近年, 臨床細菌学領域において問題とされている中に, 弱毒菌に, よる感染, いわゆるOpportunistic infectionの問題がある。これらのPathogenとして, 細菌ではブドウ球菌, クレブシエラ, セラチア, 緑膿菌を初め, ブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌および嫌気性菌などがあげられ, 弱毒菌感染は宿主側の条件, あるいは抗生物質, ステロイド剤, 免疫抑制剤などの使用, 各種の手術, 検査手技, 治療手技などの多彩な因子によつて生じる。
著者らは, すでにこれら弱毒菌感染にかかわりのある一部のPathogenについて, 諸種な面から検討してきたが1~4), 今回はブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌の中にあり, 緑膿菌などにくらべて各種薬剤や消毒薬に対する耐性がはるかに強く, 特に院内1感染の面から注意が促されている
Pseudomonas cepacia (以下
P.cepacia) について, 当院における検出状況, 薬剤感受性および検出症例の臨床的背景などについて検討し, 多少の知早がえられたので報告する。
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