日本消化器外科学会雑誌
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20 巻, 9 号
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  • 山本 貞博
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2063-2071
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤の外科的治療として, 過去30余年間に自験した術式の変遷についてその根拠と成績を中心に報告した.
    端側門脈下大静脈吻合術154例の経験は, 術後肝性脳症の防止, 生存率向上のため, 胃上部切除術130例をはじめとする盲目的直達手術への転換を生じ, 一応の成果を上げた.
    さらに手術による静脈瘤の消滅を客観的に実証するため術中内視鏡使用で直視下直達手術に進み, 80症例を重ね, その70%で長期安定した成績を確保した.
    再発静脈瘤は硬化療法併施で好結果が維持されるべきで, また手術不適応例では改善した塞栓療法と硬化療法併施を妥当とする.
  • 平嶋 毅
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2072-2081
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1986年までの41年間に千葉大第2外科を訪れた食道アカラシア444例 (男200例, 女244例) の病態を食道X線, 内圧, 筋電図, 内視鏡および胃液検査で検討した.本症は内圧細分類によるA1, A2, A3型のごとき初期像 (食道緊張型) とB型のごとき末期像 (弛緩型) がある.本症に食道癌を合併した18例4.1%のうち病悩期間20年以上の症例は12例であった.
    外科治療を行った275例の遠隔追求245例中, 良好は165例, 軽快は43例と併せて84.9%が改善された.104例に施行された胃弁移植術の遠隔追求97例中, 良好91例, 軽快6例とすべて改善した.教室で再手術をした30例 (教室13例, 他施設17例) 45件の86.7%が通過障害を理由とした.再手術の方法は胃弁移植術14例がいずれも好成績であった.
  • 志田 晴彦, 平岩 正樹, 増田 幸蔵, 石丸 純, 松村 健三, 今成 朋洋, 町田 武久, 山本 登司, 長島 郁雄, 斎藤 英昭, 浅 ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2082-2087
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤症例に対する手術適応の決定, 術式の選択などに日常臨床検査など8項目から作成したリスクスコアを用い, 手術成績を検討した.対象となった直達手術60例65回のうち入院死亡は6例 (9.2%) であった.経胸手術例のスコア最高値は肝硬変症で2.52であったが死亡例はなかった.経腹手術例の死亡率は, スコア1.8未満で0%, 1.8以上2.3未満で9.5%(スコア作成後は0%), 2.3以上で100%であった.child分類とスコアの関係を見ると, Aが0.86~2.10, Bが1.14~2.52, Cが1.79~3.24に分散した.われわれのリスクスコアは, ICG, PT時間などを含めより細かい検討を可能にし, 有用と思われた.
  • 鋤柄 稔, 駒崎 敏郎, 尾本 良三
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2088-2092
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法 (ST) 施行後死亡例について臨床的分析を行った.ST症例は50例であったが, 1ヵ月~3年1ヵ月の追跡期間中, 26例 (52%) がすでに死亡.このうち, 入院死亡は16例, 退院死亡が10例であった.入院死亡が多い理由の一つとして, 多臓器不全の状態のChildC症例が多かったことがあげられた.Child AまたはBの吐血例 (n: 10) にはST後に手術 (主として選択的シャント手術) が施行されたが, 入院死亡となった例はなく, 累積生存も2年で89%と良好であった.一方, STのみで退院した22例中9例 (40.9%) がすでに死亡し, 2年までの累積生存率は46%であった.退院後死亡例中, 3例は出血が死因となっており, ST後の内視鏡による定期的チェックがのぞまれた.
  • 岡村 健, 辻谷 俊一, 馬場 秀夫, 原口 勝, 是永 大輔, 平本 陽一朗, 大野 真司, 杉町 圭蔵
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2093-2096
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    早期胃癌370例を対象とし, リンパ節転移様式と転移リンパ節の大きを検索し, リンパ節転移の術中肉眼診断について検討した.転移リンパ節98個の転移様式と個数, 平均長径, 術中肉眼正診率は, 辺縁洞型30個, 6.1mm, 20%, 部分的髄内洞型37個, 7.5mm, 21.6%, 広範囲髄内洞型11個, 6.6mm, 27.3%, 小結節型3個, 7.7mm, 33.3%, 大結節型17個, 8.4mm, 17.6%であり, 転移のないリンパ節1,086個の平均長径は4.5mm, 術中肉眼正診率は97.6%であった.転移リンパ節の長径別術中肉眼正診率は5mm未満13.9%, 5~10mm17.5%, 10~15mm20.0%, 15mm以上58.3%と15mm未満の正診率が低かった.以上より術中肉眼診断を基にしたリンパ節の温存は転移を残す危険性が大きいことが示唆された.
  • 磯崎 博司, 岡島 邦雄, 冨士原 彰, 安田 正幸, 革島 康雄, 山田 真一, 桜本 邦男, 久保川 学
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2097-2102
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌外科治療上の問題点を明らかにする目的で, 1978年8月から1984年12月までに大阪医科大学一般・消化器外科教室で組織学的治癒切除を行った初発胃癌症例441例を対象とし, 遠隔成績と再発形式を検討した.結果, 絶対治癒切除ではps (-) 群は血行性再発が, PS (+) 群は腹膜再発が多かった.一方, 相対治癒切除ではps (-) 群はリンパ行性再発が多く, ps (+) 群は再発形式に一定の傾向を認めなかった.主再発形式別に初回手術時の主病巣の特徴を検討すると, 血行性再発は2型, 分化型癌が, リンパ行性再発は2, 3型, n2 (+), n3 (+) が, 腹膜再発はps (+), 3, 4型, 低分化型, INFγ, 硬性型癌が多く, その再発防止策を考慮すべきであると考えられた.
  • 山下 裕一, 黒肱 敏彦, 兵藤 真, 磯本 浩晴, 掛川 暉夫, 笠原 小五郎, 宮田 道夫
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2103-2107
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除術後の胃空腸吻合部潰瘍の発生要因について術後の胃酸分泌をガストリンとの関係から27手術例について検討した.15例の術後の胃酸基礎分泌量は0.114±0.184mEq/h (Mean±SD) と低く, ペンタガストリン刺激後の最高胃酸分泌量も0.398±0.465mEq/hと低値を示した.剖検例の検討からガストリンの主要存在部位は胃前庭部と十二指腸であり, これらの部位は手術により切除されるため術後にガストリンの放出は期待できないと推測された.そして, 26例に行った試験食摂取によるガストリン検査では血中ガストリンの変動は認めなかった.以上より, PD後の胃空腸吻合部潰瘍の発生要因としてガストリンを介する胃酸分泌は考えにくく, 迷走神経の関与が示唆された.
  • 上西 紀夫, 大原 毅, 定月 英一, 金子 正二, 佐野 広美, 藤間 利之, 城島 嘉昭, 浅倉 禮治, 荒木 駿二
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2108-2115
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去25年間に経験した十二指腸潰瘍穿孔92例の背景因子について年齢の面を中心に検討を行った, その結果, 平均年齢は過去20年間に約10歳高くなって来ていた.穿孔発症の季節や時間, 穿孔前の潰瘍歴の有無に関しては, 若年者と中・高年者とで異なる傾向が認められた.手術術式に関しては, 広範囲胃切除術が主に行われていたが (80/92, 87%), 穿孔部閉鎖術の10例中7例は潰瘍歴の無い急性例で, 穿孔より手術までの時間が経過している中・高年者の症例に行われていた.また, 死亡例5例はいずれも重篤な併存疾患を有する中.高年者であった.したがって, 十二指腸潰瘍穿孔は年齢によって差のある可能性が示唆され, それに応じた予防と治療が重要と考えられた.
  • 樋口 隆一, 江里口 直文, 吉田 浩晃, 溝口 博保, 鍬先 清一郎, 横倉 義武, 岡部 正之, 中山 和道, 古賀 道弘
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2116-2121
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去10年間に経験した原発性十二指腸癌10例について検討した.平均年齢65.7歳でやや女性に多かった.発生部位では乳頭上部癌が10例中8例と圧倒的に多かった.臨床症状では便潜血反応陽性を含む出血による症状がとくに留意すべき所見と思われた.存在診断, 質的診断は, 胃十二指腸造影, 十二指腸内視鏡生検で可能であるが, 他臓器原発の癌との鑑別, 浸潤範囲, 転移の有無, 手術適応の決定などには, CT, 超音波検査, 血管造影が有効であった.自験例は全例進行癌であり, リンパ節転移率は高く, 膵浸潤も高頻度にみられた.手術法は, 系統的リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除術を原則とすべきと考えられる.
  • 難波 康男
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2122-2129
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    70%肝切除犬を作成し, 肝切除後6時間, 2日, 4日, 1週, 2週で, 門脈内糖負荷を行い, 肝と末梢組織におけるインスリンのとりこみと糖の出入りを糖負荷前と糖負荷時で検討し, 以下の成績を得た.1) 肝のインスリン摂取率は, 肝切除後2日間で低下し, 4日以後上昇した.門脈内糖負荷による影響をみると, 肝切除後2日においてのみ上昇がみられた.2) 肝切除前後において, 糖は肝で一定量放出されていた.門脈内糖負荷時には, 肝切除後2日間は放出のままで, 4日以後は肝切除前と同じくとりこみを示した.以上より, 肝にとって, インスリン投与は肝切除後2日では有用であり, 糖過剰投与は肝切除後2日間は無意味ではないかと考えられた.
  • 術後経過に関与する術前因子について
    塚本 賢治, 弘中 武, 鴻巣 寛, 園山 輝久, 野中 雅彦, 牧野 弘之, 土屋 邦之, 岡 隆宏
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2130-2135
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸肝肝切除17例を対象として, 術後経過に影響をおよぼすと考えられる術前因子 (肝切除率, 術前血清総ビリルビン値, 減黄率b値, 血清アルブミン値, プロトロンビン時間, ヘパプラスチンテスト, ICGR15, K, Rmax, 50g経口糖負荷試験) と術後経過との関連についてretrospectiveに検討を加えた.減黄率b値, 血清アルブミン値, プロトロンビン時間の良好な症例では, 術後順調に経過することが多かった.術前総ビリルビン値, ICGR15が高値を示した症例では手術死亡が多くみられた.50g経口糖負荷試験において, 正常型では全例術後順調に経過したが, linear型では手術死亡例が多く, これらの因子は肝切除術の術後経過を反映していると考えられた.
  • 秋山 高儀, 永川 宅和, 萱原 正都, 神野 正博, 太田 哲生, 上野 桂一, 小西 一朗, 能登 啓文, 小西 孝司, 倉知 圓, 宮 ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2136-2141
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝内結石症の再発因子を検討するため胆管空腸端側吻合術後の再発および再燃例を検討した.対象は胆管空腸端側吻合術の施行された肝内結石症32例である.術後退院時完全切石例26例のうち5例 (19.2%) に再発をみ, 退院時結石遺残例6例のうち3例 (50%) に再燃をみた.再発例では紡錘状あるいは嚢状高度胆管拡張を呈し, ビリルビンカルシウム石以外の結石例が60%を占めた.胆管縮小率の検討では肝内結石症全体に切石後に著明な胆管の縮小を示すものは少なかった.再燃例では3年以内に症状の発現をみたが, 胆管形態に特別な傾向はなかった.以上より, 肝内結石症の再発因子として胆管拡張と結石の種類が重要と考えられた.
  • 加藤 純爾, 蜂須賀 喜多男, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 石橋 宏之, 神田 裕, 松下 昌裕, 小田 高司, 原川 伊寿, 久世 真悟, ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2142-2146
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    急性胆石膵炎で術中に膵生検を施行した43例を対象として, 膵肉眼所見および手術時期と膵組織所見との関係について検討した.
    肉眼的には正常にみえる膵でも組織学的には軽症例が36%, 重症例が5%にみられた.
    また, 発症から手術までの期間が2日以内の症例では, 組織学的に軽症型あるいは重症型の所見が68.4%にみられたが, 3日以降の待期手術例でも37.5%に軽症型がみられた.このことは胆石存在下に膵炎治療を行うことは組織学的には膵炎の改善を遷延させていることを示唆しており, 手術により早期に胆石を除去すべきであると考えられる.
  • 石川 治, 大東 弘明, 佐々木 洋, 今岡 真義, 岩永 剛, 建石 竜平
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2147-2152
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵癌発生における耐糖能障害の影響を知る目的で, N-nitrosobis (2-oxopropyl) amine [BOP] によるハムスター実験膵癌において, alloxan [AL] 投与の影響をみた.AL投与群では軽度の耐糖能障害と組織学的に一部のランゲルハンス島 [ラ島] に変性を認めた.BOP単独投与の場合と比較して, ALを前または同時に投与すると膵管上皮の異型巣・癌巣の発生数は軽度低下した.しかし杯状の粘液細胞から成る異型巣は増加していた.とくにこの種の異型巣はBOP単独投与群では主にlarge ductに認めたのに対し, AL併用群ではsmall ductにも多く発生しており, 本病変の発生領域がラ島障害を契機機に末梢側へ拡大した可能性が示唆された.
  • 下山 孝俊, 田渕 純宏, 添田 修, 仲野 祐輔, 牧山 隆雄, 石川 啓, 古川 泰蔵, 佐藤 哲也, 川口 昭男, 福田 豊, 中越 ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2153-2160
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    急性腸間膜血管閉塞症15例の原因別にみた病態と治療について検討し.本邦例を集計して考察を加えた.1) 塞栓症8例, 血栓症7例で, 塞栓症の全例に心疾患併存を認めた.血栓症は5例が動脈硬化症, 2例がイレウスに起因した.2) 全例24時間以上経過して腸切除し, 14例に腸管大量切除した.血栓症は4例救命しえたのに対し, 塞栓症は重症例が多く, 7例が2日から3ヵ月で循環障害で死亡した.3) 術後2例のアミノ酸分析から本症の術後肝障害が示唆された.4) 本邦例では約45%の救命率で, 多くは併存する循環器疾患で死亡している.本症は閉塞因子, 閉塞部位などで病態が異なるが予後不良である.病態を考慮した適切な診断と治療の必要性を強調した.
  • 大下 裕夫, 田中 干凱, 伊藤 隆夫, 加藤 元久, 加地 秀樹
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2161-2167
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Crohn病診断基準にもとついた確診9症例に対して外科的治療を行った.手術理由は腸管狭窄3例, 内科的治療に抵抗し, 病変の拡大や全身状態の悪化が認められた3例, 瘻孔形成2例, 急性腹症1例であった.病型は小腸・大腸型5例, 大腸型4例で, 8例に広範囲腸切除術を行った.他の1例は結腸瘻のみを造設した.術後再発は2例にみられ, 初回手術が結腸瘻のみであった1例に再手術を行った.術後他病死が3例あり, 高齢者の呼吸器疾患と自殺が死因であった.現在, 1例はQLIIで日常生活がやや制限されているが, 他の5例はQLIで正常な日常生活を送っている.これら9症例の臨床像.病理所見, 手術内容, 予後, 再発などについて検討した.
  • 遠藤 健
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2168-2177
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌73例を中心に, 血中CEA値を規定する因子として組織CEAを定量し, 同時にポリクローナル抗体とモノクローナル抗体による免疫組織染色で検討した.高中分化腺癌に比べて分化度の低い癌では組織CEA含量が少なく, 染色性も低下し, 血中CEA値も低かった.また高中分化腺癌でも組織CEAの染色性が低下している例では血中CEA値が低く, 経過観察の指標としてのCEAの価値は低いと考えられた.原発巣と転移巣では組織CEA含量および染色性の差を認めなかった.モノクローナル抗体によるCEAの組織染色は, 血中CEA値との相関性, 癌の組織型による染色性の差などの点でポリクローナル抗体による組織染色よりすぐれていた.
  • 井原 真都, 斉藤 典男, 更科 広実, 新井 竜夫, 布村 正夫, 高橋 一昭, 谷山 新次, 横山 正之, 井上 育夫, 鈴木 秀, 奥 ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2178-2185
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    直腸癌術前診断におけるmagneticresonance-computed tomography (MR-CT) 検査の有用性を知るため, X線CT検査の診断能と比較検討した.対象は進行直腸癌21症例である.腫瘍描出能の比較では, X線CT85.7%の描出率に対しMR-CTは95.2%と良好な成績が得られた.他臓器浸潤診断能の比較では, X線CTにおいて偽陽性例が5例に認められたのに対し, MR-CTでは1例と少なく, X線CTによる偽陽性例の除外診断に有用であった.リンパ節転移診断能では, MR-CTはX線CTに比較し造影剤を使用せずに血管の描出が可能なこと, inversion recovery (IR) 像により小さなリンパ節の描出が可能なことなどのため, 感受性において優れていた.以上の結果より, MR-CTは直腸癌術前の補助診断法において有用な検査法と考えられた.
  • 山田 一隆, 石沢 隆, 春山 勝郎, 四本 紘一, 平島 忠久, 藤原 章, 有本 之嗣, 桂 禎紀, 鮫島 隆志, 島津 久明
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2186-2190
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去14年間において教室で切除を行った直腸肛門癌は172例であり, リンパ節転移陽性症例は89例 (52%) であった.これらのうち, リンパ節跳躍転移はRaで3例, Rbで1例, Pで2例に認められ, リンパ節転移症例の7%(6/89例) を占めていた.リンパ節跳躍転移形式として, 第1群リンパ節を素通りして直接第2群リンパ節へ跳躍する形式が5例に認められた.また, 腫瘍下縁が歯状線上方2.5cmにあるにもかかわらず, 鼠径リンパ節へ転移が認められた直腸癌症例において, 第1群リンパ節から第4群リンパ節へ跳躍する形式が認められた.これらの症例における, リンパ節転移の跳躍経路について考察した.
  • 井上 晴洋, 杉原 国扶, 山下 哲男, 桜沢 健一, 竹村 克二, 波多野 誠, 毛受 松寿, 飯島 正道, 山崎 繁, 遠藤 光夫
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2191-2196
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器外科23症例について術前術後におけるアンチトロンビンIII (以下ATIII) を中心とする変動パターンを調べた.ATIIIは1PODで術前値の約80%に低下し, 4PODで改善傾向をしめし (術前の90%), 7PODでほぼ前値に復するという変動パターンをとった.他例に比べて低下傾向をしめす症例が5例認められたが, いずれも化膿性胆管炎をはじめとする重症感染症をもち術後の回復に難渋した症例であった.したがってATIIIの測定はDICにまでいたらない症例においても他のマーカーにおとらず病態の把握に有用であった.とくに1PODから4PODにおける改善の有無が術後回復期のよい指標になると考えられた.
  • 手塚 秀夫, 井手 博子, 押淵 英晃, 村田 洋子, 奥島 憲彦, 杉山 明徳, 室井 正彦, 山田 明義, 羽生 富士夫, 遠藤 光夫
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2197-2200
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 梅枝 覚, 森 孝郎, 登内 仁, 喜畑 雅文, 吉野 純爾, 永田 憲和, 中林 洋
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2201-2204
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 青木 洋三, 川口 富司, 湯川 裕史, 植阪 和修, 嶋田 浩介, 柿原 美千秋, 上田 耕臣, 佐々木 政一, 川嶋 寛昭, 竹井 信夫 ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2205-2208
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 千葉 憲哉, 古川 正人, 中田 俊則, 山田 隆平, 酒井 敦, 伊藤 新一郎, 瀬戸口 正幸, 前田 滋, 八十川 要平, 西 八嗣, ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2209-2212
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 金光 敬一郎, 平岡 武久, 杉原 重哲, 丸田 真一, 内野 良仁, 宮内 好正, 萩原 正泰
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2213-2216
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 水野 力, 堀田 哲夫, 斎藤 一史, 鳥居 敬, 船戸 善彦, 松下 豊顯, 埜村 智之
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2217-2220
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 金 聲根, 板倉 正幸, 樽見 隆雄, 田村 勝洋, 中瀬 明
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2221-2224
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 近藤 哲, 二村 雄次, 早川 直和, 長谷川 洋, 岡本 勝司, 神谷 順一, 山瀬 博史, 塩野谷 恵彦, 大塚 光二郎
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2225-2228
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 加藤 岳人, 中井 尭雄, 大場 清, 奥村 武夫, 松浦 豊, 宮崎 芳機, 佐藤 達郎, 長野 郁夫, 湯浅 典博, 上床 邦彦, 林 ...
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2229-2232
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 北野 正義, 花井 拓美, 品川 長夫, 宮池 英夫, 由良 二郎
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2233-2236
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 加藤 雅俊, 香月 武人, 谷川 尚, 甲賀 新
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2237-2240
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 梶原 建煕, 吉富 彰一, 京極 高久, 寺村 康史, 魚住 隆雄, 野木村 昭平, 村上 卓, 渥美 清, 村上 隼夫, 伊藤 忠弘
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2241-2244
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
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  • 竹末 芳生, 横山 隆, 山田 洋, 児玉 節, 立本 直邦
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2245-2248
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
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  • 鬼塚 伸也, 武藤 良弘, 山田 護, 深堀 知宏, 普久原 勉, 正 義之
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2249-2252
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
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  • 森崎 隆, 佐藤 裕, 岸川 英樹, 岩下 俊光
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2253-2256
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
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  • 山本 誠己, 尾野 光市, 浅江 正純, 稲生 誠樹, 西野 伸夫, 戸田 慶五郎
    1987 年 20 巻 9 号 p. 2257-2260
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
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