The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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54 巻, 5 号
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  • 経口薬を中心として
    松島 敏春, 荒川 創一, 本田 まりこ, 柴孝 也
    2001 年 54 巻 5 号 p. 179-184
    発行日: 2001/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • その1.感受性について
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 松川 雅則, 高橋 聡, 国島 康晴, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 茂田 士郎, 吉田 浩, 今福 ...
    2001 年 54 巻 5 号 p. 185-216
    発行日: 2001/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1999年8月から翌年7月までの間に, 全国9施設において尿路感染症と診断 された患から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離され、起炎菌と推定された544株のうちMICが測定できた株は輸送中に死滅した菌などを除く499株であり、その内訳はグラム陽性菌が31.3% (156/499), グラム陰性菌が68.7% (343/499) であった。
    これらの菌に対する抗菌薬の効果をみるとEnterococcus faecalisに対してはVancomycin (VCM), Ampicillin (ABPC), Imipenem (IPM) の抗菌力が強く, 前年に認められた全体的な低感受性株の増加は, 本年は若干改善した。VCMはMRSAに対しても, 強い抗菌力を示し1μg/mlで全菌株の発育を阻止した。またArbekacin (ABK) の抗菌力も強くMIC90は2μg/mlであったが, 低感受性を示すMSSA (MIC: 16μg/ml) とMRSA (MIC: 32μg/ml) が各1株検出された。Citrobacter freundiiEscherichia coliに対してはカルバペネム系薬剤の抗菌力が強く, Meropenem (MEPM) は〓0.125μg/mlで全菌株の発育を阻止した。キノロン耐性の. E. coliは前年に比べ減少し5%未満であった。Klebsiella pneumoniaeProteus mirabilisに対しては一部の薬剤を除き全般的に抗菌力は強く, MEPMとCarumonam (CRMN) は〓0.125μg/mlで全菌株の発育を阻止した。その一方で, Cefaclor (CCL) に耐性を示すK. pneumoniaeや一部のセフェム系薬剤に対して感受性の低いP. mirabilisも1株ずつ検出された。Pseudomonas aeruginosaに対しては全般的に感受性は低く, カルバペネム系薬剤のMIC90が8μg/ml, その他の薬剤のMIC90は全て16μg/ml以上であった。
  • その2. 患者背景
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 松川 雅則, 高橋 聡, 国島 康晴, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 茂田 士郎, 吉田 浩, 今福 ...
    2001 年 54 巻 5 号 p. 217-229
    発行日: 2001/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1999年8月から翌年7月までの間に全国9施設において尿路感染症と診断された412症例から分離された544菌株を供試し, それらの患者背景について性別・年齢別と感染症, 感染症と菌種, 年齢別感染症別菌分離頻度, 抗菌薬投与時期別の菌と感染症, 感染防御能低下に影響を及ぼす因子・手術 (以下因子・手術) の有無別の菌と感染症などにつき検討した。
    年齢と性および感染症の関連についてみると, 男性の症例は50歳未満が少なく, 感染症ではカテーテル非留置複雑性尿路感染症が最も多かった。女性では20歳未満の症例が少なく, 感染症別には, 40~59歳でカテテル非留置複雑性尿路感染症が最も多く, その他の年齢層では単純性尿路感染症が最も多かった。感染症と菌種についてはEscherichia coliは感染症が複雑になるに従い減少し, Pseudomonas aeruginosaEnterococcus faecalisは感染症が複雑になるに従い増加した。これらを年齢別にみると, 単純性およびカテテル非留置複雑性尿路感染症では20歳以上の症例でE. coliの分離頻度が加齢に伴い緩やかに減少した。また, カテテル非留置複雑性尿路感染症ではE. faaecalisとStaphylococcus aureusが加齢に伴い増加する傾向にあった。カテテル留置複雑性尿路感染症では年齢による違いは認められず, P. aeruginosaE. faeccalisが多く分離された。抗菌薬投与前後の分離菌は, 単純性尿路感染症およびカテテル非留置複雑性尿路感染症では, 投与後に分離株数が著しく減少した。いずれの感染症でもE. coliは投与後に減少し, P. aeruginosa, E. faeccalisは投与後に増加した。因子・手術の有無別, 感染症別に分離菌をみると, 単純性尿路感染症ではE. coliは因子・手術の無で多く分離され, Klebsiella spp. とE. faecalisは因子・手術の有で多く分離されたが, 複雑性尿路感染症では因子・手術の有無による分離菌分布に大きな違いはなかった。
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