Cefetamet pivoxil (CEMT-PI) の市中気道系感染症に対する臨床的, 細菌学的効果を1994年の検討とほぼ同様に実施して, 以下の結果を得た。
1 臨床的検討は1996年1月~3月上旬に東京都, 神奈川県, 埼玉県, 千葉県内の41施設において, 同一プロトコールて431症例にCEMT-PIか投与された。症例の内訳は981%か外来患者て女性か526%とやや多く, 診断名は咽喉頭炎535%, 扁桃炎204%, 急性気管支炎191%等てあった。
2 疾患別臨床効果(著明改善+改善)は咽喉頭炎, 扁桃炎, 急性気管支炎は共に850%以上の改善率てあったか, 他は症例数か少ないものの, 慢性気管支炎の急性増悪667%, 肺炎500%, 気管支拡張症の感染時167%の改善率にととまっていた。なお, 1錠×2回, 2錠×2回の臨床効果は今回においては有意な差か認められなかった。
3 細菌学的検討は, あらかしめ検体採取と管理, 輸送方法を詳細に記載した印刷物を各施設に配布し, 推定起炎菌の分離・同定, 最小発育阻止濃度 (MIC) の測定及ひβ-ラクタマーゼ産生のチェノクは東京総合臨床検査センター研究部にて一括して実施した。274症例(636%)からは何らかの推定起炎菌か検出されたか, Haemophilus influenzae 88株, Streptococcus pneumoniae 47株, Streptococcus pyogenes 42株, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis 20株, Klebsiella pneumoniae subsp pneumoniae 17株か主な菌種てあった。疾患別の推定起炎菌は扁桃炎はS pyogenes, 急性気管支炎と慢性呼吸器疾患の二次感染はS pneumoniae, 咽喉頭炎はHinfluenzaeか共に高い割合てあり, 推定起炎菌別臨床効果はCEMT適応菌種の改善率844%, CEMT適応外菌種692%てあった。
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