The Japanese Journal of Antibiotics
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50 巻, 9 号
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  • 砂川 慶介, 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 寺嶋 周, 目黒 英典, 楠本 裕, 加藤 達夫, 秋田 博伸, 五島 敏郎, 横田 隆夫, 豊永 ...
    1997 年 50 巻 9 号 p. 739-755
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近臨床の現場て増加傾向かあり問題となっているペニノリン耐性肺炎球菌に対して優れた抗菌力を有するfaropenemを小児科領域て40例を対象に臨床試験を実施した。
    本試験は既に実施された小児科領域の臨床試験において注目された便性の変化を詳細に検討することを目的に計画され, 整腸剤の併用の有無にわけて, 連日便性の変化を主要評価項目の一つとした。
    便性に変化の観察された症例は単独群947%, 整腸剤併用群632%てあり, 併用の効果か認められた。なお, 下痢に対する対症療法の有無に関わらす, 便性に変化の認められた症例も全例か投与中または投与終了4日以内に便性は回復した。
    呼吸器感染症を中心とした臨床効果は有効率946%と優れた成績てあった。
    ペニノリン耐性肺炎球菌か分離された症例は4例て, 本剤は cefditoren (CDTR) を除く他のペニノリノ, セフェム系抗菌薬に比へて優れた抗菌力を示し, 臨床効果は全例て有効, 3例て除菌されていた。
    下痢を含む安全性に関する検討においても重篤な副作用は認められなかった。
    原因菌として肺炎球菌か多い小児科領域の感染症に対して本剤は有効な薬剤てあり, 便性に注意をはらって使用すれは有用な薬剤と考えられた。
  • 嶋田 甚五郎, 石原 理加, 鈴木 由美子, 石井 由紀子, 中澤 ありさ, 出口 浩一
    1997 年 50 巻 9 号 p. 756-767
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefetamet pivoxil (CEMT-PI) の市中気道系感染症に対する臨床的, 細菌学的効果を1994年の検討とほぼ同様に実施して, 以下の結果を得た。
    1 臨床的検討は1996年1月~3月上旬に東京都, 神奈川県, 埼玉県, 千葉県内の41施設において, 同一プロトコールて431症例にCEMT-PIか投与された。症例の内訳は981%か外来患者て女性か526%とやや多く, 診断名は咽喉頭炎535%, 扁桃炎204%, 急性気管支炎191%等てあった。
    2 疾患別臨床効果(著明改善+改善)は咽喉頭炎, 扁桃炎, 急性気管支炎は共に850%以上の改善率てあったか, 他は症例数か少ないものの, 慢性気管支炎の急性増悪667%, 肺炎500%, 気管支拡張症の感染時167%の改善率にととまっていた。なお, 1錠×2回, 2錠×2回の臨床効果は今回においては有意な差か認められなかった。
    3 細菌学的検討は, あらかしめ検体採取と管理, 輸送方法を詳細に記載した印刷物を各施設に配布し, 推定起炎菌の分離・同定, 最小発育阻止濃度 (MIC) の測定及ひβ-ラクタマーゼ産生のチェノクは東京総合臨床検査センター研究部にて一括して実施した。274症例(636%)からは何らかの推定起炎菌か検出されたか, Haemophilus influenzae 88株, Streptococcus pneumoniae 47株, Streptococcus pyogenes 42株, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis 20株, Klebsiella pneumoniae subsp pneumoniae 17株か主な菌種てあった。疾患別の推定起炎菌は扁桃炎はS pyogenes, 急性気管支炎と慢性呼吸器疾患の二次感染はS pneumoniae, 咽喉頭炎はHinfluenzaeか共に高い割合てあり, 推定起炎菌別臨床効果はCEMT適応菌種の改善率844%, CEMT適応外菌種692%てあった。
  • 西岡 きよ, 荻原 央子, 大野 勲, 白土 邦男
    1997 年 50 巻 9 号 p. 768-775
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    当科において呼吸器感染症患者喀痰から分離された起炎菌の1994年及び1995年における動向を検討した。
    Haemophilus (H.) influenzae, Streptococcus (S.) pneumoniae 及びMoraxella(M.)catarrhalis の分離頻度は高く, 外来患者の起炎菌に占める割合は3菌種で1994年は70.5%, 1995年は73.8%であり, これは過去における分離頻度とほぼ同じであった。これら3菌種の薬剤感受性を寒天平板希釈法にて測定した。ペニシリンGのMICが0.125μg/ml以上となるペニシリン耐性S. pneumoniaeの分離頻度は, 1994年の24%から1995年には34.9%と著しく増加した。ペニシリン耐性 S. pneumoniae のほとんどがエリスロマイシンやミノサイクリン, トスフロキサシンなどにも耐性であった。ペニシリンGのMICが1μg/ml以上の菌株の血清型はすべて19型であった。 H. influenzae におけるβ-ラクタマーゼ産生株の比率は1994年, 20%また1995年, 15.8%であり, 過去のそれよりも若干高値であった。また今回キノロン剤耐性の H. influenzae が1株検出された。M. catarrhalis に関しては,過去と同様にβ-ラクタマーゼ陽性株が96.7%と高値であったが, 今回検討した薬剤に対してはさらなる耐性化は認められなかった。
  • 鈴木 由美子, 石井 由紀子, 石原 理加, 中澤 ありさ, 出口 浩一, 松本 好弘, 西村 千里, 中根 豊, 福本 寅雄
    1997 年 50 巻 9 号 p. 776-793
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ハンコマイシン (VCM) 低感受性を示すMRSA (Mu50mec+, vanA, vanB, vanC1と vanC2/3は陰性) をVCM冶療失敗例の膿瘍から分離した。この株のVCMに対するMIC値は, agar dilution法を用いてMueller-Hinton agar, 20%馬血清添加Mueller-Hinton agar, Heart infusion agar, Brain heart infusion agarの各培地て8μg/mlを示した。また, macro-broth dilution法てCatlon-adjusted Mueller-Hinton brothとBrain heart infuslon broth の2種類の培地てもそのMIC値は8μg/mlてあった。この値はNCCLSの基準から Intemediate (低感受性) に分類された。また, VCM感性の S aureus FDA209P (ATCC6538P), S aureus ATCC29213と臨床分離株MRSAH-1のMIC値は各々1μg/mlてあった。さらに, VCMに対する population 解析の結果, 全ての菌の生育を阻害するVCM濃度は, Mu50て32μg/ml, S aureus FDA209P, S aureus ATCC29213とMRSA H-1株は各々2μg/mlてあり, 明らかな差か認められた。この population 結果もMu50のVCMに対する感受性低下を支持していた。
  • 花木 秀明, 平松 啓一
    1997 年 50 巻 9 号 p. 794-798
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ハンコマイシン (VCM) 低感受性を示すMRSA (Mu50mec+, vanA, vanB, vanC1とvanC2/3は陰性) をVCM冶療失敗例の膿瘍から分離した。この株のVCMに対するMIC値は, agar dilution 法を用いてMueller-Hinton agar, 20%馬血清添加Mueller-Hinton agar, Heart infusion agar, Brain heart infusion agarの各培地て8μg/mlを示した。また, macro-broth dilution法てCatlon-adjusted Mueller-Hinton brothとBrain heart infuslon broth の2種類の培地てもそのMIC値は8μg/mlてあった。この値はNCCLSの基準から Intemediate (低感受性) に分類された。また, VCM感性の S aureus FDA209P (ATCC6538P), S aureus ATCC 29213と臨床分離株MRSAH-1のMIC値は各々1μg/mlてあった。さらに, VCMに対する population解析の結果, 全ての菌の生育を阻害するVCM濃度は, Mu50て32μg/ml, S aureus FDA209P, S aureus ATCC29213とMRSA H-1株は各々2μg/mlてあり, 明らかな差か認められた。この population 結果もMu50のVCMに対する感受性低下を支持していた。
  • 山口 英世, 猪狩 淳, 久米 光, 阿部 美知子, 小栗 豊子, 菅野 治重, 川上 小夜子, 奥住 捷子, 深山 牧子, 伊藤 章, 川 ...
    1997 年 50 巻 9 号 p. 799-805
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年欧米諸国においては, 酵母様真菌のアノール剤耐性の増加か報告されている。わか国ても耐性化の傾向かみられるか否かを検討する目的て, 関東地区7施設て研究クループを組織し, 臨床分離真菌を収集し, fluconazole 感受性を測定し, 年次的に検討し, 次の様な結果を得た。
    1 臨床分離酵母様真菌を1993年113株, 1994年149株, 1995年205株収集し, fiuconazole に対する in vitro 感受性を各年毎に測定した結果, 3年間に有意な相違は認められなかった。
    2 主な臨床分離酵母様真菌に対する3年間のfluconazoleのMICは, C albicans 01-078μg/ml, C glabrata 313~25μg/mlてあった。MICか25μg/mlを示した株はC glabrata 2株, C krusei,T beigelii, H anomala か各1株つつてあり, MICか50μg/ml以上の株は見られなかった。
    3 今回の測定結果と, fluconazole 発売前 (1987年12月以前)およひ発売後2~3年経過した1991年7月から1992年10月まてに測定した臨床分離酵母様真菌の fluconazole に対する感受性結果と比較したか, 感受性に有意な相違は認められなかった。
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