The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
42 巻, 10 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 千村 哲朗, 森崎 伸之, 平山 寿雄, 松尾 正城
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2065-2068
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域の感染症10例に対し, Cefodizime (CDZM) の点滴静注投与 (2~4g/日) による臨床効果を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 子宮内感染5例 (産褥子宮内膜炎3例, 子宮内膜炎1例, 産褥熱1例), 骨盤内感染2例 (骨盤死腔炎1例, 子宮旁結合織炎1例), 外性器感染3例 (バルトリン腺膿瘍3例) の計10例に対する臨床効果は, 著効3例, 有効6例, 無効1例で9例/10例 (90%) に有効率を認めた。
    2. 細菌学的効果では, 菌陰性化3例, 菌交代2例, 菌減少1例, 菌出現1例, 不明3例であった。
    3. 本剤投与による自他覚的副作用及び臨床検査値の異常は認められなかった。
    新しく開発されたCephem系抗生物質の一つであるCefodizime (CDZM) はCephalosporin骨格の7位にはCefbtaximeと同様の基を有するが, 3位にThiazolylthiomethyl基を新たに有することにより, 半減期が延長し, Disulfiram様作用がなく, 血液凝固系へ影響を与えない物質と言える。
    本剤の抗菌スペクトルは, 広域でEnterobacteriaceaeをはじめ, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Haemophflus influenzaeなどに対し強い抗菌力を有し, 組織移行性も優れ, 血中半減期は2~25時間と報告されている1)。
    すでに臨床第II相試験の産婦人科領域での報告でも, 50例の各種感染症に対する臨床効果で44例/50例 (88.0%) に, 又, 分離菌別臨床効果で88.6%を認めている。今回, 我々は本剤の臨床試験に関する全国研究会に参加し,臨床的有用性を検討する機会を得たのでその成績を報告する。
  • 張 南薫, 福永 完吾, 國井 勝昭
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2069-2081
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいセフェム系抗生物質Cefodizime (CDZM) について産婦人科領域で, 組織移行性, 骨盤死腔滲出液移行性, 臨床成績を検討し, 以下の結果を得た。
    本剤1g, 点滴静注 (30分) 後の骨盤内性器組織内濃度を測定し, 組織移行が良好であることを認めた。最高濃度は子宮動脈血清56.25μg/ml, 各組織23.56~40.64μg/gで, 主要病原菌に対するMIC80を越えていた。
    骨盤死腔滲出液中にも良好な移行を示し, 最高6.25~6.52μg/mlが認められた。
    産婦人科的感染症17例に対し, 主として本剤1回1g, 1日2回投与で15例 (88.2%) に臨床効果, 83.3%に細菌学的効果を認め, 副作用はなかった。
    Cefodizime (CDZM) ばヘキスト社 (西独) とルセル社 (仏) で合成, 開発された新しい注射用セフェム系抗生物質である。
    本剤はセファロスポリン骨格の7位にCefotaximeと同様のsyn-Methoxyiminoaminothiazolyl基を有し, 3位にMercaptothiazolyl基を配した構造を有する。
    本剤は広域の抗菌スペクトルを有し, β-Lactamaseに対しては一部のCephalosporinase型を除き,ほとんどのβ-Lactamaseに安定で, いわゆる第3世代セフェム系抗生物質と同等の抗菌力を示す1)。
    本剤は静脈内投与により投与量に比例した高血中濃度が得られ, 組織移行性も良い1)。
    本研究においては, 本剤の産婦人科領域における有用性を評価するため, 骨盤内性器組織や骨盤死腔滲出液への移行と, それらの薬動力学的解析を行い, 一方, 産婦人科的感染症に対する効果と副作用を検討した。
  • 林 保良, 岩田 嘉行
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2082-2089
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefodizime (THR-221, CDZM) について婦人科領域における基礎的, 臨床的検討を行い次の成績を得た。
    1. 子宮組織内及び骨盤死腔液中移行
    CDZM1gを60分点滴静注後摘出した子宮各組織内濃度及びCDZM2gを20分点滴静注後の骨盤死腔液中濃度は婦人科領域感染症から検出頻度の高いグラム陰性桿菌, 嫌気性菌の発育を阻止するに十分な濃度であった。
    2. 臨床的検討
    骨盤腹膜炎4例, 子宮付属器炎3例にCDZM2~4g/日, 6~14日間投与したところ, 臨床効果はすべて有効であつた。2症例に軽度の肝機能検査データの上昇は認められたが特別の治療を加えることなく回復し, その他の副作用も経験しなかった。
    西独ヘキスト社と仏ルセル社で合成,開発されたCefbdizime (THR-221, 以下CDZMと略す) はいわゆる第3世代の注射用セフェム系抗生物質である。その化学構造式は図1に示すとおり, セファロスポリン骨格の7位にセフォタキシムと同様のsyn-Methoxyiminoaminothiazolyl基を有し, 3位に (5-Carboxymethyl-4-methyl-2-thiazolyl) thiomethyl基を有しているが, このThiazolylthiomethyl基を配したため, 生体内の代謝を受けず長い半減期を有し, 一部の第3世代セフェム系抗生物質にみられるDisulfiram様作用及び血液凝固系への影響がみられない物質である。本剤は広域抗菌スペクトルを示し, 特にEnterobacteriaceae, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumontae, Haemophilus influenzae,Neisseria gonorrhoeaeなどの菌に対し強い抗菌力を有する。
    一方,in vlvoの感染動物実験の結果, MICから期待された以上の優れた抗菌力を示し, 高度の臓器組織移行が認められ, 更に白血球やマクロファージによる殺菌増強効果が認められた点は注目すべき主特徴と考えられる。CDZMは国内外ですでに基礎的, 臨床的検討が多数行われ, 有効性及び安全性共に良好な結果1)を得ているが, 今回, CDZMの婦人科領域における基礎的及び臨床的検討を行う機会を得たのでここに報告する。
  • 木下 吉登, 水谷 栄彦, 友田 豊, 丸山 孝夫, 服部 専英, 真野 紀雄
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2090-2097
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用セフェム系抗生物質Cefodizime (CDZM, THR-221) の婦人性器への移行性並びに婦人性器感染症に対する臨床効果について検討し以下の結論を得た。
    1. 婦人性器への組織移行性
    CDZM 1gを60分間の点滴静注にて投与し, 血液及び各組織における本剤の移行性を検討した。
    血清中濃度は点滴静注終了15分後に90.63μg/mlを示し, 以後経時的に漸減した。
    各組織では, 卵巣45.32~10.96μg/g, 卵管26.58~10.20μg/g, 子宮内膜42.20~9.80μg/g, 子宮筋層31.28~11.72μg/g, 子宮頸部42.20~12.52μg/g, 子宮腟部45.32~9.40μg/gの範囲を示し, 投与終了後3時間以上にわたり高濃度を持続した。
    2. 婦人科領域感染症の臨床効果
    10例の婦人科領域感染症に対して, CDZM 1回1~2gを1日2回点滴静注した。
    症例の内訳は骨盤腹膜炎7例, 子宮溜膿腫, バルトリン腺膿瘍, 産褥熱の各1例であった。
    臨床効果は著効3例, 有効7例で有効率100%であり, 分離菌に対する細菌学的効果は消失6例, 不明2例で消失率100%であった。
    又, 本剤投与によると思われる副作用及び臨床検査値異常は認められなかった。
    以上の結果から, 本剤は婦人科領域感染症の治療に対して, 有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 花田 征治, 金原 敏弘, 青木 耕治, 安井 美絵, 生田 克夫, 万歳 稔, 水野 金一郎, 八神 喜昭, 坂井田 宏, 奥村 豊, 今 ...
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2098-2106
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいセフェム系抗生物質Cefodizime (THR-221, CDZM) の産婦人科領域の感染症に対する臨床応用を目的として基礎的, 臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1. CDZM 1gをOne shot静脈内投与後の骨盤内性器の組織内濃度は, 平均84分後に15.32 (子宮体部筋層)~23.33 (卵管) μg/g, 平均195分後に13.96 (子宮内膜)~22.43 (卵巣) μg/gと優れた組織移行性が認められた。
    2. 更にCDZMは投与後骨盤死腔液中へも速やかに移行し, 2時間後11.20μg/mlと頂値を示したのち, 投与後6時間にわたって有効濃度が維持された。
    3. 産婦人科領城の感染症8例に対しCDZMによる治療を行い, 有効率100%と極めて高い有効性が認められた。副作用は1例も認められず, 2例で軽度の臨床検査値異常を認めたが, 投与を中止するほどのものでなく, 安全性も高い薬物であると考えられた。
    以上の結果から, CDZMは産婦人科領域の感染症に対し有用な薬剤であることが示唆された。
  • 伊藤 邦彦, 中川 美紀, 馬渕 道夫, 玉舎 輝彦, 早崎 源基, 山田 新尚, 伊藤 直樹
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2107-2119
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用抗生物質であるCefodizime (CDZM, THR-221) について, 性器組織への分布, 骨盤死腔浸出液及び母乳への移行性並びに産婦人科感染症に対する治療効果に関する検討を行い, 以下の結果が得られた。
    1. CDZM1gを60分点滴静注した場合, 本剤の血清中濃度は, 点滴静注終了時に53.51μg/mlを示し, 以後, 急速に減少した。又, 各性器組織内濃度は, いずれもピーク時に20μg/g以上の値を示した。
    CDZM1gを60分点滴静注した場合, 骨盤死腔浸出液への移行は投与開始2.67時間後に7.01μg/mlのピーク値を示し, 以後, ゆつくりと減少し, 8時間後においても4.93μg/mlの値を示した。CDZM1gを60分点滴静注した場合, 母乳への移行は投与開始2時間後あるいは3時間後に0.13~0.36μg/mlのピーク値を示し, 他のセフェム系抗生物質と同様な値を示した。
    2. 臨床的には, 産婦人科感染症6例に, 1日2~69を60分点滴静注にて検討した。有効5例, 無効1例の結果が得られ, 有効率は83.3%であった。副作用及び臨床検査値異常例は1例も認められなかつた。
  • 山元 貴雄, 保田 仁介, 金尾 昌明, 岡田 弘二
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2121-2127
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたセブヱム系抗生物質であるCefodizime (THR-221, CDZM) に関する臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    子宮内感染4例, 子宮付属器炎1例, 子宮労結合織炎1例, 骨盤死腔炎1例, 感染性リンパ嚢腫3例, 計10例の産婦人科感染症に本剤投与を行った結果, 著効1例, 有効4例, 無効5例で, 有効率は50.0%であつた。
    細菌学的効果は10株中消失4株, 存続5株, 不明1株で消失率は44.4%を示した。
    本剤投与を行った全例に自他覚的な副作用は認められなかったが, 臨床検査値異常として1例にGOT, GPT, Al-Pの一過性の上昇が認められた。
  • 中桐 善康, 奥田 博之, 新居田 一尚, 近藤 恒正, 佐能 孝, 西 睦正, 山下 浩一, 鈴木 康之, 江口 勝人, 関場 香
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2128-2134
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新セフェム系抗生物質Cefodizime (THR-221, CDZM) について基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 子宮筋腫手術適応患者4例に対して, CDZM 1g点滴静注を行い, 投与終了2時間後の子宮組織及び子宮付属器への移行濃度を測定した。その結果, 卵管で最も高く13.7μg/g (子宮動脈血中濃度の91.3%) であった。卵巣, 子宮腟部, 子宮頸部, 子宮内膜がそれに次ぎ, 子宮体部筋層で最も低く8.3μg/g (子宮動脈血中濃度の55.3%) であつた。
    2. 子宮頸癌広汎子宮全摘術後患者5例に対して, CDZM 2g点滴静注を行い, 骨盤死腟液への移行濃度を測定した。その結果, 投与終了3時間目において11.7μg/mlのピーク濃度を示し, 投与終了6時間目でも9.5μg/mlであり, 静脈血中濃度よりも高値を示した。
    以上, 子宮組織及び子宮付属器並びに骨盤死腔液への移行濃度は大部分のグラム陰性菌, グラム陽性菌に対するMICを上回るものであり, 十分な治療効果が期待される。
    3. 産婦人科感染症11例に対して, 総量8~48gのCDZMを使用し, 著効3例, 有効8例を得た。又, 10例から8菌種の菌が分離された。
    4. 本剤投与によると考えられる副作用及び臨床検査値異常は, 基礎的並びに臨床的検討において認められなかった。
    以上のことから, 本剤は有用で且つ, 安全な薬剤と考えられる。
  • 柳川 達生, 仲村 秀俊, 武井 泉, 丸山 博, 片岡 邦三, 猿田 享男, 小林 芳夫
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2135-2140
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々はKlebsiella pneumoniae髄膜炎, 肝膿瘍を呈した成人例に, Cefotaxime (CTX) を投与し, 治癒させた本邦初と思われる症例を経験したので報告する。
    症例は53歳, 男性。主訴は発熱, 頭痛。昭和59年に人間ドックで糖尿病を指摘されたが放置していた。昭和63年6月3日, 39℃台の発熱を認め, 多飲多尿, 体重減少をきたすようになった。11日から激しい頭痛を自覚し, 13日, 糖尿病性ケトアシドーシスのため緊急入院となった。入院後, 髄液検査により細菌性髄膜炎と診断し直ちにAmpicillin (ABPC), CTXそれぞれ12g/日の静脈内投与を開始した。血液, 髄液の培養でK. pneumoniaeが検出された時点からABPC投与を中止, Gentamicinを2日間投与し, CTXを投与継続した。分離したK. pneumoniaeに対するCTXのMICは0.05μg/mlであった。髄膜炎の感染源検索中, 孤立性肝膿瘍を認めたが, CTXの継続で完全に消失した。
    本例では髄膜炎, 肝膿瘍に対してCTXは有効であった。又, 肝膿瘍の発症経路は不明であった。髄膜炎は肝膿瘍による菌血症に続発したものと考えられた。
  • その1. 感受性について
    小酒井 望, 熊本 悦明, 広瀬 崇興, 田仲 紀明, 引地 功侃, 茂田 士郎, 白岩 康夫, 吉田 浩, 尾形 正裕, 田崎 寛, 入 ...
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2141-2173
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1986年7月から10月までの間に, 8施設の臨床医により, 尿路感染症の原因菌と認められた菌株を調査用紙と共に, 順天堂大学医学部中央臨床検査室に集め, 菌種の同定を行い, その各種薬剤感受性をMIC2000を用い測定した。総菌株数は924株で, 測定に用いた薬剤は菌種によつて相違があるが, 総計34種である。菌種別にみると, Escherichia coliが最も多く, Pseudomonas aeruginosa, Enterococcus faecalis, Serratia marcescens, Klebsiella pneumoniae,Citrobacter freundii, Proteus mirabilis, コアグラーゼ陰性Staphylococci, Staphylococcus aureusと続く。これら菌種で全分離株の79.7%を占めた。
    本年度は新たにグラム陽性菌には, Flomoxef, Imipenem (IPM), 抗緑膿菌作用をIPM, Ciprofloxacin, Norfloxacin及びアミノ配糖体系薬剤の種類を増やして調査した。これら薬剤は一般に強い抗菌力を示した。従来からの調査薬剤は菌種によつて差があるが, いわゆる第3世代セフェム系薬剤はP.aeruginosaを除くグラム陰性菌に対して比較的強い抗菌力を示した。
  • その2. 患者背景
    小酒井 望, 熊本 悦明, 広瀬 崇興, 田仲 紀明, 引地 功侃, 茂田 士郎, 白岩 康夫, 吉田 浩, 尾形 正裕, 田崎 寛, 入 ...
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2175-2188
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1986年7月から10月までの間, 8施設において尿路感染症の原因菌と認められる菌株と, その患者背景を記載した調査用紙を集め, 調査用紙の全項目が記載されていた562症例と, その717菌株について患者背景を集計, 検討した。尿路感染症は単純性, 複雑性 (カテーテル非留置), 複雑性 (カテーテル留置) の3群に区分した。そしてこの3区分と性別, 年齢, 分離菌種の関係, 又, 分離菌種と性別, 年齢の関係等を検討した。いずれにおいても著しい差が認められた。更に感染症の3群別に, 薬剤投与前, 投与3日以内, 投与4~7日, 投与8日以降と区分して, 分離菌種との関係を検討したところ, 薬剤投与期間が長くなるに伴つて, 菌種にかなりの変化が認められた。
  • その3.感受性の推移
    小酒井 望, 熊本 悦明, 広瀬 崇興, 田仲 紀明, 引地 功侃, 茂田 士郎, 白岩 康夫, 吉田 浩, 尾形 正裕, 田崎 寛, 入 ...
    1989 年 42 巻 10 号 p. 2189-2312
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    尿路感染症を単純性, 複雑性 (カテーテル非留置), 複雑性 (カテーテル留置) の3群に分けて, 主要な原因菌であるEscherichia coli, Klebsiella spp., Citrobacter spp., Enterobacter spp., Proteus spp., Serratia marcescens及びPseudomonas aeruginosaについて, 1986年分離株と1982年から1986年までの5年間の分離株合計の各種抗菌・抗生剤に対する感受性を比較した。
    どの菌に対しても, 1986年に特に耐性株の増加が認められる薬剤はなかった。しかし, 1982年から1986年までの合計株について3群を比較すると, 複雑性尿路感染症からの菌株が単純性尿路感染症のそれに比べて, 又, 複雑性尿路感染症でもカテーテル留置群からの菌株が非留置群のそれに比べて, 耐性株が多い傾向がみられた。
feedback
Top