医療
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45 巻, 3 号
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  • 宮崎 正夫, 奥田 千恵子, 溝部 俊樹, 田中 宏
    1991 年 45 巻 3 号 p. 225-232
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    ショックのさいの脳の状態を研究することはショック研究でも未開の分野である. 多くのニューロペプチドがショックの中枢性防御反応で, 生体の危急に際し特異な作用を発揮するが, TRHもそのひとつである. われわれはTRHの昇圧, 抗ショック作用, ショッグの進行につれてTRHがどのように脳内で増減するか, その変化の著しいのは脳のどの部分であるか, などを出血性ショックにおいて検索し, TRHの遊離と抗ショック作用の本態が, 心血管系の中枢調節に由来し, 出血の刺激によって中隔のTRH含有神経終末の脱分極によりTRHの遊離が増加し, その結果TRHは交感神経―副腎髄質系を介して昇圧と心拍数促進を起こすことがわかった. 麻酔薬や低体温はその作用を抑制する傾向を有する.
  • 深田 義夫, 津田 洋, 藤田 博, 岩野 健造, 由井 靖子
    1991 年 45 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    大伏在静脈冠動脈バイパスの早期(術後平均33日)及び遠隔期(術後平均30.5カ月)開存率と, 局所的及び全身的閉塞因子を検討した.
    対象と方法; 大伏在静脈バイパス耐術者72症例, 210本ベイパスを対象とし, 早期と遠隔期に選択的バイパス造影をし, 開存性を検討した. 閉塞局所因子として吻合分枝部位と手術中のバイパス血流量をとりあげ, 全身因子として動脈硬化危険因子をとりあげ閉塞群と開存群間で比較検討した.
    結果と結論; 早期バイパス造影率は82.4%で, 開存率は93.6%であった. 遠隔期バイパス造影率は48.1%で, 開存率は92.0%であった. 全造影にて15本のバイパス閉塞を認め, そのうち11本(73.3%)が早期閉塞であった. 1)局所因子; a)第1対角枝, 第2鈍縁枝, 後下行枝が有意に高い閉塞率であった. b)バイパス血流量は有意差は認められなかった. 2)全身因子としては,高血圧以外の動脈硬化危険因子は有意ではなかった.
  • 安江 慶二, 宇佐 美好子, 荒川 正巳, 須賀 昭二
    1991 年 45 巻 3 号 p. 239-243
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1) L 1210マウス白血病細胞の培養系を用いて, 5-fluorouracil (FUra)ならびにfutraful (FT)のinflux, effluxについて研究した.
    2) FUraのinfluxはATPase阻害剤ouabainにより抑制された. したがって腫瘍内FUra濃度には一部FUraのactive transportが関与していると考えられた. FTのinflux, FUra, FTのeffluxにはouabainの影響はみられなかった.
    3) uracilの添加はFUraのinfluxに抑制的に作用するようであった. なおuracilはFTのinfluxに影響せず, またFUra, FTのeffluxにも影響を与えなかった.
    4)以上, 制癌剤のinflux, effluxに関する研究は, FUraとFTの血中濃度, 癌細胞内濃度を対比して検討するために必須のものであると考えられた.
  • 東 輝一朗, 島田 達也, 藤 岡靖也, 松本 裕三郎, 末永 雅仁, 久木 田英世, 小畑 伸一郎, 木村 圭志, 紫藤 忠博
    1991 年 45 巻 3 号 p. 244-247
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    高カルシウム血症を呈する症例の血清interleukin 1-β(IL-1)およびtumor necrosis factor-α(TNF)値を測定した. 対象は1989年8月より9月までの2ヵ月間に中央検査室にて血清カルシウムを測定された2,420検体のうち, 血清カルシウムが10.5mg/dl以上を呈した17症例である. 最も多い高カルシウム症例は, 悪性腫瘍によるもので(7例), それ以外は原発性副甲状腺機能亢進症の3例を含む10例の良性疾患であった. 悪性腫瘍例の血清カルシウム値は, 11.7±1.0mg/dl(mean±SD), IL-10.18±0.10ng/ml(正常値0.10ng/ml以下), TNFは検出されなかった. 良性症例での血清カルシウム値は11.1±0.8mg/dl, IL-10.28±0.08ng/mlで, TNFは検出されなかった. また悪性腫瘍例とその他の例とで, IL-1値に有意差を認めなかった. 高カルシウム症例において, 軽度のIL-1値の上昇を認めたものIL-1値とカルシウム値との間には有意の相関を認めず, 両者の関係を明らかにすることはできなかった.
  • 西村 正明, 西村 悟子
    1991 年 45 巻 3 号 p. 248-252
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    周産期障害によると考えられる運動障害例25例に対して, その歩行予後予測を臨床所見をもとに行った. 頭部CTでは, 側脳室の壁不整な拡大が2歳時点での歩行予後不良の指標になり得ると考えられた. さらに, 第3脳室の拡大もともなっているときは, 痙性四肢麻痺を示すものがほとんどであった. この側脳室の壁不整な拡大は,脳室周囲白質軟化の遺残と考えられた. その他, 知的発達, 異常脳波所見および痙攣の既往が予後予測に重要な因子と考えられた.
  • 大高 興, 高橋 康子
    1991 年 45 巻 3 号 p. 253-257
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    ハンセン病患者にみられる各種の痛みに対して, レーザー治療を試み, 好成績を得た.
    装置は, 赤外線レーザー光線治療器「MIO-60ユニレーザー」を用い, 東洋医学でいう経穴(ツボ)に照射した. これをハンセン病患者の顔面痛, 筋緊張性頭痛, 頸肩部痛, 上肢痛, 前腕痛, 腰痛, 背痛, 手の痛み, 坐骨神経痛, 下肢痛, 膝関節痛, 足部の痛みについて計63例に試みた. その結果, 59例すなわち93.7%に有効を認めた.
    この成績は, バリ電極通電法(PG)による除痛効果の成績よりも優れている. また, レーザーとPGの優劣を比較すると, レーザーはPGよりも種々の点において優っているとおもわれる. しかし, レーザーの除痛機序については, 現在のところ完全には解明されていない.
  • 金田 鈴江, 角谷 哲司, 熊田 利郎, 児玉 秀敏
    1991 年 45 巻 3 号 p. 258-263
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    精神薄弱者施設の入所者104例に染色体異常と脆弱部位の検索を行った. 末梢血リンパ球をMEM培地と葉酸を含まないMEM-FA培地で72時間培養し, 火焔固定法によって標本を作成し, 分裂中期細胞50~100個を鏡検した. ギャップや切断部位はGバンド分染法によって確認し, 脆弱部位を決定した.
    染色体異常は18例で, 発生率は17.3%であった. そのうち13例までが21番トリソミーで, 発生率は12.5%であった. Down症候群を除く染色体異常は5例で, 9番の腕間逆位(inv (9))が1例, 18番の短腕の部分欠失(18p-)が1例, 環状22番染色体(r (22))が2例, モザイクマーカー染色体が1例に見いだされた.
    脆弱部位は13例に見いだされた. そのうち12例までが通常型脆弱部位で, 1p22, 1q13, 3p14, 7q32, 6q22, 16q23であったが, なかでも3p14は最も高い頻度でみちれた. 2番染色体上の遺伝性脆弱部位(fra (2) (q13))が1例検出され, 母親由来であることがわかった.
  • 恵谷 敏, 池田 正人, 岸 大輔, 長宗 輝彦, 木田 隆雄, 稲岡 玉枝
    1991 年 45 巻 3 号 p. 264-268
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    腸重積は小児に多く, その発生は偶発的(idiopathic)なものが多いが, 一方, 成人では発症の86%は内筒先進部に何らかの病変が認められるといわれている. その病変の内訳をみると, 良性の比較的大きなポリープによるものが36.4%, 悪性病変が27.3%, 転移性悪性腫瘍が4.5%の集計報告例がある. また, Nothnagelは腸管病変を伴わない, 限局性腸管痙攣によって発症し, 先進部は長期にわたり浮腫, 壊死を繰り返し, 炎症性巨大ポリープ様になる機序を報告している.
    67歳男性で腹部膨満, 下血, 腹部腫瘤を訴え来院し, 結腸腫瘍の疑いのもとに種々の検査期間中, 急激に強い腹膜刺激症状を呈し, 腫瘍性結腸穿孔の疑いで緊急開腹術が施行された結腸重積症を経験した. 本例は摘出標本などを精査したところ, Nothnagelが指摘したまれな発症機序によるものと推測しえた.
    一般に成人の結腸重積症は確定診断に難渋し, 他疾患と誤診する危険性が多く一般状態が重篤にならないうちに確定診断を下し, 適切な治療を施行することが肝要である.
  • 小畑 伸一郎, 坂田 研明, 福田 道弘, 前田 和弘, 木村 圭志, 水谷 純一, 荒木 啓介, 山口 哲也, 高田 千年, 馬場 祐之, ...
    1991 年 45 巻 3 号 p. 269-272
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    近年, 超音波映像下ドレナージが肝膿瘍に対して行われるようになってきたが, ドーム直下の病変に対しては技術的に困難を伴うことが多い. 今回我々は, 超音波映像下ドレナージが困難な多発肝膿瘍の症例に対し抗生物質の局所動注療法を行い治癒せしめた1例を経験したので報告する. 64歳, 男性で胆管癌の再発のため入院となった. TAE後39℃の発熱出現, 抗生物質を全身投与するも発熱が持続した. 腹部超音波検査にて肝右葉後上区に辺縁不整な低エコーを認めた. CTにて肝右葉に2個のlow density areaを認め肝膿瘍と診断された. 腹腔動脈より動注後, 解熱し超音波検査CTにて肝膿瘍は認められなかった. 本例のように超音波映像下穿刺が困難な場合は抗生物質の局所動注は, 肝膿瘍の治療法の一つとして試みられる価値があると考えられた.
  • 影山 洋, 大林 旱苗, 佐藤 美智子, 中山 成一, 小松 崎修, 徳植 公一
    1991 年 45 巻 3 号 p. 273-275
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    縦隔気腫, 皮下気腫, 後腹膜気腫, 腹腔内フリーエアのみられた気管支喘息の症例を報告する. 症例は18歳の女性で入院2日前より喘鳴, 呼吸困難あり気管支喘息と診断され入院した. 入院時前胸部, 背部, 頸部に握雪感を触知し, 胸部X線写真では縦隔, 頸部の皮下, 右横隔膜下に気体像をみとめた. 腹部X線写真では左腎周囲の含気層と腸腰筋にそった空気像がみられた. 食道, 胃, 十二指腸の内視鏡検査では異常なく, 上記の所見は入院第3病日までに消失した. 気管支喘息に伴った皮下気腫, 縦隔気腫の報告はあるが後腹膜気腫, 腹腔フリーエアをともなった症例は本症例が第1例と思われる. 縦隔気腫が大動脈, 食道に沿って下降し, 後腹膜気腫をおこし, そこから腹腔内に空気が漏出したものと考えられた.
  • 平野 稔喜, 柴田 瑠美子, 西間 三馨, 広瀬 隆士
    1991 年 45 巻 3 号 p. 276-281
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は, 四肢麻痺, てんかんを有する30歳の脳性麻痺の女性. これまで易感染性や慢性肺疾患の既往はない. 今回, 痙攣重積に続き肺炎に罹患, 抗生剤にて軽快中, 少量の誤嚥を契機として呼吸困難, 低酸素をきたした. X線にて両肺野のびまん性肺水腫像を呈し, ARDSと診断した. 人工呼吸器による呼吸管理, methylprednisolonelこよるパルス療法を開始したが, 挿管後5日間は症状の改善が認められず, 2週目に終末呼気陽圧(PEEP)を8cmH2Oまで増加し, 2クールのパルス療法施行後に低酸素およびX線像は徐々に改善していった. 挿管1ヵ月後に人工呼吸器から離脱可能となり, 2ヵ月後には酸素療法も中止することができた. 現在, 左側肺の肺線維症を後遺症として残しているが発症前の日常活動レベルに回復している. PEEP療法が疑問視されている現在, 治療指針を考えていく上で興味ある症例と考えられた.
  • 西野 聡, 林 隆夫, 新井 正, 和田 司津, 松下 捷彦
    1991 年 45 巻 3 号 p. 282-285
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    単クローン性κ型IgG血症を合併した尿路結核の1例を報告する. 症例は85歳の女性で, 微熱と全身倦怠感を主訴に入院した. 尿沈査にて結核菌を証明し, 腎盂造影にて左腎杯の1虫喰像を認めLattimerのII型と診断した. 血清IgGは2895mg/dlと増加し, 単クローン性κ型IgGを認めた. 他の免疫グロブリンは抑制されておらず, 骨髄形質細胞は2.4%で異常所見なく, 骨病変も認められなかった. 単クローン性κ型IgG血症を合併した尿路結核と診断し, 化学療法を開始した. 加療2ヵ月目には尿中結核菌は陰性化し, 単クローン性免疫グロブリンも消失した. 以上より結核菌に対する何らかの免疫反応が単クローン性免疫グロブリン血症の原因となった可能性が示唆された.
  • 仲田 浩之, 木畑 正義, 松山 恒男, 吉本 静雄, 三島 康男, 河原 伸, 多田 敦彦, 神坂 謙, 近藤 陽一郎, 遠藤 定紀
    1991 年 45 巻 3 号 p. 286-289
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    急性及び慢性白血病では経過中に骨病変を認めることがあるが, 骨・関節痛を初発症状とすることはまれであり, しかも末梢血に著変がみられない場合には, 白血病の診断が遅れる可能性があり注意を要するものとおもわれる. 症例は, 47歳, 女性で, 昭和63年10月ころより誘因なく右肘痛が出現, さらに11月には右肩痛も加わり, 11月16日当院整形外科を受診. 骨X線検査にて右鎖骨遠位部及び右尺骨肘頭部に骨萎縮像を認め, 全身性疾患の存在を疑われて内科へ紹介された. 末梢血液検査では白血球数が11,400/μlと軽度の白血球増多を認めたが, 貧血, 血小板減少は認められず, 悪性腫瘍の骨転移, 多発性骨髄腫などを疑って骨髄穿刺を施行した. その結果リンパ芽球を55.8%に認め, 急性リンパ性白血病(L2)と診断した. その後右鎖骨の病的骨折を合併したが, 化学療法にて寛解導入され経過良好である.
  • 岡嶋 泰一郎, 岡部 宏明, 加藤 堅一
    1991 年 45 巻 3 号 p. 290-293
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Prader-Willi症候群(筋緊張低下, 知能低下, 性腺機能低下および肥満)と診断された22歳男性が肥満治療の目的で当院に入院した. 入院2ヵ月前に登山中に右下肢骨折をおこし骨折治療のため減量が必要であった. 入院後超低カロリー食オプティファスト(420 Cal, 蛋白質70g, 糖質40g, 脂質2g, その他必要量のビタミン, ミネラルを含む)療法を施行した. 2ヵ月間の超低カロリー食療法にて約16kgの有意の減量が得られ下肢の骨折は完全に治癒した. オプティファストには十分な蛋白質が含有されていること, また超低カロリー食療法中にケトン体が産生されることなどが空腹感を抑制している可能性が考えられる. それらのことによりPrader-Willi症候群患者の治療では通常の低カロリー食よりも超低カロリー食の方が適切である可能性が示唆されるかもしれない.
  • 橋本 浩, 藤原 利治, 高橋 幸博, 福井 弘
    1991 年 45 巻 3 号 p. 294-297
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児には尿路感染症が多くみられた. 尿路感染症が発症した季節, 罹患しやすい障害児側の要因, 起炎菌について検討することにより発症因子を明らかにすることを試みた. 障害児側の要因として可動能力や排泄能力の低さや残尿の存在があり, 外陰部の糞便による汚染が問題となることが考えられた. 障害児では症状を捉えることは難しく, 定期的尿検査が尿路感染症の発見に, 外陰部洗浄がその予防に役立つと思われた.
  • 高田 博行, 山下 洋, 大隈 紘子
    1991 年 45 巻 3 号 p. 298-301
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肥前療養所重症心身障害児病棟には, かんしゃく, 乱暴, 噛み付きなどの問題行動のために, 家庭や施設での生活が困難となって入院してきた精神薄弱児や自閉症児などが入院している. そのような激しい問題行動に対して行動療法, 薬物療法, などの治療方法を用い治療してきた. しかしこれまでの治療方法で問題行動が容易に改善せず, 治療が困難であった重度精神薄弱の男児2名に漢方エキス剤を使用し著明な改善をみた. また今後の重度精神薄弱児の問題行動に対して漢方エキス剤が有効な治療方法の一つとしての役割をになえる可能性についても論じた.
  • 荒木 啓介, 並川 和男, 水谷 純一, 土井口 幸, 山本 裕俊, 荒井 光広, 山口 哲也
    1991 年 45 巻 3 号 p. 302-306
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    経口投与が困難となった消化器癌末期3症例において, 鎮痛を目的に塩酸モルヒネ持続点滴静注を施行した. 塩酸モルヒネを点滴内に添加し, 注入器は使用せず自然落下によって持続静注した. 塩酸モルヒネの初回1日投与量として, 10~20mgより開始した. 1日毎に前日の投与量による効果を判定し, 鎮痛不十分であれば塩酸モルヒネ量を段階的に増量した. 症例1は54歳, 男性, 胃癌, 症例2は55歳, 女性, 上行結腸癌, 症例3は76歳, 女性, 膵癌であった. 症例1では,1日あたり20mgより60mgまで増量し, 症例2では, 20mgから80mgまで増量した. 症例3では10mgから60mgまで増量し, その後傾眠傾向のため40mgに減量した. 有効量には個人差が認められた. 良好な鎮痛効果を得ることができ, 重篤な副作用はなかった. 塩酸モルヒネ持続点滴静注は, 一般施設で実施可能な除痛法である.
  • 3. 僧帽弁狭窄症
    岩瀬 正嗣
    1991 年 45 巻 3 号 p. 307-310
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 45 巻 3 号 p. 311-312
    発行日: 1991/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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