自己免疫性肝炎の母親から生まれた児に, 生後1カ月よりdiscoidskin様の発疹, 肝脾腫を認めた. 母親は出産1年前に, 抗核抗体, 高ガンマーグロブリン血症を認め, SLEとして治療を受けていた. 母親は妊娠中, 肝機能正常であったが, 出産10日後より, 39℃まで12日間の発熱を認めた. 同時にGOT183単位, GPT113単位を示し, 抗核抗体1,280倍, 抗DNA抗体は80倍で自己抗体を認め, ルポイド肝炎と診断された. 生まれた新生児は40週, 出生体重3,310g. 生後1カ月, 口内炎, 下痢および顔面, 胸部, 上肢にdiscoid様の発疹を認めた. 患児は入院時GOT 282IU/l, GPT 311IU/l, 抗SS-A抗体16倍, 抗SS-B抗体2倍, 抗核抗体80倍を示し, 母親からのSLE関連抗体が児に移行して, 発症したものと考えられた. 抗SS-A抗体ならびに抗SS-B抗体は生後4カ月で消失し, 抗体の低下とともにGOTならびにGPTは5カ月で正常化した.
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