医療
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56 巻, 12 号
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  • 猿田 克年
    2002 年56 巻12 号 p. 697-701
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    国立病院・療養所における国際医療協力について, 海外への派遣実績, 研究事業への参加状況, 関係学会への発表実績, 集団研修への参加状況, 外国人研修生の受け入れ状況, 情報の発信状況などを指標として活動状況を調査した. 旧厚生省国立病院部が平成11年に指定した国際医療協力ネットワーク施設のほかにも, 国際医療協力に実績を有する国立病院・療養所が多いことが判明した. これらの施設は, 国際医療協力ネットワークに参加して, トラベルクリニックを含めた幅広い国際医療協力活動に参加, 協力することが期待される.
  • 篠原 ゆかり, 山本 茂子, 曽根 美智子, 岩井 艶子, 濱田 嘉徳
    2002 年56 巻12 号 p. 702-705
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血便が認められた患児の便50検体につい, Path-Stik O 157, Novapath E. coli O 157, Novapath EHECの迅速検査法と従来の培養法にもとづくベロ毒素検出法を比較検討した.
    Path-Stik O 157陽性の9例中1例は培養法でE. coli O 157であり, 他の陽性8例はO 157以外のSalmonella 7例, 正常細菌叢1例であった. ともに陰性は41例であった. Novapath E. coli O 157陽性の1例は培養法でもE. coli O 157であり, 49例はともに陰性であった. ベロ毒素を検出するNovapath EHECで陽性の2例は培養法によりE. coliO 157, E. coliO 165と確認された. 48例はともに陰性であった.
    さらにE. coli O 157とE. coli O 165のベロ毒素1型, および2型をPCR法, ならびに電気泳動解析で確認し, 培養法ならびに迅速診断に一致した.
  • ―退院を阻害する原因について―
    大渓 俊幸, 綱島 浩一, 齋藤 治, 堀 彰, 加藤 進昌
    2002 年56 巻12 号 p. 706-712
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    統合失調症の入院が長期化する要因を検討した. 調査期間を1992年6月30日から1997年6月30日の5年間とし, 対象患者は調査開始の1992年6月30日からさかのぼること2年間の間に国立精神・神経センター武蔵病院に入院した71例とした. これら71例中, 調査期間の5年間に退院して外来に移行した患者43名から, 入院期間が1カ月以内の患者4名を除いた39名を外来移行群とし, 調査期闇終了後も引き続き入院していた患者15名を入院継続群とした. これら両群で, 1992年の時点での病歴, 精神症状, 総合評価尺度との関連, 入院継続患者では5年間の精神症状の変化について検討した. 要因解析に用いる症状評価尺度は, Manchester scale (MS), ward behavior rating scale (WBRS)とし, 抗精神病薬の投与量は, haloperidolに換算して検討した. 1992年の調査時点では, 外来移行群は入院継続群よりもMSの各スコアとWBRSのスコアで陰性症状関連項目が高得点であったが, 陽性症状関連項目では有意差がなかった. また, 継続入院群では, その間に陰性症状が悪化するが, MSで高いスコアの陽性症状では改善がみられなかった. 今回の結果から, 退院を阻害する因子としては, 陰性症状よりも陽性症状やそれにともなう問題行動の有無が強く関連する可能性が示された.
  • 石名田 洋一
    2002 年56 巻12 号 p. 713-714
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    「急性期入院医療の定額払い」(DRG/PPS)が, 平成10年(1997)11月1日より, 8つの国立と2つの社会保険病院において開始された. 当時, 診断群分類(DRG)は183群で, そのすべてに定額払い(PPS)が設定された(適用率は, 全入院患者の約30%かそれ以下であった). その後2年間の資料を基礎として, 平成13年(2001)4月, 診断群分類を532(うち267に定額払いを設定)に, 病名コードをICD-9から同10に, 変更する改定が行われた.
    このシンポジウムにおいて, 産業医科大学教授の松田先生は, フランスやヨーロッパ諸国でDRGがいろいろ応用されていることを解説し, 日本にふさわしい診断群分類を開発するための研究(松田班)を紹介した. 鈴木先生と吉田先生は, 国立病院の副院長として病院運営の立場から, DRGの効果は, 一部に不適切な分類があること, PPSが必ずしもコストに関連しないことから, 現行診断群分類の評価は困難であるが, 結果的に在院期間が少し短縮し経常収支の改善がみられたことを示した. DRGにクリニカルパスを応用することにより有効であると吉田先生は追加した. 診療情報管理士の阿南氏は, 医師から提出された臨床データを分析し, ICD-10コードを確実に病名と合わせるために, 医師と診療情報管理士の緊密な連携が必要であることを強調した.
    DRG/PPSは, 日本の医療保険制度を変えつつある重要な問題であることから, 国立医療機関に働くわれわれは, いっそう理解を深め, さらに積極的関与が望ましいと考えている.
  • 松田 晋哉
    2002 年56 巻12 号 p. 715-718
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 一郎
    2002 年56 巻12 号 p. 719-721
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 吉田 晃治
    2002 年56 巻12 号 p. 722-723
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 阿南 誠
    2002 年56 巻12 号 p. 724-726
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 金田 次弘, 白阪 琢磨
    2002 年56 巻12 号 p. 727-728
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    HIV-1感染症/AIDSの治療は, 逆転写酵素阻害薬とプロテアーゼ阻害薬の多剤併用療法, いわゆるHAART (highly active antiretroviral therapy)が開始されて以来, 長足の進歩を遂げた. 多彩な抗HIV薬の開発がその基礎を支えているが, 血中ウイルス量の測定法の開発・普及とHIV関連検査の寄与したところも大きい. CD4細胞数と血中ウイルス量の測定がされるようになり, ウイルス量が測定できなかった頃に比べて, HIV-1感染症患者の病態把握が飛躍的にしかも的確に行えるようになった. 近年, ウイルスの“量”の測定に加えて, ウイルスの“質”を評価するために薬剤耐性検査の開発が行われ, 臨床で活用されるようになった. HIV-1は変異により, 薬剤存在下でも生き延びを図る. そのHIV-1を分離して塩基配列を決定し, アミノ酸配列に還元して得られた情報から薬剤耐性関連アミノ酸変異による耐性獲得の有無を鑑別することが可能となった. 同時に, これらの耐性ウイルスの遺伝情報を基に, 分離HIV-1株に対して有効な薬剤を選択することも可能となってきた. 一方, HAART施行下でも抗HIV薬の有効血中濃度が維持できないケースでは薬剤耐性ウイルスが高率に出現することが明らかとなってきた. その意味で, アドピアランスを高める服薬指導を徹底すると共に, 抗HIV薬の血中濃度や細胞内濃度をモニターし, 客観的データに基づいてウイルス血症を抑制する重要性が増している. さて, 治療の最終目標はHIV-1を体内から根絶(eradication)させることといえるが, そのためには体内の細胞プールに存在するプロウイルス陽性細胞を根絶, 減少させることも重要であり, この定量的測定法についても報告した. 本シンポジウムの発表は, エイズ医療共同研究(「抗HIV薬剤投与患者における薬剤感受性検査に関する研究(白阪班)」, 「抗HIV剤投与患者における薬剤耐性ウイルスの耐性プロファイルの解析とその対策に関する研究(白阪班)」, 「HIV-1プロウイルスの定量法確立に関する研究(金田班)」, 「プロテアーゼ阻害剤の血中濃度測定に関する研究(平林班)」)で達成された研究成果の一端である.
  • ―その臨床的意義について―
    白阪 琢磨
    2002 年56 巻12 号 p. 729-731
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 中尾 隆介, 山本 政弘, 福田 光枝
    2002 年56 巻12 号 p. 732-733
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 浅黄 司, 伊部 史朗, 金田 次弘, 鈴木 博義, 手塚 文明, 西村 秀一, 佐藤 功, 山崎 孝文
    2002 年56 巻12 号 p. 734-735
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 井田 節子
    2002 年56 巻12 号 p. 736-737
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 金田 次弘, 萩原 智子, 服部 純子, 永井 裕美, 内海 眞, 和田 かおる
    2002 年56 巻12 号 p. 738-740
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 長岡 宏一, 伊藤 洋貴, 大木 剛, 中井 正彦, 鷺坂 昌史, 竹田 信也, 間宮 均人, 宇佐 美好子, 金田 次弘
    2002 年56 巻12 号 p. 741-742
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 桑原 健, 白阪 琢磨
    2002 年56 巻12 号 p. 743-744
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 柳下 芳寛, 清水 幸雄, 高沢 鞆子, 野見山 延, 山根 健, 竹田 清, 宮崎 久義
    2002 年56 巻12 号 p. 745-750
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    国立高度専門医療センター, 国立病院, 療養所の麻酔科医不足の原因究明を目的としてアンケートおよび業務量調査を行い, 公立病院と比較した.
    国立病院群の麻酔科医師常勤82施設における麻酔科医師数は平均2.61±1.6名であった. 麻酔科医長の60%が国立病院群からの転職を考えたことがあり, 理由は給与, 公務員服務規定, 待遇の3項目で81%に達した. 一方, 麻酔科医師の供給源である大学麻酔科にとって国立病院群の人気はなく(47%), 出張を最も嫌がる病院(11%)であり, その理由は現麻酔科医長の回答結果と同じであった.
    業務量に関する500床以上の施設比較では, 麻酔科管理手術件数の割合は公立病院62.4%, 国立病院群は44.7%と有意に少なく, 麻酔科医師数の差(公立:7.2±3.1人, 国立病院群:3.3±1.8人)によると考えられた. 一方, 麻酔科医師一人当りの年間麻酔件数は公立病院の351.4±118.3件に対し国立病院群516.2±199.6件と有意に業務量が多いことも示された. そのためか麻酔科業務は手術室に限られ麻酔科外来(ペインクリニック)も開設できない施設が63.2%に達している. 現在の国立病院群の麻酔科医師不足を改善するには, 給与や公務員服務規定などは困難であろうが, まず定員数を増やし業務状況を改善することが必須であると考えられる.
  • 財前 行宏
    2002 年56 巻12 号 p. 751-755
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男性. 肺結核で, 2年前に当院に入院していた. 退院後, 不規則な服薬を続けていたため, 肺結核の再発を来たし, 再入院となった. 20年前にバージャー病と診断されている. 数年前に糖尿病と診断され, 経口血糖降下剤治療を始めているが, 血糖コントロール不良であった. 入院時には患者の状態が悪く, 入院後の管理・治療により, 救命に努めた症例である. 結核治療において, 退院後の管理, 合併症を考える上で有用と考え, 報告する.
  • 西海 正彦, 秋谷 久美子, 新関 寛徳, 山嵜 雄一郎
    2002 年56 巻12 号 p. 756-761
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    皮膚筋炎(dermatomyositis, DM)およびamyopathic dermatomyositis(無筋病性皮膚筋炎, ADM)に急速進行性間質性肺炎(rapidly progressive interstitial pneumonia, RPIP)が合併した場合, その生命予後は著しく悪く, 近年の膠原病治療の進歩にもかかわらず未解決の難治性病変とされてきた. 最近DM/ADMにおけるRPIPのステロイド抵抗症例に対して, シクロスポリンやシクロフォスファミドパルス療法が奏功するとの成績も見られるようになったが, それらの少なからぬ症例で治療に抵抗するといわれる. われわれもこれまでシクロスポリンの併用によっても治療に成功してこなかった. そうした経験を踏まえ, 今回われわれはステロイドパルス療法(メチルプレドニソロン1000mg/日点滴, 3日間)とシクロスポリン静注療法(200mg/日)に, さらにガンマグロブリン大量療法(25g/日を点滴静注, 5日間連続)を同時に併用することによって救命しえたと考えられるADMに合併したRPIPの2症例(62歳男性例と33歳男性例)を経験したので報告した.
  • ―原発性肺高血圧および慢性血栓塞栓性肺高血圧における凝固線溶マーカーの検討から―
    坂巻 文雄, 京谷 晋吾, 永谷 憲歳, 大谷 秀雄, 中西 宣文
    2002 年56 巻12 号 p. 762-767
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    【目的】原発性肺高血圧症(PPH), 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)症例での血管内皮障害と血栓形成傾向を評価する. 【方法】検討(1):PPH群の血中のトロンボモジュリン(TM), 可溶性P-selectinなどの血管内皮障害および凝固線溶系の指標を対照群, 2次性肺動脈性肺高血圧群, 肺静脈性肺高血圧群におけるそれと比較した. 検討(2): CTEPH群の上記指標を対照群および急性肺血栓塞栓症(APTE)群と比較した. 併せて臨床像との関連を検討した. 【結果】PPH群においては血中TMの低値と血中P-selectinの高値が認められた. プロスタサイクリン投与でTMの低値とP-selectinの高値は改善した. CTEPH群の血中TMは対照群およびAPTE群より低値であり, これは肺動脈血栓内膜摘除術後に改善した. 【考案】PPHではP-selectinの高値およびTMの低値が認められ, プロスタサイクリン投与により改善した. CTEPHではTMの低値が認められ, 血栓内膜摘除術後により改善した. これら凝固線溶マーカーの異常は難治性肺高血圧における血管内皮障害あるいは微小血栓形成傾向を示唆する可能性がある.
  • 山口 裕久, 田中 利明, 寿山 幸志, 宮田 明, 福原 清隆, 田仲 隆, 島田 克博, 斉藤 正史, 柴崎 啓一
    2002 年56 巻12 号 p. 768-771
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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