The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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54 巻, 9 号
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  • 鈴木 由美子, 西成 千里, 遠藤 晴美, 田村 智英子, 神保 桂子
    2001 年 54 巻 9 号 p. 473-490
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1998年1月から2000年9月までに全国の医療機関から収集した18菌種850菌株を対象とし, カルバベネム系4薬剤 (imipenem, panipenem, meropenem, biapenem) および第4世代セフェム系2薬剤 (cefozopran, cefepime) の抗菌活性を測定した。カルバベネム薬4剤はMSSA, Streptococcus pneumoniae (PSSP, PISP, PRSP), Enterococcus.faecalis, Pseudomonas aeruginosa (panipenemを除く), Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis, Bacteroides fragilisおよびPeptostreptococcus spp. に対して第4世代セフェム薬2剤を上回る優れた抗菌活性を示した。またmeropenemは試験したグラム陰性菌10菌種の全てに対して被験薬剤中で最も優れた抗菌活性を示した。第4世代セフェム薬2剤は腸内細菌科6菌種に対して, meropenemには劣るものの, 他のカルバペネム薬と同等もしくはそれ以上の抗菌活性を示した。MRSAに対する抗菌活性はいずれの薬剤も弱かった。
  • 千村 哲朗, 阪西 通夫, 山川 正紀, 佐藤 聡
    2001 年 54 巻 9 号 p. 491-496
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域における化膿性仙腸関節炎はきわめて稀れな疾患であり, とくに妊娠中での発生治療症例は現在までに文献上5例のみである。
    今回われわれは, 妊娠27週で発熱・左臀部疼痛により歩行困難となり緊急入院した症例を経験したので報告する。症例は31歳の初産婦で, 典型的な化膿性仙腸関節炎の臨床症状を伴い, 発熱39.7℃, CRP12.6mg/dlの重症感染所見を呈した。Meropenem (MEPM) 1g×2/day×8日間及び0.5g×2/day×2日間が奏効し, 以後Faropenem (FRPM) の200mg×3/day×12日間により自他覚的所見・臨床検査値が改善し, 治癒に至った。
    本症の確定診断はMRI所見によったが, 起炎菌は不明であった。辺縁前置胎盤の合併例であったが, 妊娠37週にて経腔分娩し, 母児ともに経過良好にて退院した。
    妊娠中での化膿性仙腸関節炎の治療報告は, わが国では見当らず, 本報告が最初である。
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