Cephem系抗生物質で1-Methyl-1-
H-tetrazol-5-yl-thiomethyl基を3位に有する薬物は, Vitamin K依存性凝固因子の欠乏に起因する出血傾向が注目されているが, Vitamin K欠乏時に特異的に出現する異常プロトロンビン (Protein induced by vitamin K absence or antagonist (PIVKA-II)) の存在が重要である。
Cefotetan (CTT) も本基を有するが, CTTの産婦人科領域への術後感染予防 (142例), 感染症 (5例) に投与し, PIVKA-IIの変動, 臨床検査値の異常, 自他覚的副作用などについて検討した。
1.CTT投与時のPIVKA-IIの変動では, 投与前陽性率は1例/81例 (1.2%), 投与14日目で6例/81例 (7.4%) であつた。
2.軽度の下痢は投与後2~5日目に8例/117例 (6.8%) に認められたが, 出血傾向を始め, 臨床検査値及び自他覚的副作用は1例も認められなかつた。
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