The Japanese Journal of Antibiotics
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44 巻, 12 号
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  • YASUTAKA TAKEDA, TETSUYA KANEKO, AKIO MATSUZAWA
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1323-1328
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    A transplantable mouse T cell leukemia, DL 812, is characterized by high sensitivity to 3-[(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl) methyl]-l-chloroethyl)-l-nitrosourea hydrochloride (ACNU) and intensive systemic infiltration. When subcutaneously inoculated, DL812 cells invade many organs and cause marked splenomegaly without forming local tumors. Disseminated DL812 leukemias are clinically completely cured by a single intraperitoneal injection of l mg ACNU, but more ACNU resistant leukemias relapse immediately. A novel antitumor antibiotic, spergualin, is effective against various mouse leukemias. The effects of its analog with stronger anti-leukemia activity, 15-deoxyspergualin (DSG), on the relapse of DL812 leukemias after ACNU treatment were investigated. DDD mice were subcutaneously inoculated with 106 DL812 cells and intraperitoneally injected with l mg ACNU once on day 11 and with 100μg DSG daily from day 12 on. The relapses were clinically completely suppressed for at least 30 days.WINN assays with spleen cells revealed that host immunity did not play a major role in maintenance of the clinical cure.Thus, when DSG treatment was discontinued after 15 or 30 daily injections, leukemias relapsed immediately. When it was extended to 50 daily injections, permanent cure was attained in 1 of 15 mice but relapses occurred under DSG treatment in the others. DSG is available for combined treatment of the leukemia. The current and previous results suggest that DL812 leukemias may serve as a model in study on immunochemotherapy of the disease.
  • その1.1濃度ディスク法/3濃度ディスク法による場合
    猪狩 淳
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1329-1340
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    全国各地の病院臨床検査部の協力を得て, 各種臨床材料から検出された細菌の抗菌薬感受性の現状を全国的規模で調査した。なお, 今回の調査は第2回目である。調査期間は1989年9~12月の4ヵ月。参加施設380病院。調査に供した総菌数は75,720株。
    菌の同定と薬剤感受性試験の成績は各施設で日常検査として実施したものを所定の調査用紙に記入, これらを回収し, 解析した。
    薬剤感受性測定法は1濃度ディスク法 (昭和ディスク) と3濃度ディスク (トリディスク栄研) である。
    Imipenem (IPM) に対する感受性が極めて良好 (感性率90%以上) であった菌種はStreptococcus pnrmrnae, Neisseria gonorrhoeae, Moraxella catarrhalis, Escherichia coli, klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Acinetobacter calcoaceticus, Bacteroides fragilisであり, 感性率が80~90%の菌種はEntococcus faecalis, Haemophilus infuenzae, Snmatia marcescens, Proteus mirabi1is, Morganella morganii, Pseudomonas aeruginosa, Achromobacter xylosoxidansであった。Staphylococcus aureusは70%, Coagulase-negative staphy1occi (CNS) は76%, MRSAは50%の株が感性を示した。Xanthomonas maltophiliはほとんどの株が耐性であった。又, S.aureus, CNS, E.faecalis, P.mirabilis, P.aeruginosaで, 1988年分離株と比べ, 感性株の減少がみられた。
    IPMが他の抗菌薬より強い抗菌力を示した菌種は, E.faecalis, E.cloacae, C.freudii, S.marcescen, P.aeruginosa, B.fragilisであり, MRSAに対してはMinocycline以外に強い抗菌力を持っ薬剤はなかった。
  • 小長 英二, 竹内 仁司, 折田 薫三, 淵本 定儀, 小川 潔, 北川 尭之, 徳田 直彦, 木村 秀幸, 浜田 史洋, 西山 宜孝, 桑 ...
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1341-1350
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    胆道感染症, 腹膜炎を中心とする外科領域感染症を対象に, Imipenem/Cilastatin sodium筋注用の有効性と安全性の検討を岡山大学第1外科並びに関連病院の多施設共同研究で行い, 次の結論を得た。
    1.評価対象症例は25例であり, 有効率は72.0%であった。胆嚢炎では81.8%と良好な有効率であった。
    2.基礎疾患の有無別による有効率は, 有りの場合70.0%, 無しの場合には73.3%であった。又, 対象疾患の重症度別には, 軽症, 中等症でそれぞれ71.4%, 重症で75.0%とむしろ重症例で高い有効率であった。
    3.細菌学的効果については, グラム陽性菌では100%, グラム陰性菌では62.5%, 全体では78.6%の菌消失率であつた。又, 単独菌感染の場合には71.4%, 複数菌感染の場合には100%であった。
    4.安全性評価については, 1例で下痢, 5例で臨床検査値異常が認められた。いずれも重篤なものは無かった。
    5.主治医による満足度で行う有用性判定は60.0%の有用率であった。疾患別には胆嚢炎では72.7%と高かったが, 胆管炎では33.3%と低い判定であった。
  • 千村 哲朗, 阪西 通夫, 山崎 邦夫, 宮田 禮輔, 横山 幸生, 松尾 正城, 小田 隆晴, 木原 香織, 金杉 浩, 高橋 秀幸, 斉 ...
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1351-1358
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域感染症の代表的疾患である子宮内感染症の患者27例を対象として, Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) の新しい投与経路 (筋注) による有効性と安全性を検討し, 以下の成績を得た。
    1.IPM/CS0.25g/0.25g×2/日 (3例), 0.5g/0.5g×2/日 (22例), 投与量変更 (2例) をリドカイン溶液に懸濁し, 啓筋部へ注射した。投与期間は3~11日間で, 総投与量は1.5g/1.5g~9g/99である。
    2.臨床効果は著効7例, 有効19例, 無効1例で, 有効率は96.3%であった。他剤無効の8例に対しても全例著効もしくは有効であった。
    3.細菌学的臨床効果は95.8% (23株/24株) であり, 細菌学的効果では菌消失率76.2% (16株/21株) を示した。
    4.IPM/CS投与による自他覚的副作用は全例で認められなかった。臨床検査値の異常としては, 1例に一過性のGOT, GPTの上昇が認められた。
  • 松田 静治, 王 欣輝, 舘野 政也, 小嶋 康夫, 平林 光司, 岡田 悦子, 土光 文夫, 河相 淳一郎
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1359-1367
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) 筋注用製剤を産婦人科感染症の患者22例に使用し, その有効性と安全性を検討した。IPM/CSは500mg/500mgを1日2回3~7日間, リドカイン注射液に懸濁し, 啓筋部へ注射した。有効性評価対象 (子宮内感染) は19例, 安全性評価では全22例を対象とした。
    1.臨床効果は著効6例, 有効11例, 無効2例で, 有効率は89.5%であつた。前投与抗菌剤が無効であった14例中13例で著効もしくは有効を示した。
    2.細菌学的効果では, 消失5例, 減少2例, 不変3例, 菌交代3例で, 菌消失率は61.5%となった。
    3.副作用として1例に発疹と全身蚤痒感が認められたが, 臨床検査値異常は全例で認められなかった。
  • 伊藤 章, 寺田 秀夫, 有森 茂, 小松田 光真, 三島 研吾, 石田 尚志, 小池 満, 岡田 定, 入交 昭一郎, 原田 契一, 小田 ...
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1368-1375
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    真菌症並びに真菌症が強く疑われる症例にMiconazoleを投与し, 以下の結果を得た。
    1.53例中, 著効6例, 有効37例, 無効8例, 判定不能2例で有効率84.3% (43例/51例) であつた。
    2.真菌症と確定診断し得た症例21例中, 14例で真菌の消失が, 4例で減少が認められた。
    3.胸部x線所見では23例中1例で陰影像の消失が, 14例で改善が認められた。
    4.53例中5例 (9.4%) に吐き気, 嘔吐等の副作用の発現が認められた。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 中根 豊, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1376-1385
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1990年1月~12月に全国の医療施設から送付されてきた, 臨床分離株及び各種感染症患者採取材料から分離・同定したMethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) 多数株の生物学的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1.供試1,047株の内訳は動脈血・静脈血由来6.9%, 気道系由来43.3%, 外科・皮膚科領域由来30.2%, 耳鼻咽喉科・眼科領域由来3.8%, 泌尿器科領域由来7.2%, 糞便由来5.1%, その他3.6%であり気道系由来株が高い割合だった。
    2.コアグラーゼ型はII型76.4%, III型2.1%, 1V型15.4%, VII型5.3%, その他0.8%でありII型が高い割合に認められた。
    由来別では気道系由来株はII型の割合が有意に高く, 外科・皮膚科領域, 耳鼻咽喉科・眼科領域由来株にはIV型の占める割合が高い傾向が認められた。
    一方, コアグラーゼ型の分布は施設別には偏重する傾向だったが, 地域別には大きな差異が認められなかった。
    3.エンテロトキシン型はA型22.8%, B型10.5%, C型54.9%, その他11.7%でC型の割合が高く, C型はコアグラーゼII型, 更にA型はコアグラーゼIV型との有意な相関が認められた。
    4.Methicillinの最小発育阻止濃度値 (MIC) 値) ≥100μg/mlを高度のMRSA, 同じく≤50μg/mlを中程度のMRSAとすると, コアグラーゼII型株は高度のMRSAが94.8%であるが, コアグラーゼIV型株は中程度のMRSAが78.9%であり, 高度のMRSAはコアグラーゼII型に有意に偏重していた。
    5.これら多数のMRSAに対するVancomycin (VCM) のMIC50は0.78 μg/ml, 更にMIC90は1.56 μg/mlであり, VCMは近年において我が国で分離されるMRSAに対しても強い抗菌活性を発揮し得ることが示唆された。
  • I. Minocyclineとの併用効果
    出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 中根 豊, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1386-1391
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefodizime (CDZM) は広範囲な抗菌スペクトルと比較的長い血中半減期などを有することから, 黄色ブドウ球菌を対象にMinocycline (MINO) とのin vitroにおける抗菌併用効果を検討した。
    1. Methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA) に対する両薬剤の抗菌併用効果は, 大部分がMINOの1 MIC濃度存在下でFIC index>0.5~ ≤2を示すことから, S. aumsに対する両薬剤の抗菌併用効果が示唆された。
    2. Methicillin-resistant S. aureus (MRSA) に対する両薬剤の抗菌併用効果は, MINO感性株においては臨床的に期待し得るMINOの1 MICもしくはsub MIC濃度存在下においてFICindex≤0.5~ ≤1を示すことから, MRSAのMINO感性株に対する両薬剤の抗菌併用効果が示唆された。
    しかし, MRSAのMINO耐性株においては, 両薬剤の抗菌併用効果はほとんど認められなかつた。
    3. MRSAを含むS. aureusに対する両薬剤の抗菌併用効果は, MINO感性株においてはCDZMのMIC値が高度・中程度には無関係に発揮されるが, MINO耐性株では期待できない。これにより, S. aureusに対する両薬剤の抗菌併用効果は, MINOの抗菌活性に依存することが示唆された。
  • 板垣 信生, 長谷川 廣文, 坂口 美佳, 大野 卓志, 岩本 一郎, 堀内 ひろみ, 辻野 正隆, 高橋 計行, 今田 聰雄, 堀内 篤
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1392-1396
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    維持透析を施行中の慢性腎不全患者に対して, Cefodizime (CDZM) の投与を行い, その体内動態を測定した。又, 連続投与を行いその結果から外来透析患者に対する投与量と投与間隔について検討した。
    1.透析中の体内動態では, 開始時1g投与5分後の血清中濃度は, 平均値192.0±31.6mg/L, T 1/2β は3.50±0.72時間であった。
    又, 同時に測定した透析液中の濃度は, 投与5分後で8.46±2.70mg/L, 45時間後は0.63±019mg/L であった。
    2.非透析日の体内動態は, 透析翌日1g投与5分後の血清中濃度は241.0±78.5mg/L, 24時間後24.8±17.0mg/Lであり, T 1/2β は11.26±3.89時間であった。
    3.連続投与を行った結果, 1g投与例の5分後の血清中濃度は215~266mg/Lであり, 2日後の透析前値で1.02~1.27mg/L, 透析後の値は0.44~0.48mg/Lであつた。2g投与例では, 5分後の血清中濃度は279~493mg/Lであり, 2日後の透析前値で7.57~7.70mg/L, 透析後の値は4.63~5.45mg/Lであった。
    以上の結果から, 外来通院中の維持透析患者にCDZMを投与する際には, 軽症感染症で1g, 中等症以上では2gの投与量で, 透析終了時だけの投与で効果を期待できるものと思われた。
  • 金沢 裕, 関根 等, 倉又 利夫, 齋藤 齋, 村田 敦, 荻野 亜由美
    1991 年 44 巻 12 号 p. 1397-1406
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpiromeについて, 40種類, 232株の菌を用いて寒天平板2倍希釈法によるMIC値と, 30μg含有ディスクによる阻止円直径を測定した。その結果として, 普通法 (1夜16時間培養判定), 遅延判定 (24時間程度培養), 迅速5~6時間法, 迅速3~4時間法など各々についてMIC値と, 阻止円直径との関係を示す1次回帰曲線を求あることができ, Single-disc法の成立することが確かあられた。その際1次回帰式は普通法でDiameter (mm)=26.7-9.210g MIC (μg/ml), 遅延判定法ではDiameter (mm)=33.8-12.710g MIC (μg/ml) eあった。
    迅速5~6時間法ではDiameter (mm) =21.2-6.710g MIC (μg/ml), 迅速3~4時間法ではDfameter (mm)=14.8-4.110g MIC (μg/ml) であった。次いで感受性ディスク法として阻止円の直径からMIC値を推定した場合のMIC値の変動幅と, 寒天平板2倍希釈法によるMIC値の変動幅を求めて, 本感受性ディスク法に対する実験誤差推定の参考とした。
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