Duchenne型筋ジストロフィーDuchenne Muscular Dystrophy (DMD)の主観的QOLを, 同一の質問票を用いて6指標30項目について2検法で調査し, 1992年と2004年の変化を検討した. 対象は鈴鹿病院筋ジス病棟入院中のDMD患者で, 1992年は41例(年齢19.1±4.3歳, M±SD), 2004年は32例(年齢24.8±6.7歳)であった. 1992年と2004年における指標ごとの満足度は, A 自己の認識77.6%, 76.9%, B)療養への満足度65.9%, 76.9%, C)過去・現在・将来の評価47.7%, 60.0%, D)心理的安定43.9%, 63.8%, E)家族・社会・交友70.2%, 78.8%, F)生活の張り・活力・目的志向71.2%, 73.8%であった. B)とC)は5%以下, D)は1%以下の危険率で有意に2004年の満足度が増えていた. この12年間の人工呼吸器療法の普及など, 療養環境の変化が主観的QOLを向上させたと推定された.
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