医療
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48 巻, 7 号
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  • 竹内 仁司, 小長 英二, 杭ノ瀬 昌彦, 西崎 正彦, 村上 敬祥, 香川 俊輔, 吉岡 孝, 金岡 裕吉, 田中屋 宏爾, 安井 義政, ...
    1994 年 48 巻 7 号 p. 483-487
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    術後の末梢血血小板数の推移を検討し, 以下の結論を得た.
    1)術後最高血小板数と手術侵襲の大きさとの間には正の相関関係(p<0.05)が認められた.
    2)術後血小板数の推移は非縫合不全群, 縫合不全群とも術後早期に有意(p<0.05)に低下した後, 非縫合不全群では2週間目に, 縫合不全群では3週間目に最高値を示した. その後, 治癒とともに正常値まで減少した. この傾向は遅発群より早発群でより顕著であった.
    3)血小板数の推移は必ずしも白血球数の推移とは一致せず, 縫合不全群27例中10例(37%)は白血球数は正常であったが, その内9例(90%)は血小板数の増加を認めた.
    以上より, 術後最高血小板数は手術侵襲の大きさを反映するとともに, 末梢血血小板数の推移は創傷治癒過程を示し, 縫合不全の早期発見に有用であると考えられた
  • 村井 知也, 野崎 公敏, 若山 幸子, 大村 一郎
    1994 年 48 巻 7 号 p. 488-494
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    スモン患者を三期に分けて, 昭和41年から46年までをA群, 昭和47年から52年までをB群, 昭和61年から63年までをC群とし, その消化管X線所見を比較検討した. 方法は硫酸バリウムゾル250ml全量を一回経口内服し, 食道から大腸まで順次に経時的X線検査を行った. 結果は消化管にはスモンに特異的器質的病変と思われる所見を認めなかったが, 機能的には胃排出と小腸通過時間の遅延を認めた. これは最もキノホルムの影響をうけたと思われるA群に著明で, その後の時間的経過とともに次第に回復しC群では健康集団に近づいてきた. また小腸パターン異常は全期間を通じて約半数に認められたが, 三群間に有意差はなかった. 然し重症度別にみると症度III(重症)は症度I(軽症)よりもこの異常が強かった. これらはキノホルムの直接又は間接的影響によるものと考えられ, A群は最もその影響が大きくC群は最も少ないと考えられた
  • 秋田 裕司, 太田 明, 古川 正強, 岩井 艶子, 濱田 嘉徳, 曽根 美智子, 江川 善康, 松村 長生
    1994 年 48 巻 7 号 p. 495-498
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    香川小児病院における先天性心疾患(CHD)および染色体異常を伴った新生児55例について検討した. 染色体異常の内訳では21トリソミーおよび18トリソミーが多く, 両者で約80%を占めた. 内外でもまれなCHD合併例としては, 7番染色体長腕部分欠失, 9番染色体長腕部分欠失およびクラインフェルター症候群を経験した. 生命予後をみれば18トリソミーは全例7ヵ月以内に死亡したが, その他の疾患では合併したCHDの重症度および小児外科疾患の有無に左右されることが多かった. CHDおよび染色体異常を伴った新生児の場合は, 早期発見, 早期治療がとくに重要と思われた
  • 柳田 隆, 山下 陽子
    1994 年 48 巻 7 号 p. 499-503
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1987年から1993年に国立金沢病院において硝子体手術が行われた77例84眼の手術成績について検討した. 平均成功率は64.3%で, 硝子体出血や黄斑上膜では30%以上の成功率であったが, 網膜剥離や糖尿病網膜症では成功率は70%以下であった. 48眼(57.8%)でシリコンオイルタンポナーデを行った. シリコンオイル使用眼では非使用眼に比べ, 成功率は低く合併症の発症率は高かったが, シリコンオイルの抜去ができた眼では成功率77.8%と比較的予後は良好であった. 術後合併症として新生血管緑内障, 角膜障害および再剥離を発症した例で視力予後が不良であった
  • 小竹 武, 小森 勝也, 岩本 束子, 岡田 弘
    1994 年 48 巻 7 号 p. 504-509
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫患者8名のadriamycin(ADR), 代謝物のadriamycinol(NOL), adriamyci-none(NONE)血漿中濃度をHPLC法で測定し, 体内動態, 骨髄抑制との関連を検討した. 検量線はADR, NOL, NONEいずれも6.25ng/ml~500ng/mlの濃度で原点をとおる再現性良好な直線を得た. (r=0.998)患者のADR濃度は2175ng/ml~1.39ng/mlで, 血中理論に沿った経時的減少を示さず, 再吸収が考えられた. NOLはADRの高い検体に検出され, NONEは全症例で検出されなかった. morment解析可能症例ではAUCは93.06~605.37ng・hr/mlで値が高くなるほど骨髄抑制は強く現れたが, MRT, VRTとは関連が薄かった. また女性, 肝機能低下症例は骨髄抑制がより強く現れておりclearanceが小さくなっていると推定された. 組織内濃度の測定が困難な為, ADRの特性を示した血漿中濃度で, 症例数集積によるregimenの投与設定ならびに発現するであろう副作用に対するあらかじめの処置などさまざまな有用性が認められる
  • ―平成4年度国立循環器病共同研究―
    平成4年度国立循環器病共同研究班
    1994 年 48 巻 7 号 p. 510-518
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1992年9月末までの国立8病院における全代用弁置換症例を集計した. 全置換症例は1598例, 全置換弁個数は1811個であり, 弁位ではMVRが最も多く61.7%, AVR34.4%, TVR3.6%, PVR 0.2%であった. 代用弁の形態別ではBS弁(38.9%)を含む傾斜円板弁が58.5%と最も多く, 次いでSJM弁(12.3%)を含む中心開放二葉弁が23.4%であるが, 今後さらに多用されると思われた. 生体弁は16.1%と少ないが, TVR, PVRの70%以上を占めめた. その他ボール弁, ディスク弁などは2.1%に過ぎなかった. 連合弁置換は症例で12.9%, 弁個数では23.2%を占め, 86.9%が傾斜円板弁または中心開放二葉弁であったが, TVRには生体弁が多かった. 連合弁の組合わせではAVR+MVRが83.1%, MVR+TVRが12.1%と大部分を占めた. 今後さらに詳細な検討を, BS弁の各モデル, Omnicarbon弁, SJM弁, CarboMedics弁, 新タイプCE弁につき行うこととした
  • 武田 武夫, 島田 昌子, 中舘 尚也, 飯塚 進, 畑江 芳郎, 内藤 春彦
    1994 年 48 巻 7 号 p. 519-523
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    小児肝芽腫および成人型肝癌について術前および術後の化学療法をCisplatim, Adriamycinの組み合わせで治療した. 6例のうち, 5例が肝芽腫, 1例が肝癌であった. 肝芽腫のうち2例では術前治療せずに腫瘍切除を行った.
    肝癌の例には化学療法が無効であった. 5例の肝芽腫全例で腫瘍の全摘出ができたが, 1例で肝よりの再発を認めた.
    副作用としては嘔吐がもっとも多かったほか, 発疹, 骨髄抑制などであったが軽度でありすぐ回復した. 肝癌の例で2コース後に腎障害が見られ継続できなかった. 投与法, 薬剤の組み合わせなどになお改良の余地があると考える
  • 奥田 和人, 甲田 徹三, 伊藤 公訓, 佐藤 理, 早川 正宣, 片山 正一, 石川 勝憲
    1994 年 48 巻 7 号 p. 524-528
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    最近, 肝癌と多臓器癌の重複症例が増加しており, 二次癌の早期診断, 治療法など問題点が多い. 68歳男性の肝細胞癌と肺癌の異時性重複癌に対して切除術を施行し, 無再発に経過している症例を報告した. 肝左葉外側区に径約6cmの腫瘍に対して肝左葉切除を施行した. 7年後に咳噺を主訴として来院し肺癌が発見され, 左下葉切除術を施行した. 2年後, 肝癌, 肺癌の再発は認めていない
  • ―超音波所見と術前超音波診断の臨床的意義について―
    衛藤 明香, 松岡 陽治郎, 森川 実, 長置 健司, 天本 祐平, 古川 正人, 中田 俊則, 酒井 敦, 古井 純一郎, 三根 義和, ...
    1994 年 48 巻 7 号 p. 529-532
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    虫垂が上行性に後盲腸に位置する頻度は比較的高く, このような虫垂に炎症が生じた場合(As-cending retrocecal apPendicitis:以下ARA), 症状が非典型的でその診断が困難なことが多いとされている. 今回, 我々は術前に超音波検査により診断しえたARAの3例を経験したので超音波所見を中心に報告した. ARAにおける術前超音波検査は診断の確定のみならず, 手術に際しての皮切法, 到達経路の選択及び術中の虫垂検索にも適切な情報を提供しうる有用な検査法であると思われた
  • ―膵性糖尿病の治療経過を中心に―
    若杉 英之, 右田 良克, 大島 彰, 山田 幸生, 勝田 彌三郎
    1994 年 48 巻 7 号 p. 533-538
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    治療継続にもかかわらず, 特に終末期に近づく頃は本人も懸命に努力してたのに救命し得ず55歳で死亡した慢性膵炎の長期臨床経過と剖検所見を報告する.
    35歳, 十二指腸潰瘍でBillrothII法胃切除. 38歳, 慢性膵炎(アルコール性, 膵石症)の診断. 43歳, 糖尿病出現. 血糖コントロール不良で, 低栄養状態強く, 当院受診(48歳)Kwashiorkor徴候, 39.5kg, 164cm, 血清蛋白5.79/dl, コレステロール145mg/dl. 消化酵素剤, 鉄剤, 脂溶性ビタミン, 半消化態栄養, インスリン(1日58単位)投与により改善. その後(53歳時)インスリン使用量は減少し1日16単位. 54歳, 肺炎・胸膜炎にしばしば罹患, 高血圧症・尿蛋白出現. 49kg, 血清蛋白6.8g/dl, コレステロール164mg/dl, クレアチニン0.7mg/dl, 血圧コントロール困難55歳, 心不全発症, 肺水腫. 剖検所見:膵萎縮著明, 肝脾鬱血, 心筋肥大, 泡沫状喀痰, 食道癌(限局性). 死因としては心不全が示唆され, 糖尿病性血管障害が心不全をもたらした一因と考えられた. 胃切除と慢性膵炎に基づく低栄養状態も血管障害の進行に関係したと思われる. 入院を繰り返し(当院11回), 仕事に専念することはなかった
  • 西野 聡, 田中 学, 國枝 篤郎
    1994 年 48 巻 7 号 p. 539-542
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    中葉無気肺を呈したサルコイドーシスの1例を報告する. 症例は72歳の女性. うつ病, 虹彩炎の既往があり, 咳漱, 喀痰を主訴に某医を受診. 胸部X線写真にて両側肺門リンパ節腫脹, 両側中下肺野の網状粒状影, 右中葉無気肺像を指摘され, 精査のため転院. 気管支鏡検査では右中葉支入口部に血管怒張を伴った粘膜の肥厚と小結節の多発を認め, 狭窄を呈していた. 気管支粘膜生検では乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫の形成と多核巨細胞を認め, サルコイドーシスの気管支病変と診断した. 検査後の抗生物質投与にて右中葉は含気の回復を認め, 気管支病変による狭窄に何らかの感染が加わって無気肺を呈したものと考えられた
  • 市場 洋三
    1994 年 48 巻 7 号 p. 543-545
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1970年より過去24年間に経験した15歳未満発症の小児甲状腺機能亢進症(バセドウ病)34名につき臨床症状, 治療法, 治療合併症及び治療成績につき検討した. 28名に3年以上の治療がなされた. 28名なか18名(64%)が初期の寛解が得られたが, 9名が再発(50%)した. 1994年1月現在12名(43%)が寛解にいる. 4名が手術療法を1名が放射線療法を受けた. 手術療法を受けた4名中2名は術後甲状腺機能低下となった
  • 中野 浩武, 小柏 元英
    1994 年 48 巻 7 号 p. 546-551
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    てんかんの焦点検索のためには頭蓋内電極の留置が有効であることが知られている. 現在欧米で広く行われているてんかん外科は, ここから得られた脳波の情報を主要な基礎として成立している. しかし日本では頭蓋内電極の使用そのものが公に認められるものにはなっていなかった. そこで我々は最近, 静岡東てんかんセンターのグループとともに治験のプログラムを作成し, 米国Ad-Tech社の硬膜下電極を使用する機会を得た. 最終的に医療機器の査定を受け現在日本光電(株)を代理店として販売が可能になった. ここに提示した症例は, 此の治験のために実際に硬膜下電極を留置して, てんかんの焦点検索に有効であった一例における発作間欠期脳波の新しい解析法の試みを示したものである
  • ―より有効な蘇生法普及のために―
    小沢 章子, 野見山 延, 田辺 豊, 西 法正, 的野 博
    1994 年 48 巻 7 号 p. 552-557
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立病院に勤務する看護婦, 事務職員, 技術員などに心肺蘇生法の講習を行い, アンケート調査を行った.
    事務職員を含め, 心肺蘇生法そのものを体得させることは困難ではなかった. 大部分の受講者は実施可能と考え, 指導側から評価しても十分行えると考えられた. しかし受講者が実際に蘇生法が必要な場合に際して行うかといえば, 必ずしもそうとはいえない. 少なからずためらいと抵抗があり, 結果的に蘇生法を行うとしても消極的参加にとどまる者が多いのではないかと考えられた.
    受講者に実行させるには蘇生法の必要性認識, 実行するという意志を持つ, 繰り返し講習をうける習慣をつけるなどが重要である. またこれらの点に焦点をあてた講習会が重要と考えられる
  • 河島 修一, 橋詰 宏美, 石正 英良, 酒井 茂
    1994 年 48 巻 7 号 p. 558-561
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    薬剤師が服薬指導を行った結果, 処方内容が変更された例についてその事例と成績などについて報告する.
    1993年2月から10月までの9カ月間に, 国立療養所敦賀病院薬剤科が内科病棟で服薬指導を行った患者は169名であった, このうち医師から薬学的相談, 及び薬剤師から医師への薬学的情報提供によって, 処方が変更された患者数は35名(20.7%)であった.
    薬剤師が服薬指導を行うことは, 医師の薬物療法を支援し, きめ細い医療を行う上で有効であると考えた
  • 7. 肝細胞癌
    藤井 恭一, 花田 清彦, 桜木 博章, 椎名 丈城, 木村 真二郎, 梅田 典嗣, 林 茂樹, 谷 昌尚, 小堀 鴎一郎
    1994 年 48 巻 7 号 p. 562-566
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 48 巻 7 号 p. 567
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 48 巻 7 号 p. 567a-568
    発行日: 1994/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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