The Japanese Journal of Antibiotics
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28 巻, 1 号
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  • マウス,ラットおよび犬における経口投与による急性毒性
    坪崎 正寿, 伊藤 公一, 宮本 浩吉, 田中 建志, 関口 哲夫, 松田 明
    1975 年 28 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗腫瘍性物質であるブレオマイシン (以下BLM) の軟膏について, 経口的に摂取されるばあいを考慮し, その安全性を検討するためにマウス, ラットおよび犬を用いて経口投与による急性毒性の実験をおこなった。
  • ウサギにおける亜急性および慢性毒性実験
    田中 建志, 宮本 浩吉, 坪崎 正寿, 山下 巧, 伊沢 晶子, 森 道広, 伊藤 利, 関口 哲夫, 林 喜代子, 松田 明
    1975 年 28 巻 1 号 p. 3-18
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Bleomycim (以下BLM) は, 1962年, 梅沢らによって発見され1), 市川らが2) 最初に臨床に用いて以来, 多くの臨床家によって制癌治療剤として使用されており, その効果については, 数多くの論文8) が報告されている。
    今回我々は, 新適用法としてのBLM軟膏の安全性を確認するために, 0.5%BLM軟膏を家兎の皮膚に塗布し, 亜急性毒性実験および慢性毒性実験をおこなった。なお, 亜急性毒性は1カ月, 慢性毒性は, 急性毒性および亜急性毒性実験において毒性を発現しなかったので3カ月間投与とした。
  • ブレオマイシン軟膏の眼粘膜,皮膚に対する刺激作用の検討
    宮本 浩吉, 田中 建志, 伊沢 晶子, 山下 巧, 松田 明
    1975 年 28 巻 1 号 p. 19-36
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    塩基性抗腫瘍性抗生物質であるBleomycin (以下BLMと略す) は, 梅沢らによって発見され, 市川らによって臨床効果が確認され, その後多くの報告がみられる。今回, BLMの軟膏剤として局所適用の開発にさいして, この新らしい適用法における安全性を確認するために, 皮膚および眼粘膜の刺激性を家兎を用いて検討した。
    方法は, 皮膚および粘膜の刺激性についてのDRAIZEの方法に検討を加えた池田ら1, 2) の方法を参考にして, 皮膚刺激試験症状判定基準, 眼粘膜刺激試験症状判定基準を用いて判定した。これらについては, 組織学的検討も加えて判定した。また, 現在市販されている5-Fluorouracil軟膏 (協和醸酵株式会社)(以下5-FUと略す) との比較も試みた。
  • 三木 吉治, 川津 智是, 松田 寛, 山田 徹太郎, 加畑 明美
    1975 年 28 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1959年, BELISARIO1) によって表在性皮膚癌または表皮内癌に対する局所的化学療法が開始され, 1965年, KLEINら2) によって5%5-フルオロユラシル (以下5-FUと略す) 軟膏の閉鎖密封法が開発されて, 皮膚癌に対する治療上の新分野がひらかれた。
    私共3, 4, 5) も1969年以来, 5%5-FU軟膏を用いて皮膚の扁平上皮癌, 基底細胞癌, BOWEN病, 外陰部PAGET病などに対する効果を知り, 本治療法によって腫瘍組織が選択的に破壊, 脱落し, 治療の終了とともに周辺部の健康表皮から表皮再生がおこって疲痕治癒させうることを経験した。
    本治療法の利点は, 治療法が簡単で, 誰でもおこなうことができ, 通院治療が可能であり, また, 薬剤の吸収による全身性副作用がほとんどみられず, 患者に与える苦痛を最少限に抑えることができる点であり, また, 臨床的には明らかでない程度の小腫瘍も発見, 早期治療させうる点である。しかし, 一方で, より深い腫瘍に対しては効果の判断が困難で, 治療の中断によって再発を来たすことがあり, また腫瘍の組織学的特性と治療効果の関係が明らかでない点などの問題点も多い。そのほか, 5-FU軟膏以外の化学療法剤の効果は, まだ明らかにされておらず, 局所的化学療法と他の治療法との併用療法に関する成績も未検討である。
    1965年, 梅沢ら6) によって発見されたブレオマイシン (日本化薬, 以下BLMと略す) は, 全身投与すると, 皮膚の原発性扁平上皮癌に特異的に有効で, 急速な腫瘍の変性と縮小とがみとめられるり。しかも, 臨床効果と薬剤の組織内濃度および不活性化の程度とは, 相関関係にあることが知られている8)。
    このように, 皮膚, とくに表皮の悪性腫瘍である扁平上皮癌に特異的に抑制効果の強いBLMを表題の局所的化学療法に応用して, 皮膚癌および表皮内癌に対する臨床効果を知り, 治療面に応用する可能性を見出すのが本研究の目的である。
  • 一丁田 裕子, 山口 志保子, 山下 巧, 吉岡 修, 松田 明
    1975 年 28 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    マウス皮下に移植したWHT扁平上皮癌について, 0.5%ブレオマイシン軟膏で, 無傷および有傷皮膚からの経皮治療をおこない, 皮下腫瘍の増殖阻害および癌細胞の変性を検討した。
  • 金沢 裕, 倉又 利夫
    1975 年 28 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしい抗Penicillinase性Penicillin剤の1つであるFlucloxacillin1)について, 臨床検査としてのディスク法による感受性測定法を検討したので報告する。
    Flucloxacillinのように新らしく出現した薬剤の臨床的な感性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度 (MIC) 値の基準は全く不明で, 多くの起因菌について得たMIC値と薬剤投与による臨床効果との集計の上に, 将来定められるべきものであり, したがって適当に規定された実験条件でのMICを推定することが臨床的感受性検査の目的と考えられる。この目的に沿うように我々は, 単一ディスク (Single-disc) を用いるMIC測定を含めた化学療法剤の感受性測定についてたびたび報告してきた2~5)。今回は, Flucloxacillinについても本法が適用されるかについて検討した。
  • 猪原 和泉, 近藤 寿彦, 川上 正也, 松本 明徳, 辻谷 典彦, 中島 正己, 飯田 知子
    1975 年 28 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    病巣由来の大腸菌および緑膿菌を用いた実験的急性感染症におけるColistin methanesulfbnate (CLM) の治療効果を静脈内の投与および筋肉内投与のばあいについて比較し, さらにTetracycline (TC) およびPolymyxin B (PMB) の治療効果と比較することを目的とする。これにさいし, 投与後早期に血中有効濃度を高める静脈注射が, 感染をよりよく治療しうるような実験条件が予測される。このような観点から, 感染菌量および治療開始時間を変えた条件で, 投与経路の差による治療効果を比較した。
  • 深谷 一太, 国井 乙彦, 真下 啓明, 北本 治
    1975 年 28 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Doxycycline (DOTC) は, すでにカプセル, シロップ剤などの経口剤がひろく用いられているが, 静注用製剤が開発され, 基礎的検討をおこなったので, その成績を報告する。DOTCは, 脂溶性に富む物質であるため, 注射剤とするばあい界面活性剤を用いて水性製剤とする方法がとられ, Polyoxyethylene水酸化ヒマシ油誘導体であるHCO-60という物質が加えられている。このDOTC静注剤を少量の糖液に溶解し, One shot静注して検討した。また, 本剤の筋注を試みた成績およびDOTC Dry fillとよばれる結晶性粉末を点滴静注用輸液中に混ぜて投与したときの成績についても報告する。
  • YASUKO ISHIMURA, MASAAKI KURAMOTO, TSUNEO KATORI, SHIUNG-YI LEE, YOSHI ...
    1975 年 28 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1) Normal intestinal microbial flora (NF) in feces of rats were examined before and after administration of gentamicin (GM). Although GM caused no influence on NF after 6 hours, the number of NF decreased markedly 24 hours after GM, viz., the count of coliforms, enterococci and lactobacilli was reduced to 1/10-1/100 of the control value whileproteus and fusobacteria declines in number down to 1/100-1/1,000 times as low as the control value.
    2) The decreased count of NF tended to recover to some degree at the end of the 1st therapeutic week and the considerably recovered count continued thereafter indicating about 1/10 times as low as the control value until a 12-week experimental period, except that the count of lactobacilli returned to almost normal.
    3) Susceptibility of coliforms isolated from GM-treated rats to GM was nearly equal to that of the bacteria isolated from the untreated control rats, which revealed no development of drug resistance to GM.
    4) The increasing rate of body weight was higher in GM-treated rats than in the control, and the feed intake was consequently great in the former.
  • YOSHIE KAJIMOTO, MASAAKI KURAMOTO, YASUKO ISHIMURA, TSUNEO KATORI, SHI ...
    1975 年 28 巻 1 号 p. 74-80
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    The effect of gentamicin (GM) on the thyroid function was investigated in relation with its stimulating action to the growth of rats at a very small dose level. The results may be summarized as follows:
    (1) Changes in 131I-uptake of the thyroid after administration of GM were unremarkable. The change in wet weight of the thyroid was also unremarkable. Therefore, GM may not affect the thyroid itself.
    (2) GM-treated rats clearly showed a decrease in 131I-triiodothyronine resine sponge uptake (triosorb test) as compared with the control animals, viz., GM-treated rats indicated hypofunction of the thyroid.
    (3) Thyroxin (T4) levels in the serum, determined by 125I-Tr4e sine sponge uptake (tetrasorb test), were apparently lower in the GM-treated rats than in the control.
    (4) The thyroid function test for synthesis of the hormones revealed an increase in diiodotyrosine (DIT) value and decreases in 3, 5, 3'-triiodothyronine (T3) and T4 values in the GMtreated groups as compared with the values in the control.
    (5) In view of the above results it was obvious that GM does not cause abnormalities on iodine-uptake, iodine oxidation, organic conversion to iodinated tyrosines, deiodination and thyroglobulin. In contrast, GM may induce abnormality on coupling reaction from DIT to T3 and T4 because the increase in DIT value and decreases in T, and T4 values are seen following administration of GM. The whole of these facts seems to play an important role in stimulation to growth of rats after administration of the drug.
  • 倉本 昌明, 石村 泰子, 森本 順子, 李 雄毅, 香取 恒男, 梶本 義衛
    1975 年 28 巻 1 号 p. 81-84
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sodium cephalothin (以下CETと略す) は, 米国Eli Lilly社研究所で開発された広範囲抗生物質であり, 現在広く世界で使用されている。
    薬物の毒性発現には, 投与した薬物自体の毒性以外に, 生体内で変化を受けた代謝物が重要な影響を示すばあいもあるので, 代謝物そのものについての毒性の検討も試みられるべきであろう。
    CETの生体内変化として, この物質が投与後, 肝および腎に存在するエステラーゼにより脱アセチル化され, 下記のDesacetylcephalothin (以下DACETと略す) に変化することが確認されている1, 2)。
  • 西田 直巳, 渡辺 礼二, 川島 ひろ子, 河北 美紀子, 泉沢 晃, 高橋 謙太郎
    1975 年 28 巻 1 号 p. 85-87
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 嫌気性菌の分離培養法1) の改良に伴ない, 臨床医学においても嫌気性菌の検出率は上昇し3-6), 嫌気性菌感染症の重要性が認識されるようになつてきた。
    我々は今回, 嫌気性菌の1種であるPeptostreptococcusこよる膿胸に対して当初Benzyl penicillin (PC-G) の大量投与を試みたが改善せず, Lincomycin (LCM) の大量点滴静注によって著効をみた1例を報告する。
  • 麻酔時使用の安全性の検討
    石井 奏, 横田 博子
    1975 年 28 巻 1 号 p. 88-91
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近代外科学が発展してきた基礎には, Penicillinをはじめとした抗生物質の開発と, 他方には, 臨床薬理学と応用生理学を基礎とした麻酔学の発達に負うところがきわめて大きい。このように, 1抗生物質の出現と麻酔学の発達および普及は, 外科領域に多大の貢献をしてきたが, しかし時として, 抗生物質の副作用の点についても問題となるような諸点が指摘されるようになってきた。
    我々麻酔医の立揚から常々問題となるのは, 麻酔時の他の薬剤の使用であり, 麻酔時の患者の病態生理を考えるならば, できる限り悪影響を及ぼすような因子は除去しなければならない。手術直後の患者は, 麻酔医の管理下にあることが多く, 呼吸機能に影響を及ぼすような薬剤の使用はまつたく我々の是認できぬものである。
    一方, 患者は麻酔および手術という侵襲を加えられながら, なお感染に対する防禦をしなければならない状態にある。ここに抗生物質の使用の意味があり, しかも術後感染予防を最も効果的におこなうには, その投与方法も重要な役割を果すことになる。
    抗生物質を腹部手術時に腹腔内に投与する方法は,(1) 汚染直後に,(2) 直接汚染部位に,(3) 高濃度に, 薬剤を作用させる目的で従来から用いられている。しかし,ここで問題となるのは, 腹腔内投与は他の局所使用と異なり, 腹膜を介して血中に移行した抗生物質が全身性の作用を発揮する点で, 麻酔時に, 全身的に薬剤を投与するばあいと同じことが考えられる訳である。
    今回, 我々は麻酔学の立場から, 当院における腹部手術時に, 腹腔内投与に主として用いられている抗生物質であるSodium cephalothin (商品名, Keflin, 以下CETと略す) について, 麻酔下手術時の腹腔内投与におけるSide effects, 特に筋弛緩剤とのInteractionについて調査したので, その結果について報告する。
  • 1975 年 28 巻 1 号 p. 92-103
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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