C. U.(High care unit) が開設されて以来, 術後患者の集中管理をおこなつて来た。そのさい, 術直後に留置カテーテルを挿入し, H. C. U. に収容している。2~3日間持続導尿をおこなつている。開腹術後2~3日間の短期間持続導尿をおこなうことによる利点は, 膀胱充満や排尿時の腹圧による創部痛が緩和されること, 経時的尿量測定が可能であり, 循環動態の把握に役立つこと, 黒色尿等の異常尿が早期に発見できることがある反面, 欠点としては, カテーテルを通しての尿路感染が考えられる。また, 直腸癌根治術後等では, その手術部位から考え, 神経因性の尿路機能障害をきたしやすいこと, 手術創部の汚染等から7~10日間の長期の持続導尿を必要とし, このばあいには, 逆行性尿路感染のほかに, 尿道狭窄等の他の合併症も来たしやすいといわれている。今回は, 開腹術後に短期間および長期間持続導尿をおこなつたばあいの尿路感染について検討をおこなつた。
  • 急性毒性およびラットにおける亜急性毒性
    松崎 明紀, 中村 浩一, 阿久津 貞夫, 飯母 清孝, 石川 久芳, 島村 達夫, 関野 実, 佐村 恵治, 福島 三枝子, 浅野 昌子
    1976 年 29 巻 6 号 p. 612-638
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefatrizine (以下S-640Pと略す) は, 新らしい半合成Cephalosporin系の抗生物質で, 広範な抗菌スペクトルをもつことが報告されている1~5)。また, 吸収排泄, 体内分布6~8), 代謝9), 薬理作用10), 免疫学的研究11)および催奇形性に関する研究12, 13)が万有の研究グループによって報告されている。今回著者らは, 急性毒性およびラットにおける1, 3, 7, 14および21日間の経口投与をおこない, その毒性について検討したので, 報告する。
  • ラットの30日間および102日間経口投与における亜急性毒性
    松崎 明紀, 関野 実, 中村 浩一, 平田 明保, 酒井 忠久, 阿部 恵津子, 田口 和博, 浅野 昌子
    1976 年 29 巻 6 号 p. 639-669
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefatrizine (以下S-640Pと略す) は, 新らしい半合成セファロスポリン系抗生物質で,Cephalosporium acremoniumまたはCephalosporium salmosynnematumの培養によって得られるセファロスポリンCの化学的誘導体である1~4)。今回著者らはラットを用い, S-640Pの800mg, 400mg, 200mg, 100mgおよび50mg/kgの5薬量について30日間および102日間の経口投与をおこない, その毒性について検討したので, その成績を報告する。
  • ラットにおける慢性毒性
    松崎 明紀, 吉田 昭雄, 土田 稔, 奥山 大輔, 関野 実, 佐村 恵治, 福島 順乃, 浅野 昌子
    1976 年 29 巻 6 号 p. 670-686
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefatrizine (以下S-640Pと略す) は, 新らしい半合成セファロスポリン系の抗生物質で, 広範囲の抗菌スペクトルをもち1~4), その吸収・排泄, 体内分布, 代謝, 薬理作用, 免疫学的研究および催奇形性については, すでに報告されている5~12)。また, 急性毒性およびラットにおける亜急性毒性については, すでに報告した21, 22)。ここでは, Wistar系ラットを用いて, S-640Pの180日間にわたる経口投与をおこない, その毒性について検討し, 以下の成績を得たので報告する。
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