The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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60 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 品川 長夫, 横山 隆, 竹山 廣光, 谷口 正哲, 三鴨 廣繁, 由良 二郎
    2007 年 60 巻 4 号 p. 189-199
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    消化器外科領域では, 術野は術後感染原因菌となる腸内細菌で汚染される。腹膜炎や胆道感染などの一次感染症は腸内由来菌による複数菌感染であることより, これらは術野汚染菌に類似すると仮定し, 消化器外科領域の術後感染予防薬を抗菌力の面から総合的に評価した。最近の5年間 (2001~2005年度) において, 消化器外科一次感染症 (409例) から分離された術後感染予防目的のMethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) を除くS. aureus (17株), Escherichia coli (129株), Klebsiella spp.(57株), Enterobacter spp.(30株), Citrobacter spp.(18株) およびProteus spp.(6株) およびBacteroides spp.(173株) を対象とし, 総合的な抗菌力を比較検討した。その結果, Cefotiam (CTM) が最も優れ, 次いでCefmetazole (CMZ), た。今後, このような視点から術後感染予防薬を選別し, 実際の臨床の場で比較試験を行い検証することにより, 術後予防薬の選択理論がより強固なものになると考える。
  • 三鴨 廣繁, 玉舎 輝彦, 伊藤 邦彦, 和泉 孝治, 田中 香お里, 渡邉 邦友
    2007 年 60 巻 4 号 p. 200-205
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    腹膜炎症例における注射薬から経口薬へのスイッチ療法の有用性を検討した. 試験に同意した35症例を, カルバペネム系抗菌薬単独投与群と注射用キノロン系薬から経口キノロン系薬へのスイッチ療法群3群の計4群に無作為に割り付けた. 静注薬投与群では, 第3病日までに改善傾向を示した場合は静注薬を継続投与し, 改善傾向が認められなかった場合は他剤に変更することとした. スイッチ療法群では, 第4病日までに体温が少なくとも8時間以上37.5℃以下であり, 血液所見および臨床所見の改善傾向が得られた後, 経口薬へと変更した.
    その結果, 治療効果は同等であったが, 入院期間および全医療費はいずれもスイッチ療法群で静注薬投与群に比べ, 有意に減少していた. 以上より腹膜炎症例においても, 注射薬から経口薬へのスイッチ療法は有用な治療法のひとつであることが示された.
  • 品川 長夫, 田中 香お里, 三鴨 廣繁, 渡邉 邦友, 竹山 廣光, 横山 隆, 竹末 芳生, 谷口 正哲
    2007 年 60 巻 4 号 p. 206-220
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    穿孔性腹膜炎 (25症例) からの分離菌とその薬剤感受性について検討した。好気性菌が30株, 嫌気性菌が107株, Yeastが3株の合計140株が分離された。好気性菌と嫌気性菌の混合分離例が多く, 1症例平均5.7株の細菌が分離された。好気性菌では, Escherichia coliを中心とするEnterobacteriaceaeが全症例中の13例 (52%) から分離されており, 次いでEnterococcus spp.の6例 (24%), Pseudomonas aeruginosaの5例 (20%) などであった。嫌気性菌では, 無芽胞グラム陰性桿菌の分離頻度が高く, Bacteroides fragilis groupは10例 (64%) から分離されており, 次いでFusobacterium spp.の10例 (40%), Prevotella spp./Porphyromonasspp.の8例 (32%), Bilophila wadsworthiaの7例 (28%) などの順であった。無芽胞グラム陽性桿菌は15例 (00%) から分離され, Clostridium spp.は6例 (24%) から分離された。一方では, 属レベルの同定に至らなかった嫌気性菌も17株存在した。分離菌にバランスよく抗菌力を示した薬剤は, カルバペネム系薬やβ-ラクタマーゼ阻害薬併用薬であった。嫌気性菌に有効な併用薬は, Metronidazole, MinocyclineやClindamycin (CLDM) であったが, CLDMには高度耐性株が認められた。
  • 杉田 麟也, 山中 昇, 工藤 典代, 伊藤 理恵, 川合 基司, 大脇 一郎, 浅野 哲, 永田 傳
    2007 年 60 巻 4 号 p. 221-241
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質製剤であるクラバモックス®小児用ドライシロップ (クラブラン酸カリウム・アモキシシリン) の市販後における安全性および有効性を検討することを目的に2000年2月から9月にかけて本調査を実施し, 127施設の医療機関から470例の調査票を収集し, 安全性解析対象症例455例, 有効性解析対象症例433例について検討を行った。
    有効性に関しては, 小児中耳炎に対する有効率は95.2% (412/433例), 主要症状である耳痛, 耳漏, 鼓膜発赤および発熱の改善率もすべて95%以上であった。また, 急性中耳炎の3大原因菌であるStreptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzae およびMoraxella catarrhalisに対する原因菌別有効率は94.0~100%であり, S. pneumoniaeではペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP), ペニシリン中等度耐性肺炎球菌 (PISP) に対しても95%以上の有効率であった。
    安全性に関しては, 副作用発現率は23.3% (100/455例) で, そのうち, 最も多い副作用は下痢22.0% (103/455例) であったが, 一般的に低年齢児への抗菌薬投与時にみられる下痢であった。発現した下痢のほとんどが非重篤な下痢であり, 本剤投与継続中または投与終了・中止により回復または軽快し, 脱水症状を伴う下痢, 偽膜性大腸炎などの臨床上問題となるような重篤な下痢は1例も認められなかった。
  • 2007 年 60 巻 4 号 p. 242-249
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 2007 年 60 巻 4 号 p. 250
    発行日: 2007/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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