抗生物質の開発はPenicillin Gに始まり, 現在まで非常に多くにわたり, その発展は目覚ましいものがある。そのため, 臨床医家は感染症に対して, 抗菌力, 組織内濃度, 安定性などの点で, より有効な薬物を求めるようになり, 多くの研究が進められている。その中でも特に合成Penicillinの研究は目覚ましく, 臨床医家の注目をあびている。
今回, 新らしく開発されたAmoxicillin (AM-PC) は, Ampicillin (AB-PC) と類似した抗菌力をもち, Ampicillinと同量の経口投与によつて, 血清中濃度はAmpicillinの約2倍に達し得る特徽があるといわれている1~4) 。
我々は以前から各種抗生剤の組織親和性について報告し, 臨床所見とともに抗生剤の判定基準に対する細菌学的検索の必要性について論じてきた。
今回, Amoxicillinについても, 歯科口腔外科領域における組織内濃度および血中濃度の検索を試みたので, その成績を報告する。
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